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サンゴ水槽の立ち上げ方法!機材の選定、サンゴの導入まで全て解説

マリンアクアリウムを始めたばかりのころは、ライブロックと海水魚だけの水槽という人が多いのではないでしょうか?

ひと昔前は初心者には飼育が困難といわれていたサンゴは、今では科学技術が発達し、育てやすくなりました。

しかしサンゴ水槽を作る場合、海水魚だけの水槽よりは手間がかかる・難しいというイメージや必要が機材がわからないという理由で、諦めてしまう人が多いようです。

今回はマリンアクアリウム初心者向けに、サンゴ水槽の立ち上げに必要な機材や導入までについて解説していきます。

サンゴ飼育に必要なものは?

まず水槽を立ち上げる前に、必要な機材を揃えましょう。

水槽はもちろんですが、それ以外に以下のような機材が必要となります。

底砂

サンゴ飼育水槽では、底砂の厚みにどれくらいという基準はありません。

底砂を5cm以上厚く敷く場合は基本的に底砂の清掃をせず、逆に5cm以下と薄くする場合は底砂清掃を行います。

ろ過材不要のベルリンシステムでサンゴを育てる場合は、脱窒交換(硝酸塩除去)をしなければならないので底砂を厚く敷きます。 

ろ過材

基本的にサンゴだけならろ過材はなくても育てることができます。しかし魚も入れたい場合や、サンゴを多く育てる場合は水の汚れも早くなるため、ろ過材が必要です。

基本的にろ過は「オーバーフロー」を使用

オーバーフローと言っても、ろ過材を自由にカスタマイズでき、種類も多種多様なので自分の育てるサンゴに適した素材・種類を使用することになります。

オーバーフローは淡水魚ではあまり使用されませんが、海水魚水槽ではメジャーなろ過方式で、水質が安定して酸素不足になりにくいという特徴があります。

オーバーフローのろ過装置についての詳細は、こちらで詳しく解説しています!

プロテインスキマー&循環ポンプ

外掛式プロテインスキマー QQ1(キューキューワン)

ベルリンシステムでサンゴを飼育する場合は、プロテインスキマーはワンランク上のサイズのものを使用することをおすすめします。ろ過スペースの関係で大型のプロテインスキマーを導入することができない場合は、循環ポンプの流量を1時間あたり通常5~7回転だったのを、3~4回転へと落としましょう。

こうすることでプロテインスキマーが濾しとる時間を長くすることができます。

しかし循環ポンプの回転を低下させることで、水槽内にデトリタスが溜まりやすくなってしまうので、水流ポンプは必需品です

プロテインスキマーのおすすめ機種は、こちらの記事で紹介しています。

カルシウムリアクター

H&S カルシウムリアクター CA―α 内部式50Hz(東日本用)

カルシウムリアクターはカルシウムメディアを入れ水を通し、そこに二酸化炭素を添加して融解させ、KH(炭酸塩硬度)を上げる装置です。

ミドリイシのようなハードコーラル系のサンゴは、水中にあるカルシウムイオンを摂取することで、骨格を形成しています。そのためsps飼育ではカルシウムリアクターは必須となっています。

使用するためにはカルシウムリアクター本体のほかに、消耗品のカルシウムメディアが必要となります。

カルシウムリアクターについてはこちらの記事で詳しく解説しています。

水流ポンプ・クーラー・ヒーターなど

カミハタ リオ プロップ 1000 (60Hz・西日本地域用) 4.5W

水槽内の水温の上下が激しいと、サンゴはダメ―ジを受けてしまいます。そのため水温の維持が難しい夏や冬は、クーラーやヒーターで水温を一定に保たなければなりません。

流水ポンプは水槽内に水流の淀みを作らないために導入必須アイテムです

どちらも水槽にあった機材で熱量や水量に合わせたものを購入しましょう。

水槽用ヒーターやクーラーに関しては、こちらの記事を参考にしてください。

照明

サンゴは光合成を行うため、太陽の光に近いフルスペクトルの波長のLEDライトがおすすめです

照明のデザインは天井から吊り上げるタイプか、照明専用アーム、アーチを使用できるものを選びましょう。水槽の上に置くタイプのものだと、水槽メンテナンスのときに毎回本体を他の場所に移動させなければならないという手間がかかります。

