ドクターフィッシュを飼ってみよう!ガラルファの飼育方法!繁殖は可能?

人間の古くなった角質を食べてくれる不思議なお魚、ドクターフィッシュ

ドクターフィッシュは正式にはガラルファという名前の熱帯魚で、もちろん自宅で飼育することもできる魚です。

自宅でガラルファを飼育する場合のポイントは主に以下の4つが挙げられます。

  1. 人間の角質を食べるのは主に幼魚期(成長と共に減っていく)
  2. 水槽は60cm以上の大きさを用意すること
  3. 水温は25度以上、30℃以上付近が望ましいこと
  4. フィッシュセラピー目的の場合でも、角質だけでなく必ず餌を与えること

これらのポイントを踏まえて、ガラルファの飼育方法、繁殖などについて詳しく解説していきましょう。

ドクターフィッシュことガラルファはどんな魚?

日本でも水族館や温泉、観光地などで見かけるドクターフィッシュことガラルファ
(英名:doctor fish、学名:Garra rufa)
コイの仲間の熱帯魚で、2025年の最新の研究では37℃以上の高温環境でも生存可能であることが示されています。

三重大学|三重大Rナビ 『ドクターフィッシュ』のゲノムを世界初解読!~新たな疾患モデル生物として期待~

勿論飼育する際は一般的な水温で飼育する方が安全性・コスパ両面でいいのですが、面白い魚ですよね。

そんなガラルファについて、詳しくご紹介します。

ガラルファとは?

ガラルファは、西アジアに生息する鯉の仲間に分類される熱帯魚です。

温泉などで見かけるガラルファは小さなイメージがありますよね。あれはガラルファの幼魚で、実は成長すると14~15cm程度になる中型の淡水魚です。

生後2年ほどで成魚となり、7年程度は生きるとされている長寿な熱帯魚でもあります。

温泉地などで人間の古くなった角質を食べてくれることから、ドクターフィッシュと呼ばれて注目されることとなりましたが、元々は川底や石などに付着するコケなどを主な餌としています。
そのため水槽で飼育すれば、水槽のコケ取り役としての働きも期待できるでしょう。

ドクターフィッシュとしての役割

ガラルファは、人間の古くなった角質を食べてくれることからドクターフィッシュと呼ばれるようになりました。

そもそもなぜ角質を食べるのかというと、苔など餌となるものの少ない温泉地で、温泉に入ってきた人間の角質が、ガラルファにとって絶好の餌となったためと思われます。

ガラルファが角質を食べてくれることによって、お肌がツルツルになるだけでなく、アトピー性皮膚炎や乾癬などの皮膚トラブルの改善にも効果が期待できるとされています。

そういった活躍が知られるきっかけはトルコの温泉療養。ガラルファの原産国の一つでもあり、400年以上前から行われていたそうです。

ちなみに、ガラルファは歯が喉の奥にあるので、角質を食べられても痛みを感じることはありません

ガラルファの飼育方法

温泉地や水族館などにいるイメージの強いガラルファですが、実は自宅でも飼育することのできる熱帯魚です。
とても丈夫な魚で、コケを食べてくれることから、水槽のコケ取り役にも最適です。

