ハゼの仲間はいろいろな種類がいますが、「共生ハゼ」はエビと一緒に暮らしているハゼのこと。しかしどんなエビでもよいかというとそうでもなく、共生させるのであればエビとハゼの相性が重要です。有名な組み合わせにはテッポウエビとネジリンボウやギンガハゼの組み合わせがあります。
今回はエビと共生ハゼを飼育するときのおすすめの組み合わせや、飼育の注意点などについてお話ししていきます。
共生ハゼとは!エビと一緒に暮らすハゼの仲間
ハゼは『条鰭綱スズキ目ハゼ亜目』に分類されている魚の総称で、世界各地に棲息していて、海水だけでなく汽水や淡水にも生息しているものがいます。さまざまな種類がいますが、ハゼの中でもエビと共同生活を送っている種類を『共生ハゼ』と呼ぶのをご存知でしょうか?
共生ハゼは自分で巣穴を作ることをせず、なんとエビが穴掘りや巣穴の保全作業を行っているんです!
しかしハゼが何もしないというわけではありません。ハゼは巣穴の見張りをしていて、外敵が来ることをエビに教えます。そしてハゼのフンはエビの餌にもなるので、お互いにメリットがあり持ちつ持たれつの関係で共生しているのです。
人気の共生ハゼとエビの組み合わせ5選!
自然界のように共生ハゼとエビの生活を、自宅で見ることができたら素敵ですよね!
そこで今回はアクアリウムで人気のある共生ハゼとエビの組み合わせを5つご紹介するので、飼育する種類選びの参考にしてください。
ネジリンボウ×ランドールズピストルシュリンプ
ネジリンボウは日本の海にも生息しています。体には黒い帯が斜めに4本入っていて、下あごから目の付近までが黄色い色をしている魚です。
肉食傾向の強い魚ですが、性格は温和なので混泳向き。しかし口に入るサイズの相手は食べてしまうので混泳相手のサイズは注意が必要。自然界では内湾の砂地で、テッポウエビの仲間と共生しています。
ランドールズピストルシュリンプは、赤・白のバンドと手足の黄色い色がポイントの見た目が派手なエビですが、マリンアクアリウムの中では小型の部類に入るエビです。マリンアクアリウムではこの組み合わせは有名なので、初心者はこの組み合わせから飼育をしてみるものよいですね。
ギンガハゼ×ニシキテッポウエビ
ギンガハゼは黄色ベースの体色に、水色のドット模様が入っている綺麗な海水魚。ハゼの中でも体型はほっそりしているタイプ。臆病な一面がありますが性格は温和で、テッポウエビと仲が良いです。
ニシキテッポウエビは海底とライブロックや岩の間に巣穴を作りますが、視力が弱いためにギンガハゼに身を守ってもらっているんですよ。一生懸命穴を掘る姿が、とてもかわいらしいエビです。
ニチリンダテハゼ×ニシキテッポウエビ
ニチリンダテハゼは丸く大きな背びれが特徴的な海水魚。白ベースのボディにイエローのラインがきれいで、背びれには白く縁どられた黒い円があります。ニシキテッポウエビとの相性がよいのですが、混泳の際は気が強めな点に注意しましょう。
ヤマブキハゼ×コシジロテッポウエビ
ヤマブキハゼは乳白色がベースのボディに、名前のとおり「山吹色」の斑点模様が入っています。気が強く、巣穴に近づく相手には容赦なく攻撃していくので、共生相手以外との混泳は避けましょう。
コシジロテッポウエビは、名前にあるように腰周辺に白いラインが入ってるのが特徴的なエビです。色合い的には地味なエビですが、じっくり育ててみるとかわいらしい一面をみることもできますよ。
オドリハゼ×ダンスゴビーシュリンプ
オドリハゼは黒いボディに頭~背中にかけて白いラインが入っているのが特徴的なハゼ。性格は臆病ですが、共生相手のダンスゴビーシュリンプとの相性は抜群!
巣穴近くを見張っている姿は、ゆらゆらと揺れながら踊っているようにも見えて愛らしいですよ。
ダンスゴビーシュリンプは流通量が少なめなので店頭で見つけにくいかもしれませんが、鑑賞性が高く人気のある品種です。体に赤い斑点があるのが特徴的で、オドリハゼとセットで販売されていることもあります。
共生ハゼとエビの飼育方法
ここからは共生ハゼとエビをセットで飼育するときのポイントについてお話ししていきます。
飼育水槽は30cmから可能!フタは絶対しよう!