サンゴ育成向きの照明に関しては、こちらで解説しています。

水質測定器や水質検査キット

テトラ (Tetra) テスト 炭酸塩硬度試薬KH(淡水・海水両用) 水質検査 テスト 総硬度 硝酸塩 亜硝酸塩 塩素 炭酸塩 PH

水槽内の水に含まれている成分は、見た目で判断することができないため、水質測定器や水質検査キットを使用して、phなどの数値を計測します。

水質検査用品に関しては、こちらの記事で詳しく解説しています。

海水の素や水温計・カルキ抜きなど

一般の海水魚水槽と同じように、海水は海で汲んでくるか自分で海水の素を使用して作ったものを使用します。海水を作るときにカルキ抜きは必須ですし、水温管理のために水温計も必要です。

LPSまでなら飼育可能設備

アワサンゴやキクメイシなどの、LPS(ラージ ポリプ ストーニー コーラル)を飼育するのに必要な機材は以下のようなものがあります。

  • サンゴ育成用照明

□オルカORCA LED オプティマスリーフナノII 30~60cm水槽用 沖縄別途送料

小型水槽の場合はオルカ (ORCA) の「オプティマスリーフナノ」がおすすめです。10段階の調光が可能で、水槽メンテナンスの邪魔になりにくいです。

LPSを育てるには水槽用照明の他に、以下のような機材が必要になります。

  • 外部ろ過器またはオーバーフローろ過設備
  • クーラーやヒーター
  • 水流ポンプ 

spsまで飼育できる最高設備

SPSはカルシウムリアクターが必要ですが、基本的にはLPSと必要とする機材は同じです。

  • サンゴ育成用照明(波長・照度ともに適正な良質なもの) 


SPSを育てるのにおすすめの照明は「AI Hydra26HD(ハイドラ26HD) ホワイト 水槽用照明」です。フルスペクトルのLEDライトです。ボタン1つで6段階の調節が可能で、PCやスマートフォンで色調や光量の調整が可能!

別売りの吊り下げキットを購入するとことで、天井から吊り下げることができます

SPSを育てるには水槽用照明の他に、以下のような機材が必要になります。

  • 外部ろ過器またはオーバーフローろ過設備
  • クーラーやヒーター
  • 水流ポンプ
  • カルシウムリアクター

水槽の立ち上げ手順

サンゴ水槽の立ち上げは機材が多いだけで、一般的なマリンアクアリウム水槽の立ち上げと同じです。大まかな流れを説明すると以下のようになります。

  1. 水槽や水槽台の設置
  2. 海水を用意する
  3. 水槽に底砂を入れ、ヒーターを設置
  4. 海水を入れライブロックなどを設置
  5. ろ過機材などを設置し、ろ過バクテリアの投入
  6. 照明の設置
  7. パイロットフィッシュなどの導入

パイロットフィッシュなどを導入後は、水質の変化などをこまめにチェックして、水質が安定するのを待ちましょう。

基本的な海水水槽の立ち上げに関しては、こちらの記事を参考にしてください。

水槽設置後に行うこと

サンゴ水槽を立ち上げ設置したら、すぐにサンゴを入れたくなりますが、約2ヵ月ほど様子を見ながらサンゴを入れていきます。

サンゴを水槽に入れるときは、必ずpHやKHを計測し規定値であることを確認しましょう

水質が安定していても特定の栄養素が足りないということもあります。特にKHの数値には注意して、不足しているようならカルシウムリアクターを使用して、規定値になってからサンゴを入れましょう。

サンゴ水槽の管理方法については、こちらの記事を参考にしてください。

必要機材をしっかり揃えて、サンゴ水槽を立ち上げてみよう!

今回はサンゴ水槽の立ち上げについて、必要機材や立ち上げ手順などについてお話しました。

サンゴは光合成や必要とする栄養分などの調整が、マリンアクアリウム初心者には難しい一面もありますが、水槽内に華やかさを与えてくれます。ライブロックと魚だけでは何だか寂しい、というのであればサンゴ飼育にチャレンジしてみませんか?