もちろん、自宅で飼育しているガラルファでも角質を食べてくれますので、フィッシュセラピーを家でも体感することができますよ

飼育設備について

小型の水槽でも飼育することはできますが、成長すると14~15cm程度の大きさになりますので、複数匹飼育する場合は60cm以上の水槽を用意することをおすすめします

水槽から飛び出してしまうことがあるので、できれば水槽の蓋も合わせて用意するとよいでしょう。

フィルターは、水槽サイズに合わせたろ過能力のあるものを選びましょう。

ガラルファは低水温に弱い熱帯魚のため、水槽用ヒーターは必須の設備となります。
水槽用ヒーターも水槽サイズに合わせたものを用意すれば問題ありません。

水質

ガラルファの好む水質は弱酸性です。
そのため、底砂にはあまりpHが上がらないソイルなどを使用するとよいでしょう。

水温

ガラルファの適正水温は幅広く、25℃から、なんと37℃程度の高水温まで耐えることができるとされています。

ドクターフィッシュが流行した背景には、高水温にも耐えられるため浴場で飼育がしやすい、というのも理由の一つとして挙げられます。

ガラルファがよく泳ぎ回るようになる本来の適温は、30℃程度の温かい水です。

低水温に弱いので、冬場には水槽用ヒーターを入れるなどして水温を維持してあげるようにしてください。

ただし、あまり温度が高すぎると活発に動いて体力の消耗が激しくなりますので、温泉のような高温を長時間維持することは避けましょう。

他の種類の熱帯魚と混泳させている場合は、水温25℃~26℃程度に設定していても問題なく飼育できます。
繁殖にも25℃程度が適しているとされていますが、低めの水温だとガラルファの動きが鈍くなることがありますので、水温管理には気を付けましょう。

ガラルファは雑食性の熱帯魚のため、人工飼料以外にも水槽の中の苔や小さな昆虫など、なんでも食べてくれます。
もちろん、人工飼料での餌付けもしやすい魚です。人工飼料ならば、植物系で沈降性の餌がよいでしょう。
プレコ用の餌などがおすすめです。

冷凍のアカムシなども好んで食べます。

ちなみに、角質を食べてくれるのは空腹時のみですので、フィッシュセラピーを行うらならば、餌をあげる前に行うとよいでしょう。

角質だけでは栄養不足になってしまいますので、必ず並行して人工飼料も与えるようにしてください

混泳・匹数の目安

ガラルファは混泳ができる比較的温和な魚です。
むしろ数が少なすぎるとちょっとだけ臆病になってしまうという傾向があります。

ただ、人間が手をいれると近寄ってくるのと同じように、混泳している他の魚の体表をなめることがあるので、どんな熱帯魚とも混泳できるという訳ではありません。

それを踏まえてガラルファと混泳させる魚や生体は、次のようなものが向いています。

  • 適正水温が同じ魚(25~28℃)で統一
  • 小型コイ科の群泳魚や小型のカラシン
  • ひれが長くない
  • 上層~中層域を泳ぐ熱帯魚

ネオンテトラ新規サイトを開きますラスボラ・エスペイ新規サイトを開きますプラティ新規サイトを開きます あたりは淡水魚水槽でもメジャーな熱帯魚で、温和なので混泳させやすく、彩も鮮やか。

コケ取り能力をアップさせたいなら、コリドラス新規サイトを開きますヤマトヌマエビ新規サイトを開きます も混泳させられますが、どちらも適正水温が微妙に合わないので水温管理に注意が必要です。
また、同じ低層域を泳ぐ魚・エビなので、水槽の大きさと飼育数によっては、隠れ家をつくったりレイアウトを工夫する必要があります。

飼育数に関しては、60cm水槽で成魚5~8匹、90cm水槽で成魚10~14匹を目安としてください。

幼魚など小さいうちはもっと小さな水槽 or 多めの数で飼育しても問題ありませんが、成長すると手狭になります。


以上の飼育情報をまとめると、次の表のようになります。

ガラ・ルファ(ドクターフィッシュ)飼育早見表
学名 Garra rufa(コイ科)
体長 最大約14–15cm
寿命 目安5–7年
推奨水槽 60cm~(群泳推奨)
水温 25–30℃目安(高温耐性は高いが飼育は安全域で)
pH 弱酸性~中性
植物質中心の人工飼料+コケ、冷凍赤虫など

ガラルファの繁殖について

ガラルファは水槽の中で飼育している場合であれば、比較的繁殖のしやすい熱帯魚です。

繁殖を目指すときのポイントは、ずばり水温にあります。

通常は30℃以上の高水温で活発になるガラルファですが、産卵に適した水温は25℃となります。
繁殖を考えている場合は、まず水温を25℃程度に下げて維持するようにしましょう。

