熱帯魚・金魚の水槽・アクアリウム情報メディアサイト「トロピカ」

フォローする

アクアリウム水槽を長く美しく維持する、管理のポイント10を解説します

アクアリウムを長期間に渡り、奇麗な状態で保つためには、1.日常的に少しでも手を入れることと、2.定期的に小~大規模なメンテナンスを行うことの2点が重要です。

アクアリウムは奇麗なもので、眺める時間を作るだけで日々の疲れを癒してくれるなど、日常生活に彩りを与えてくれます。しかし、それはきちんと維持管理されているアクアリウムに言えることで、メンテナンスを怠るとコケが大量発生するなどして、鑑賞性が著しく損なわれてしまいます。

ここでは、アクアリウムを奇麗な状態で長く保つための10のポイントを挙げ、それぞれについて詳しく解説していきます。

水槽管理のポイント・テクニックを動画で見る!

この記事の内容は動画でもご覧いただけます。

アクアリウム管理のポイントやテクニック10選を音声付きで解説します。

【誰でも簡単】水槽管理ポイント10選!アクアリウムを美しく維持し続けるプロのテクニック

トロピカではYouTubeチャンネル『トロピカチャンネル』を公開しています。

水槽レイアウトやメンテナンスの裏技や、熱帯魚飼育のヒントなどを動画でわかりやすく解説しています。

チャンネル登録をぜひお願いします!

アクアリウムを長く美しく維持する管理ポイント10!

水草が枯れたら素早く交換する

水槽内に入れている水草が枯れてしまった場合は、なるべく早く除去するようにしましょう。枯れた水草を放置しておくと、有機物として分解されて水質が悪化してしまいます。

また、水草が枯れることで吸収されなくなった養分が溶出し、水槽水の富栄養化を招くこともあります。水槽水が富栄養化すると雑菌や病原体などが増殖し、病気が蔓延する可能性が高くなるので注意してください。

日々水槽の小さい変化を見逃さない

給餌の時間や水槽を眺める時は小さな変化を見逃さないように、観賞魚などの飼育している生体をよく観察しましょう。餌の時間は生体との大事なコミュニケーションの時間でもあります。様子がおかしくないか、水槽内に異常はないかよく見ることが重要です。

例えば、病魚を早期に発見できれば、他の魚に感染が拡大する前や重病化する前に隔離・治療ができます。さらに、水槽内に水カビや黒髭ゴケなどの厄介な存在が発生してしまった場合も、水槽全体に蔓延する前に除去することが可能です。

水が少しでも黄ばんできたら活性炭を使用する

ヒカリ (Hikari) ブラックホール 徳用 60cm水槽用 5回分

ヒカリ (Hikari) ブラックホール 徳用 60cm水槽用 5回分

水槽の水が黄色っぽくなる理由は、流木から「タンニン」や「フミン酸」といった「腐植物質」が溶出していることや、水が富栄養化していることが考えられます。

活性炭にはこれらの原因物質を吸着する効果があるので、日常的に水槽をチェックして水の色に変化が確認された時に使用すると、水の透明度を回復できます。ただし、活性炭で吸着できる量には限りがあるので、なるべく根本からの改善を目指しましょう。

流木の場合は前処理済みを謳う商品でも、購入後改めてアク抜き処理を行うことをおすすめします。それでも、わずかに残存した腐植物質が溶出することがありますが、この場合であれば活性炭で吸着していれば早期に落ち着きます。

富栄養化の場合は、個体密度や給餌量など飼育環境を見直さなければ、延々と原因を提供し続けることになってしまうので注意してください。

1週間~1カ月に1回は必ず水換えをする

アクアリウムを奇麗に維持するにあたり、定期的な水換えは欠かせない作業です。頻度は飼育している生体の種類と数、水槽の大きさや導入しているフィルターなど飼育環境で大きく変化します。それでも、1週間~1カ月に1回は水換えが必ず必要になるケースがほとんどです。

また、温調機器を使用せずに飼育している場合は、季節(水温)によっても頻度を変える必要があります。後述する水質検査薬などを用いて、ご自身の水槽環境における最適な頻度を見極めておくと良いでしょう。

