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フィッシュレスサイクルで水槽を立ち上げるには!方法を解説します!

水槽を立ち上げる時はパイロットフィッシュを導入することが一般的です。しかし、パイロットフィッシュとして適している魚種に飼育したいものがいないなどの理由で、立ち上げに魚を入れたくない方もいるのではないでしょうか。

そんな方たちにおすすめなのがフィッシュレスサイクルです。フィッシュレスサイクルとは魚を入れずに水槽の立ち上げを行う手法で、立ち上げ後すぐに任意の生体を飼育できるなどの利点があります。

ここでは、フィッシュレスサイクルについて方法や注意点などをご紹介します。

フィッシュレスサイクルとは?

フィッシュレスサイクルとはその名の通り、魚を使わずに水槽の立ち上げを行う手法を指します。一般的にはパイロットフィッシュを導入して、バクテリアの養分となるアンモニアを供給してもらいますが、同手法では人為的にアンモニアを添加してバクテリアを繁殖させることが最大の特徴です。

水槽の立ち上げについて

水槽の立ち上げ時には、水質を浄化するためのバクテリア(硝化菌)がほぼ存在していません。よって、その状態で生体を導入してしまうと、排せつ物などから発生する有害なアンモニアを分解することができずに、飼育水中の濃度が上昇してしまいます。

生体が持ちこたえている間にアンモニアと、アンモニアが分解させれて生じるやはり毒性が強い亜硝酸を、比較的無毒な硝酸へと変換する「硝化サイクル」ができ上がらなければ、生体は死に至ります。

そのため、水槽の立ち上げは器具類のセッティング完了後に2~3日空回しを行い、ある程度バクテリアが定着したタイミングでパイロットフィッシュを導入することが多いです。

パイロットフィッシュを導入する理由はバクテリアを繁殖させるためで、水質の浄化に寄与するバクテリアはアンモニアや亜硝酸を栄養分にして活動しているので、それらを供給する目的があります。

アンモニア/亜硝酸源として魚が選ばれるのは、エビなどの無脊椎動物よりも高アンモニア/亜硝酸濃度の環境に強い種類が多いため、給餌量などに注意して飼育していれば水槽の環境を自然と整えられるからです。

フィッシュレスサイクルのメリット・デメリット

フィッシュレスサイクルのメリットとしては主に以下のことが挙げられます。

  • パイロットフィッシュが必要ない
  • 魚を危険な環境に晒さずに済む
  • 入手した魚をすぐに飼育できる

フィッシュレスサイクルにはパイロットフィッシュが必要ないので、水槽の立ち上げ後にパイロットフィッシュの処遇について困ることはありません。

また、飼育したい魚がパイロットフィッシュとして適していた場合でも、過酷な環境に晒さずに済むので寿命を縮めたり犠牲になる個体を出さずに済みます。

さらに、あらかじめ同手法で水槽を立ち上げておけば、魚の数や種類にもよりますが、すぐに飼育を始めることも可能です。

逆に、デメリットとしては主に以下のことが挙げられます。

  • 魚を入れるとバランスが崩壊する可能性がある
  • アンモニア添加剤が必要

実際の水質浄化プロセスとしては、1.有機物→2.アンモニア→3.亜硝酸→4.硝酸、の工程を経ます。

フィッシュレスサイクルは1から2への工程を飛ばして水槽を立ち上げるので、いざ魚を入れても1から2の工程を担当するバクテリアが十分に繁殖するまでは、水質が不安定化しやすい難点があります。

また、同手法で立ち上げたとしても、実際に魚などが排出するアンモニアの量がバクテリアによる処理能力を上回ってしまうと、バクテリアがさらに増殖するまでは水質が安定しません

それから、同手法はパイロットフィッシュを導入しないため、バクテリアの栄養分となるアンモニアを添加するための薬剤などが必須です。

フィッシュレスサイクルによる水槽の立ち上げ方法

【第3類医薬品】アンモニア水 500mL

用意するもの

  • 水槽など生体を飼育するための器具一式
  • アンモニア添加剤(アンモニア水・魚の切り身など)
  • 水質検査キット

まず、生体を飼育するために必要になる器具類は、通常通り一式そろえておいてください。アンモニア添加剤としてはアンモニア水魚の切り身などが使用できますが、おすすめは前者を用いる方法です。