高水温からいきなり水温を下げてしまうとガラルファが体調を崩してしまいますので、徐々に水温を下げながら慣らしていくことが大切です。

また、ガラルファは水草などに卵を産み付ける習性がありますので、卵を産めるような場所を水槽内に用意しておきましょう。

産卵後は、成魚が卵を食べてしまわないよう、卵を隔離して孵化を待ちましょう
ちなみに卵にとっての適温も25℃となりますので、引き続きこの水温を維持するよう心がけてください。

フィッシュセラピーの注意点

フィッシュセラピーを行いたい!という場合、いくつか注意点があります。

まず、フィッシュセラピーを行う前に、肌に傷がないかよく確認してから行うようにしてください。
傷口から細菌が入り込んで、皮膚トラブルや感染症になってしまう危険があるからです。

また、手足にハンドクリームや薬などを塗っている場合には必ず落としてからフィッシュセラピーを行ってください。
ハンドクリームや薬などはガラルファにとっては毒となりえるもので、これらが付いた角質を食べてしまうと、ガラルファの健康を損ねてしまう可能性があります。

最後に、自宅で飼育しているガラルファでフィッシュセラピーを行う場合についてです。

ガラルファは幼魚のときは角質を食べてくれますが成長するにつれて肉食性がまし、角質をあまり食べなくなってしまう傾向にあります

フィッシュセラピーを楽しめるのは幼魚の間だけということを頭に入れて、飼育を始めてください。

まとめ:ドクターフィッシュ「ガラ・ルファ」を飼育して、自宅でフィッシュセラピーを楽しもう!

ドクターフィッシュによるフィッシュセラピーは、お肌をツルツルにしてくれて、セラピー効果もある癒しの時間です。
ガラルファを飼育すれば、自宅でも気軽にフィッシュセラピー体験ができるのは嬉しいですね。

ガラルファは成長とともに角質を食べなくなってしまいますが、角質を食べなくなったからといってどこかに捨ててしまうのは言語道断です。

フィッシュセラピー以外にも愛嬌のある顔立ちや仕草など、ガラルファの魅力は尽きません。
飼育するならば、責任をもって最後まで飼育する覚悟を持って飼育を始めましょう。

【関連記事】


 

7件のコメント

  1. まる より:

    役に立ちそうです。

  2. とんちゃん より:

    ガラ、ルファを飼い始めて小さい時は活発の子もいればぼーっとした子も色んな子がいてかわいいです。大きくなるとこれまたツンデレでかわいい良い話し相手です。まだまだ解らない事があり読ませてもらってとても勉強になりました。ありがとうございます。

    1. 中島 より:

      魚は同じ種類でも性格がそれぞれでとても愛おしいですよね!
      よりよいアクアリウムライフのお手伝いになれば幸いです。

  3. のゝか より:

    とっても役に立ちました。

    1. 中島 より:

      コメントありがとうございます。
      ドクターフィッシュはユニークですが、温厚で可愛らしい魚です。
      是非かわいがってあげてくださいね!

  4. 名無し より:

    小学生のときに、なるほどザ・ワールドでこの魚を観てからずっと気になっていた40代前後のアクアリストは、この魚の正体が何なのか知ったときに思わず「あー!」と言ったと思う。
    アルジーイーターでもないし、プレコでもないし、アイツは何だったんだろうという疑問が解決したときにはとても嬉しかった。
    でもね、この魚を紹介したのは水族館や水産関係者ではなくて美容産業だったのは何やら複雑な気持ちになる。

    1. 中島 より:

      ガラ・ルファはドクター・フィッシュとしての側面が取り上げられてきました。
      熱帯魚として飼育するという概念が、今まで、あまりなかったのかもしれません。
      実際は愛嬌ある魚ですので、もっとかわいらしさ(魅力)が浸透することを願ってしまいます。

コメントをどうぞ

※返信にお時間をいただいております。
弊社公式サイトのお悩み相談フォームですと早めに返信できますので、よろしければそちらもご利用ください。