人間の古くなった角質を食べてくれる不思議なお魚、ドクターフィッシュ。
ドクターフィッシュは正式にはガラルファという名前の熱帯魚で、もちろん自宅で飼育することもできる魚です。
自宅でガラルファを飼育する場合のポイントは主に以下の4つが挙げられます。
1.人間の角質を食べるのは主に幼魚の間の2年間だけ
2.水槽は60cm以上の大きさを用意すること
3.水温は25度以上、30℃以上付近が望ましいこと
4.フィッシュセラピー目的の場合でも、角質だけでなく必ず餌を与えること
これらのポイントを踏まえて、ガラルファの飼育方法、繁殖などについて詳しく解説していきましょう。
ドクターフィッシュことガラルファはどんな魚?
ガラルファとは?
ガラルファは、西アジアに生息する鯉の仲間に分類される熱帯魚です。
温泉などで見かけるガラルファは小さなイメージがありますよね。あれはガラルファの幼魚で、実は成長すると14~15cm程度になる中型の淡水魚です。
生後2年ほどで成魚となり、7年程度は生きるとされている長寿な熱帯魚でもあります。
温泉地などで人間の古くなった角質を食べてくれることから、ドクターフィッシュと呼ばれて注目されることとなりましたが、元々は川底や石などに付着するコケなどを主な餌としています。
そのため水槽で飼育すれば、水槽のコケ取り役としての働きも期待できるでしょう。
ドクターフィッシュとしての役割
ガラルファは、人間の古くなった角質を食べてくれることからドクターフィッシュと呼ばれるようになりました。
そもそもなぜ角質を食べるのかというと、苔など餌となるものの少ない温泉地で、温泉に入ってきた人間の角質が、ガラルファにとって絶好の餌となったためと思われます。
ガラルファが角質を食べてくれることによって、お肌がツルツルになるだけでなく、アトピー性皮膚炎や乾癬などの皮膚トラブルの改善にも効果が期待できるとされています。
海外では、ガラルファを使ったフィッシュセラピーが医療行為として認定されている国もあるほどです。
ちなみに、ガラルファには歯が生えていないので、角質を食べられても痛みを感じることはありません。
ガラルファの飼育方法
温泉地や水族館などにいるイメージの強いガラルファですが、実は自宅でも飼育することのできる熱帯魚です。
とても丈夫な魚で、コケを食べてくれることから、水槽のコケ取り役にも最適です。
もちろん、自宅で飼育しているガラルファでも角質を食べてくれますので、フィッシュセラピーを家でも体感することができますよ。
飼育設備について
小型の水槽でも飼育することはできますが、成長すると14~15cm程度の大きさになりますので、複数匹飼育する場合は60cm以上の水槽を用意することをおすすめします。
水槽から飛び出してしまうことがあるので、できれば水槽の蓋も合わせて用意するとよいでしょう。
フィルターは、水槽サイズに合わせたろ過能力のあるものを選びましょう。
ガラルファは低水温に弱い熱帯魚のため、水槽用ヒーターは必須の設備となります。
水槽用ヒーターも水槽サイズに合わせたものを用意すれば問題ありません。
水質
ガラルファの好む水質は弱酸性です。
そのため、底砂にはあまりpHが上がらないソイルなどを使用するとよいでしょう。
水温
ガラルファの適正水温は幅広く、25℃~なんと37℃程度の高水温まで耐えることができるとされています。
ドクターフィッシュが流行した背景には、高水温にも耐えられるため浴場で飼育がしやすい、というのも理由の一つとして挙げられます。
他の種類の熱帯魚と混泳させている場合は、水温25℃~26℃程度に設定していても問題なく飼育できますが、25℃程度の水温だとガラルファの動きが鈍くなることがあります。
ガラルファがよく泳ぎ回るようになる本来の適温は、30℃程度の温かい水です。
ガラルファ単体で飼育しているのならば、30℃~35℃程度の水温に設定してあげると、本来の活発な姿を見ることができますよ。ただし、繁殖には25度程度が適しているので繁殖させたい場合は水温を調整しましょう。
逆に低水温には弱いので、冬場には水槽用ヒーターを入れるなどして水温を維持してあげるようにしてください。
餌
ガラルファは雑食性の熱帯魚のため、人工飼料以外にも水槽の中の苔や小さな昆虫など、なんでも食べてくれます。
もちろん、人工飼料での餌付けもしやすい魚です。人工飼料ならば、植物系で沈降性の餌がよいでしょう。
プレコ用の餌などがおすすめです。
冷凍のアカムシなども好んで食べます。
