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水槽が原因で火災発生!?事例と原因、ヒーターの正しい置き方などを解説

水を入れて運用することが一般的な水槽が、火災の原因になると聞いてもピンとこない方も多いかもしれません。しかし、水槽は生体を飼育するうえで、フィルターなどの電気を使用する周辺機器を併用することが普通なので、適切な運用をしなければ火災の原因になり得ます

火災の具体的な原因としては、前述した電気系統のショートによるものや、水とガラスが虫眼鏡のような働きをしてしまった結果生じる収れん火災などが挙げられ、中でも多いのが水槽用ヒーターによるものです。

何らかの要因でヒーターを空焚きしてしまい、高温になったヒーターに可燃物が触れて発火、火災に発展するケースが散見されています。

ここでは、水槽用ヒーターが原因で生じた火災に焦点を当て、具体的な事例と火災を防ぐための正しい水槽用ヒーターの置き方などをご紹介します。

水槽用ヒーターが火災の原因になる理由

観賞魚用ヒータの実験映像

東京消防庁によると2007年~2017年の期間における、東京都内での水槽用ヒーターが原因である火災の発生件数は54件が報告されています。この中の34件が水槽用ヒーターを空焚きしたことで発生した火災で、実に6割以上の割合を占めています。

東京消防庁が実施した実験では水槽用ヒーターを空焚きした時、3分後にはヒーターの中心温度が約700℃にも達することが分かっています。

これだけの温度になると、ヒーターを覆う樹脂が発火あるいは溶融してしまい、その結果として水槽のフレームなどの可燃物が燃焼。家財道具を巻き込む火災へと発展してしまうのです。

また、1995年に発生した阪神・淡路大震災では176件の火災が報告されましたが、その中の8件は水槽用ヒーターに起因した火災でした。

これらの事態を重く見た東京消防庁は、メーカーに対して水槽用ヒーターによる火災の予防策を講ずるよう要請。現在ではヒーターの表面温度が抑制された製品や、ヒーターカバーが取り付けられて安全性が向上したものが販売されるに至りました。

しかし、現在の基準が適合される前の製品を使用している場合は、依然として火災に対して注意が必要です。

水槽用ヒーターが原因の火災の事例と火災予防のポイント

水槽用ヒーターが原因の火災事例

掃除のために水槽から出したヒーターから出火

この事例は水槽の掃除のために、飼育水中から取り出したヒーターから出火した事例です。出火した原因としては、ヒーターの電源を切り忘れたために空焚き状態になってしまい、高温になったヒーターに可燃物が触れたことが挙げられます。

水位が下がって空気中に露出したヒーターから出火

こちらは旅行など長期の外出中や、不注意によって水槽の水位が下がっていることに気が付かず、ヒーターが空気中に露出して空焚き状態になったことで出火した事例です。高温になったヒータが水槽の樹脂製フレームなどを加熱して発火、火災に至りました。

火災予防のポイント

水槽用ヒーターによる火災を予防するためのポイントは以下の2点です。

  • 水から出すときは必ずスイッチを切る
  • 空気中に露出していないか定期的に確認する

水槽を掃除する時など、ヒーターを水から出す場合はスイッチが切れているかどうか、必ず確認してから取り出してください。さらに、電源プラグを抜いておき、可燃物の近くにヒーターを置かないようにすれば、安全性を確保することが可能です。

また、カメ用の水槽など水位が低い状態で運用している水槽は、定期的にヒーターが水中から露出していないかどうか確認することが重要です。特に、オーバーフロー水槽のろ過槽などは、水位が下がっていても気が付きにくいことがあるので注意してください。

水槽用ヒーターの正しい置き方

ヒーターの設置方法の基本について

水槽用ヒーターは基本的には横向きに設置します。お風呂などで経験している方も多いと思いますが、温められた水は水面の方へ移動するので、横向きに設置することで飼育水を均一に温められるのです。

縦向きで運用できないわけではありませんが、縦に置きたい場合は縦置きに対応している機種を使用してください。

ヒーターには横置きにのみ対応した機種と縦置きにも対応している機種があり、前者を縦に置いてしまうと飼育水が均一に温まらなかったり、最悪の場合はヒーターの上方が過度に加熱されて故障してしまいます。

また、底床材を入れている場合は、底床材から1cm程度離してセッティングしてください。見栄えが悪いからと底床材に埋め込んでしまうと、飼育水が温まらないうえに、ヒーターが故障する危険があるので注意してください。

それから、水槽の上部・水面付近に設置することも避けましょう。前述した通り、温められた水は水面の方に移動するので加温の効率が悪くなるだけでなく、水の蒸発にともなう水位の低下によってヒーターが露出しやすくなり、空焚きのリスクが上昇してしまいます。

オーバーフロー水槽のろ過槽に設置する場合

オーバーフロー水槽のろ過槽にヒーターを設置する時は、ろ過槽の底面に直接置くことは避けてください。なぜなら、ヒーターと触れている状態だと、加熱されたことによってろ過槽の底面が溶融する恐れがあるからです。

よって、ろ過槽に設置する場合は「すのこ」などの熱に強いものを敷いて、その上にヒーターを置くようにしましょう。

サーモスタットが分かれているタイプのヒーターの置き方

水槽用ヒーターの機種によっては、ヒーター部分とサーモスタット(温度調節装置)が独立している商品もあります。そのようなヒーターを設置する場合は、必ずヒーターとサーモスタットを遠く離して設置してください。

なぜなら、ヒーターとサーモスタットを近くに設置してしまうと、温められた水をすぐにサーモスタットが検知して加温を止めてしまい、飼育水全体を温めることができなくなるからです。

その結果、飼育水に温度のムラが発生し、白点病などの病気が発生することがあります。これは、オーバーフロー水槽のろ過槽についても言えることなので、上記の点ともども注意してください。

フィルターの吸水口付近には設置しない

これはバクテリア保護の観点からの注意点です。ヒーターをフィルターの吸水口付近に設置してしまうと、ヒーターに加熱された直後のバクテリアにとっては熱すぎる水が、フィルター内部に吸い込まれてしまいます。

結果として、ろ材に定着しているバクテリアにダメージを与える恐れがあるので、ヒーターはフィルターの吸水口から離れた位置に設置してください。

まとめ・水槽用ヒーターによる火災の事例と正しい置き方などについて

水槽用ヒーターは熱帯魚などを飼育するうえで欠かせないものですが、一歩間違えれば火災に発展する危険なものでもあります。火災が発生してしまうと、飼育していた大事な生体たちはもちろんのこと、家財道具や場合によっては家そのものも失ってしまいます。

ヒーターを使用する際は、特に空焚き状態にならないように注意し、楽しいアクアリウム生活をお送りください。