3カ月に1度は水槽全体の半分を水換えする

水作 プロホース エクストラ L サイズ

水作 プロホース エクストラ L サイズ

これは硝酸塩が蓄積し過ぎることを防止するための方法です。通常の水換えでは、水温や水質の急変を避けるために換水する量は全体の1/3程度ですが、その量で継続していると硝酸塩が蓄積されていき、水換えをしてもpHが下がったままになることがあります。

その状態を防ぐために、3カ月に1回程度は水槽水の全量に対して、半分程度の量を換水すると良いでしょう。その際に、底床材の掃除も底砂クリーナーなどを用いて徹底して行うとより効果的です。

ヒーターは1年に1回は交換する

寿工芸 コトブキ セーフティヒーターSH 100W

寿工芸 コトブキ セーフティヒーターSH 100W

水槽用ヒーターは基本的に消耗品です。問題なく作動していても、ある日突然に故障して動作しなくなることも普通にあります。特に熱帯魚の場合は、ヒーターが使えなくなると文字通り致命的な事態に陥ってしまうので、予備は必ず常備しておきましょう。

クーラーは月1回はフィルター清掃をする

ゼンスイ ZC-100α 海水・淡水兼用

ゼンスイ ZC-100α 海水・淡水兼用

水槽用クーラーは運用していると、どうしても埃が内部に溜まってしまい能力が低下するので、定期的なメンテナンスが必要です。目安としては1カ月に1度程度の頻度で、フィルターを中心にクーラー本体に付着した埃を除去すると良いでしょう。

クーラーの構造に詳しい方は、本体カバーを外して内部の冷却フィンファンの掃除も行うとなお良いです。自信がない方は、メーカーが行っているオーバーホールのサービスを利用すると良いでしょう。

ろ過器は2~3カ月に一度分解清掃する

ろ過器(フィルター)は、水槽環境を維持するための要となる装置です。最も汚れが溜まりやすい場所であるため、2~3カ月に1度は分解をして内部の状態を確認し、掃除を行っておきましょう。

汚れによって、ろ材が目詰まりを起こして流量が低下すると、ろ過能力も低下してしまいます。フィルター内部を掃除するとともに、必要に応じてろ材の交換も行ってください。

外掛けフィルターやオーバーフローのウールマットは、2週間に1度は交換する

ジェックス 徳用 6枚入 ろ過マット

ジェックス 徳用 6枚入 ろ過マット

ウールマットはろ材の一部で、主に水槽中のゴミを濾し取る「物理ろ過」を行うための物です。フィルターやろ過槽において、飼育水が最初に通る場所に設置することが普通なので、汚れによって最も目詰まりを起こしやすいろ材でもあります。

そのため、2週間に1度は交換もしくは洗浄すると良いでしょう。ウールマットは型崩れするまでは洗えば再利用が可能です。

最終的に、水質を測定して管理する

テトラ (Tetra) テスト 6 in 1 試験紙

テトラ (Tetra) テスト 6 in 1 試験紙

ここまで挙げたポイントでのメンテナンスの頻度はあくまでも目安なので、最終的には水質検査キットなどを用いて水質をチェックして、ご自身の飼育環境での最適な頻度を見極めてください。

メンテナンスの頻度が低いと飼育環境の崩壊を招いてしまいますが、かと言ってメンテナンスの頻度が高すぎても、生体にストレスを与えたりバクテリアの定着を阻害してしまいます。

飼育している生体にとって適切なpHや硝酸塩濃度を保ちつつ、なるべくストレスを与えない方法・頻度でのメンテナンスができるようになることが重要です。

まとめ:ポイントを押さえて美しいアクアリウムを維持しよう!

アクアリウムを長く奇麗に保つためには、日常的な手入れと定期的な小~大規模メンテナンスが欠かせません。ここで紹介した10のポイントを意識すれば、奇麗なアクアリウムをいつでも楽しむことが可能です。

一度に全て文章で見ると大変に思われるかもしれませんが、週末など時間が取れる日に分散させるようにすれば、決して難しいことではありません。適切なメンテナンスによって美しく、生体にとっても快適な水槽環境をいつでも保てるようにしましょう。