ちなみに、角質を食べてくれるのは空腹時のみですので、フィッシュセラピーを行うらならば、餌をあげる前に行うとよいでしょう。
角質だけでは栄養不足になってしまいますので、必ず並行して人工飼料も与えるようにしてください。
ガラルファの繁殖について
ガラルファは水槽の中で飼育している場合であれば、比較的繁殖のしやすい熱帯魚です。
繁殖を目指すときのポイントは、ずばり水温にあります。
通常は30℃以上の高水温で活発になるガラルファですが、産卵に適した水温は25℃となります。
繁殖を考えている場合は、まず水温を25℃程度に下げて維持するようにしましょう。
高水温からいきなり水温を下げてしまうとガラルファが体調を崩してしまいますので、徐々に水温を下げながら慣らしていくことが大切です。
また、ガラルファは水草などに卵を産み付ける習性がありますので、卵を産めるような場所を水槽内に用意しておきましょう。
産卵後は、成魚が卵を食べてしまわないよう、卵を隔離して孵化を待ちましょう。
ちなみに卵にとっての適温も25℃となりますので、引き続きこの水温を維持するよう心がけてください。
フィッシュセラピーの注意点
フィッシュセラピーを行いたい!という場合、いくつか注意点があります。
まず、フィッシュセラピーを行う前に、肌に傷がないかよく確認してから行うようにしてください。
傷口から細菌が入り込んで、皮膚トラブルや感染症になってしまう危険があるからです。
また、手足にハンドクリームや薬などを塗っている場合には必ず落としてからフィッシュセラピーを行ってください。
ハンドクリームや薬などはガラルファにとっては毒となりえるもので、これらが付いた角質を食べてしまうと、ガラルファの健康を損ねてしまう可能性があります。
最後に、自宅で飼育しているガラルファでフィッシュセラピーを行う場合についてです。
ガラルファは幼魚のときは角質を食べてくれますが成長するにつれて肉食性がまし、角質をあまり食べなくなってしまう傾向にあります。
フィッシュセラピーを楽しめるのは幼魚の間2年間程度ということを頭に入れて、飼育を始めてください。
まとめ:ドクターフィッシュ「ガラ・ルファ」を飼育して、自宅でフィッシュセラピーを楽しもう!
ドクターフィッシュによるフィッシュセラピーは、お肌をツルツルにしてくれて、セラピー効果もある癒しの時間です。
ガラルファを飼育すれば、自宅でも気軽にフィッシュセラピー体験ができるのは嬉しいですね。
ガラルファは成長とともに角質を食べなくなってしまいますが、角質を食べなくなったからといってどこかに捨ててしまうのは言語道断です。
フィッシュセラピー以外にも愛嬌のある顔立ちや仕草など、ガラルファの魅力は尽きません。
飼育するならば、責任をもって最後まで飼育する覚悟を持って飼育を始めましょう。
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トロピカライターの長嶋です。
金魚すくいで連れて帰った、和金の『よしえ(名前)』を飼育してました。
可愛らしい魚とワニが大好きです。
生物を飼う楽しさを伝えていけたらな、と思います!
コメント
小学生のときに、なるほどザ・ワールドでこの魚を観てからずっと気になっていた40代前後のアクアリストは、この魚の正体が何なのか知ったときに思わず「あー!」と言ったと思う。
アルジーイーターでもないし、プレコでもないし、アイツは何だったんだろうという疑問が解決したときにはとても嬉しかった。
でもね、この魚を紹介したのは水族館や水産関係者ではなくて美容産業だったのは何やら複雑な気持ちになる。
ガラ・ルファはドクター・フィッシュとしての側面が取り上げられてきました。
熱帯魚として飼育するという概念が、今まで、あまりなかったのかもしれません。
実際は愛嬌ある魚ですので、もっとかわいらしさ(魅力)が浸透することを願ってしまいます。
とっても役に立ちました。
コメントありがとうございます。
ドクターフィッシュはユニークですが、温厚で可愛らしい魚です。
是非かわいがってあげてくださいね!
ガラ、ルファを飼い始めて小さい時は活発の子もいればぼーっとした子も色んな子がいてかわいいです。大きくなるとこれまたツンデレでかわいい良い話し相手です。まだまだ解らない事があり読ませてもらってとても勉強になりました。ありがとうございます。
魚は同じ種類でも性格がそれぞれでとても愛おしいですよね!
よりよいアクアリウムライフのお手伝いになれば幸いです。
役に立ちそうです。