なぜなら、アンモニア水は薬局やネット通販で容易に入手が可能で、日々の添加量の調節が簡単だからです。

魚の切り身は、パイロットフィッシュを用いた場合に近い形で立ち上げが可能ですが、腐敗による雑菌の繁殖が懸念され、管理がより難しいことが大きなデメリットです。そのため、本稿でもアンモニア水を用いた方法をご紹介します。

それから、実際にバクテリアが繁殖し、硝化プロセスができ上がっているかを確認するための水質検査キットも必須です。特に、アンモニア濃度と亜硝酸濃度が重要なので、最低限両者を調べられるものを用意してください。

フィッシュレスサイクルの方法

水槽と周辺機器をセットし、2~3日空回しを行う

まずは、水槽と周辺機器をセッティングして空回しを行い、バクテリアをある程度繁殖させます。

この時、照明についてはコケの発生を抑えるために点灯させることはしなくても良いですが、その他の機器については電源を入れて運転させてください。

特に、バクテリアの繁殖には酸素が欠かせないので、エアレーションは忘れないでください。

アンモニアを添加する

空回し後、2~3日経過したらアンモニアを添加していきます。添加量の目安としては、水2Lに対して10%濃度のアンモニア水を1滴添加する程度です。最初の内はアンモニアは毎日添加する必要があります。アクアリストによっては、このタイミングでバクテリア剤を併用する方もいます。

アンモニア・亜硝酸の濃度が十分に低下するまでアンモニアを添加

アンモニアを添加し始めて数日経過したら、検査キットを用いてアンモニア濃度と亜硝酸濃度の測定をしてください。亜硝酸が検出され始めたらバクテリアの繁殖が順調な証しです。

そのままアンモニアを添加し続け、アンモニアの濃度と亜硝酸の濃度が安全域に達したら、少しずつ生体を導入してください。

生体を入れる前にはpHと硝酸の濃度も測定しておき、pHが低くて硝酸の濃度が高いようでしたら水換えを行い、もう数日間待ってから導入しましょう。

ちなみに、安全域の濃度はそれぞれ、アンモニア:0.02mg/L以下、亜硝酸:0.8mg/L以下、硝酸:10mg/L以下(理想)・25mg/L以下(許容範囲)です。

フィッシュレスサイクルで水槽を立ち上げる際の注意点

アンモニアやバクテリア剤を添加し過ぎない

バクテリアの養分となるアンモニアやバクテリア剤をたくさん添加すれば、より早く水槽の立ち上げができるかと問われれば、そうはなりません

なぜなら、バクテリアの繁殖速度自体はアンモニアが過剰に存在しても変化せず、バクテリア剤に含有されるバクテリアが必ずしも定着するとは限らないからです。

水槽の立ち上げにはパイロットフィッシュを導入する場合と同じく、最低でも2~3週間はかかります。逆に、アンモニアを添加し過ぎると環境が崩壊し、かえって立ち上げに時間がかかることもあるので注意してください。

水槽の立ち上げ速度を上げたいのであれば、バクテリアの繁殖を促すためにヒーターで20℃以上に保温したうえで、しっかりとエアレーションを効かせた方が効果的です。

生体を一度に大量に入れない

デメリットの項で触れましたが、フィッシュレスサイクルではあくまでアンモニア以降の硝化プロセスを構築しただけです。そこに、大量の生体を入れてしまうと、排出される有機物によって水に濁りが生じたり、油膜ができてしまう場合があります。

また、フィッシュレスサイクルで繁殖させたバクテリアが処理できるアンモニアの量よりも、生体から排出されるアンモニアの量が多かった場合、環境が崩壊する危険もあります。

そのため、立ち上げ直後はパイロットフィッシュを導入する場合と同様に、水質の経過を観察しながら慎重に生体の数を増やす必要があります。

まとめ・フィッシュレスサイクルでの水槽立ち上げ法について

フィッシュレスサイクルとは、パイロットフィッシュを導入しない水槽立ち上げ法です。

パイロットフィッシュを導入しないので、立ち上げ直後から任意の生体を飼育できるなどのメリットがあります。

その一方で、人為的にアンモニアを添加した影響で、生体を入れた直後に環境が崩壊する可能性があることには注意してください。フィッシュレスサイクルにおいても通常の立ち上げ法と同様に、飼育したい生体を入れる時は様子を見ながら慎重に導入していくことが大切です。

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