マリンアクアリウムで飼育されている共生ハゼとエビの体長は、最大でも6cmほどのものがほとんど。小型なので30~45cmの小型水槽でも飼育することができますが、飛び出し事故が起こりやすいので飼育時には必ず水槽のフタをしましょう。
共生ハゼもエビも丈夫なものが多いので、飼育条件や飼育に使用する機材などは通常の海水魚飼育のものと同じで大丈夫。飼育時の水温は24~26℃が適温となります。
ハゼやエビの飼育方法については、こちらの記事を参考にしてくださいね。
共生ハゼとエビの餌について
共生ハゼの餌ですが、冷凍のブラインシュリンプや人工飼料も問題なく食べてくれます。キョーリンの「メガバイトレッド」などがおすすめです。またイサザアミのような生餌も食べてくれますよ。
エビはハゼのフンや水槽内のコケを主食にするので、ハゼにしっかりと餌を与えてあげるのが飼育のポイントとなります。
温和で混泳に向いています!
共生ハゼは一部気性の荒い種類もいますが、基本的に温和なタイプが多く、混泳しやすいものが多いです。
ただしエビは巣穴を持つために、共生しているハゼ以外の生き物に対しては警戒心が強いという特徴があります。同じ種類同士でも喧嘩をすることが多いため、ひとつの水槽で複数飼育はやめましょう。
共生にも相性がある
エビは巣穴の見張り役として共生ハゼと一緒の巣穴を使っていますが、視力が弱いとはいえ相性はあります。魚やエビも個性があるので、相性が良いといわれている種類でも、うまく共生できないことも。
共生する姿を見ることができない場合でも、最後まで責任をもって飼育してくださいね。
ショップによっては共生ハゼと相性のよいエビをセットで販売していることもあるので、店頭で様子を見て購入しましょう。他の種類との混泳はも可能ではありますが、海水魚は飼育を開始する順番やタイミングに注意する必要があります。
底砂は粒状サンゴ砂がおすすめ!
エビが巣穴を掘るので、底砂に使用するのはパウダーと粒状のものが混ざっている、もしくはパウダーではなく粒が一つひとつはっきりとした形状を持っている小さめのサンゴ砂がおすすめ。
水槽の運用期間が長くパウダー状のサンゴ砂で出来上がっている水槽で飼育を開始すると、エビが巣穴を作るためにほじくり返すので、底砂がぼこぼこになってしまいます。さらに運用歴の長い水槽の底砂をほじくり返すことで、砂の中に溜まっていた病原菌などが水槽内に広がってしまうというリスクがあります。
運用期間の長い水槽に入れるときにはこのデメリットもしっかりと理解したうえで、共生ハゼとエビを入れてくださいね。
サンゴとの相性はあまり良くない
共生ハゼとエビを飼育するときには、底砂にサンゴ砂を使用しますが、サンゴそのものと共生タイプのエビは相性が悪いんです。テッポウエビなどのように共生するタイプのエビは、巣穴を掘る習性があるため、サンゴが着床している岩を転がしてしまう・サンゴをひっくり返すことがあります。
共生ハゼとエビを飼育する水槽にサンゴを入れたいのであれば、エビにひっくり返されないようにしっかりとした固定をする・岩の組み方も工夫しなければなりません。
このことをクリアできればサンゴを水槽に入れることができますが、マリンアクアリウム初心者の場合、これだけで難易度が上がってしまうので注意してくださいね。
まとめ:共生ハゼを飼ってみよう!飼育方法と混泳エビの組み合わせ!底砂は?
共生ハゼとエビの組み合わせや、飼育時のポイントについてお話ししてきました。
共生ハゼとエビの生活、つまらなさそうと思っている人もいるかもしれませんが、じっくりと毎日観察しているとかわいらしいしぐさや、愛嬌のある様子を見ることができます。
自然の一風景をお部屋で見ることのできる共生ハゼとエビの水槽、機会があったらチャレンジしてみてくださいね!
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コメント
初めまして
2枚目の普通のダテハゼのような子は、ミナミダテハゼでしょうか?
教えて貰えたら嬉しいです!
コメントありがとうございます。
全体が見えませんが、ミナミダテハゼですね。