熱帯魚・金魚の水槽・アクアリウム情報メディアサイト「トロピカ」

フォローする

アクアテラリウムのコケを長生きさせる方法!適切な湿度を保つには

コケは低光量・多湿の環境を好む種類が多いので、アクアテラリウムで生育するには適した植物です。見た目も青々として奇麗なためレイアウトに組み込みやすく、昨今のコケブームの影響もあって、アクアテラリウムにおいても一般的に育てられるまでに至りました。

さて、コケは基本的には丈夫な植物で育成もしやすいのですが、当然ながら適切な環境を維持できなければ枯れてしまいます。本稿にたどり着いた方の中にも、せっかく奇麗にコケを植栽したのに、すぐに枯れてしまって残念な思いをしている方もいるのではないでしょうか。

ここでは、コケを長生きさせるために、アクアテラリウムにおける湿度の管理方法を中心にご紹介します。

アクアテラリウムにおけるコケの育て方の基本

コケを含む生物の育成において基本となることは、その生物がもともと生息している環境を育成容器内で再現することです。アクアテラリウムでコケを育成する場合は、「湿度」・「温度」・「光量」・「通気性」の4つの項目を適切な状態で保持することが重要です。

湿度

翔美苑 苔 パック (スナゴケ)

アクアテラリウムでコケを育成するにあたり湿度はコントロールが難しいもので、湿度の管理ができていないが故に、コケを枯らせてしまう事例が散見されます。また、コケと一口に言っても様々な種類が存在し、種類によって好む環境も違ってきます

例えば、水草として扱われることが多い「ウィローモス」は、ミズゴケ科に分類されているコケの仲間で、水中化が可能なことからも分かる通り、多湿な環境を好みます。一方で、緑化資材などにも利用されている「スナゴケ」は、日当たりが良くてやや乾燥した環境を好む種類として知られています。

このように、コケの種類によって適した湿度が異なるので、水場の側にレイアウトするか否かなど、配置する場所にも気を使う必要があります。

温度

全ての生物には成育に適した温度が存在し、それはコケも例に漏れません。コケの場合は一般的な植物よりも低温には強い傾向にありますが、高温には弱いことが多いので注意してください。

例によって、適した温度範囲は種類で差が大きいのですが、30℃程度まで上昇してしまうと大部分の種類が弱ってしまいます。そのため、夏の温度管理には特に注意が必要で、湿度に注意しつつ空調や冷却ファンなどを用いて高温にならないよう環境を整えてください。

冷却ファンを使用する場合、コケに風が直接当たってしまうと乾燥してしまうので、風向きには要注意です。

光量

コケは薄暗い場所に生えるイメージをお持ちの方も多いと思いますが、それでも屋外なので部屋よりは明るいことが多く、光量が不足すると光合成が十分にできずにコケは枯れてしまいます

よって、コケの育成においても一定の照明時間は必須なので、LEDライトなどの照明器具は用意しておきましょう。タイマーを用いて照明のON/OFFを自動化すれば、管理に手間がかからないのでおすすめです。

ちなみに、直射日光を当てることは推奨できません。なぜなら、日光は強力すぎるので温度の管理が難しくなるうえに、水中に発生すると厄介な藻類の繁殖を促進してしまうからです。

基本的には照明器具で光量を確保し、直射日光が当たる場所にはアクアテラリウムを置くことは避けた方が良いでしょう。

通気性

コケは多湿な環境を好む種類が多いのに、通気性が重要なのか疑問に思う方もいるかもしれませんが、コケの育成において通気性は欠かせません。なぜなら、あまりにも湿度が高い環境にさらされ続けることでも枯れてしまうからです。

特に、夏場は注意が必要で、もともと湿度が高くなりやすいうえに、気温も高くなるのでコケが蒸しあがってしまう恐れがあります。また、湿度が高すぎる状態が続くとカビが発生しやすくなってしまうので、適度な通気性を確保することは重要です。

コケを長生きさせる湿度の保ち方

ここからは、コケの育成環境の中でも管理が難しい湿度について、適した条件を維持する方法をご紹介します。

霧吹きをする

アクアテラリウムで湿度を保つ基本になる方法が、霧吹きをして空気中に水分を供給することです。コケへの水やりも兼ねられるので、コケの培地が濡れるように1日に1回は霧吹きをしてください。

冬場は乾燥しやすいので、朝晩にアクアテラリウム内を確認し、乾燥が見られるようなら霧吹きで水分を供給しておくと良いでしょう。

ファンを設置

湿気がこもりやすい場合は、ファンを設置して空気の流れを作ると良いです。ファンは小型水槽用に販売されている冷却ファンなどでも十分に機能してくれます。

逆に、アクアテラリウムの大きさにもよりますが、あまりに強力なものを導入すると乾燥し過ぎることがあるので注意してください。先にも述べましたが、ファンの風がコケに直接当たると、乾燥して弱ってしまう恐れがあるので、風向きには気を付けて設置しましょう。

レイアウトの見直し

アクアテラリウムは鑑賞性のことだけを考えて、観葉植物やアクセサリ類をレイアウトしてしまうと、通気性を尚更に悪化させてしまいます。

局所的にカビが発生したり虫が湧くなどの現象が起きたら、空気の淀みが生じて過湿状態になり、不衛生になっている箇所があると見て良いでしょう。そのような場合はレイアウト自体の見直しを考えてください。

また、前述したようにコケは種類によって適した環境が異なります。スナゴケなどのある程度乾燥した環境を好む種類を、水辺や循環水が常にかかるような場所にレイアウトすると枯れてしまいます。それぞれのコケに適した環境になるように、コケの配置先にも気を付けてください。

コケを長生きさせるにはアクアテラリウム用水槽の使用がおすすめ!

GEX AQUARIUM グラステリア250 ガラス 水槽3年保証フレームレス水槽W25×D17×H21cm 約7.5L サカナ用

アクアテラリウムは普通の水槽でも運用できますが、本格的に取り組みたいのであればアクアテラリウム用水槽の使用をおすすめします。

アクアテラリウム用水槽は水槽の前面が低くなっている構造をしており、霧吹きなど日常のメンテナンスがしやすいうえに、その分だけ水槽の開口部が広いので通気性の確保も容易です。

通常の水槽よりも通気性に気を使わなくて良いためレイアウトの自由度も高く、コケに適した環境の維持管理もしやすくなっています。

最近では、幅・奥行き・高さが30cm程度の、小型アクアテラリウム用水槽も手ごろな価格で市販されているので、コケを状態良く育成したい方は試してみてはいかがでしょうか。

まとめ・アクアテラリウムでコケを長生きさせるための湿度の保ち方について

コケは基本的には育成しやすい植物ですが、一般的に湿度が高い環境を好むからと、通気性を考慮せずに植栽すると枯れてしまいます。また、種類によってはやや乾燥している場所を好むものも存在するので、アクアテラリウムに導入する前に適した環境をよく調べておくことが重要です。

コケは状態良く育成できれば、その色合いや様々な草姿がアクアテラリウム内で良く映え、私たちの目を楽しませてくれます。ぜひ、コケにとって適した環境を維持できるようにしてあげて、楽しいアクアテラリウム生活をお送りください。