熱帯魚・金魚の水槽・アクアリウム情報メディアサイト「トロピカ」

フォローする

エアーポンプの置き方使い方、間違っていませんか?逆流防止弁の必要性とは

エアーポンプはアクアリウムにおいて、飼育環境の維持管理に大きな役割を持つ機材です。空気を水中に吹き込むことで、水を循環させ酸素を全体に行き渡らせるなど、特に酸欠対策には欠かせません。

ところで、皆さんはエアーポンプの正しい置き方や使用法を実践できているでしょうか。エアーポンプの正しい置き場所は水面よりも高い位置で、これは不意の停電などで停止した時に、水槽水がポンプに逆流して故障することを防ぐための措置です。

しかし、設置スペースの関係で、水面よりも低い位置に置かざるを得ない方もいると思います。そんな時に効果的なのが「逆流防止弁」の存在で、これを使用すれば水面よりも低い位置にエアーポンプを設置していても、水槽水の逆流を防ぐことが可能です。

ここでは、エアーポンプの正しい置き場所や、逆流防止弁の有効性について解説していきます。

エアーポンプの正しい置き場所

水作 水心 SSPP-3S(エア量ダイヤル調整式) 30~60cm水槽用エアーポンプ おまけ付き

エアーポンプの正しい置き場所は、以下の3点を満たす場所です。

  1. 水面より高い
  2. 直射日光が当たらない
  3. 温度差が少ない

水面より高い場所に置く理由は、エアーポンプ本体に水がかからないようにするためと、停電などの原因でエアーポンプが停止した際、水槽水の逆流によりポンプに水が浸入しないようにするためです。

また、アクアリウム用のエアーポンプは屋外での使用を想定していないので、直射日光が当たる場所に置いてしまうと早期に劣化してしまいます。直射日光が当たることによる温度の上昇も、エアーポンプの故障の原因となるため、日光が当たる場所には置かないようにしてください。

そして、温度差が大きい場所に置いてしまうと、結露によってエアーポンプ本体内部に水滴が生じてショートさせてしまうことがります。

本体内部の電気回路に埃が付着していると、ショートが発生しやすくなってしまうので、温度差が小さいことに加えて、埃が溜まりにくい風通しが良い場所が設置場所として適しています。

逆流防止弁の必要性

スドー 逆流防止弁 S-205

エアーポンプの正しい置き場所について前述しましたが、なかなか理想的な場所を確保できないことも多いと思います。そんな時に、事故防止に効果的なのが「逆流防止弁」の存在です。

逆流防止弁とは、その名の通りエアーポンプに水が逆流することを防ぐための弁を指します。ここでは、逆流防止弁の必要性について解説いたします。

水の逆流を防ぎ、エアーポンプの故障を防ぐ

エアーポンプは、水面よりも高い位置に置いた方が良いと分かっていながらも、設置スペースの関係上、水槽の横や水槽台の中、つまり水面よりも下に置かれることも多いです。

その状態で急にポンプが停止すると、エアーチューブ内の圧力が下がって水槽水が吸い上げられることにより「サイフォンの原理」が働き、水槽水がポンプ内に逆流して故障の原因になってしまいます。

そんな時に効果的なのが「逆流防止弁」です。逆流防止弁をエアーチューブに設置しておけば、水槽水が逆流してくることを防止できます。

また、チューブの中に水が入り込んでいると、空気を送り出す時に余計な負荷がかかってポンプを痛めてしまいますが、逆流防止弁があればそれも防ぐことが可能です。

エアーポンプが急に止まっても安心できる

逆流防止弁を設置しておけば、不意にポンプが止まってしまった時でも、水槽水の逆流を防止できるため安心です。特に、地震や落雷による停電時など、個人の努力では防ぎようのないトラブル発生時に、水槽水の逆流によってエアーポンプが故障してしまうことを防げます。

逆流防止弁の正しい使い方

エアーチューブの途中に装着する

逆流防止弁はエアーポンプの近くではなく、水槽から出たエアーチューブが下向きに垂れ下がる場所の手前に装着しましょう。

これは、逆流防止弁が何らかの理由で外れてしまった時に、水槽から逆流してきた水をチューブから流出させないようにするための措置です。また、逆流防止弁には向きがあるので、パッケージや説明書をよく読んで逆向きに装着しないよう注意してください。

そして、エアーチューブとの接続方法は簡易的なため、抜けやすい傾向にあります。逆流防止弁とチューブを接続する際は、結束バンドなどを用いてしっかりと固定すると良いでしょう。

水中で使用しない

一般的な逆流防止弁は水中での使用に対応していません。エアーチューブの水に浸かっている部分に取り付けてしまうと、その効果を発揮できなくなってしまうので、必ず空気中で使用してください。

1年に1回、新品に交換しよう

逆流防止弁は耐久性が低いので、年に1回は新品に交換しておきましょう。それほど強固な造りをしておらず、常にエアーポンプからの空気に押される状況もあり劣化が早いです。それほど高価な物ではないので、消耗品だと割り切ってください。

まとめ:エアーポンプを正しく使って長持ちさせよう

理想的なエアーポンプの置き場所としては、1.水面より高い、2.直射日光が当たらない、3.温度差が少ない、の3点を満たす場所です。しかし、水槽の設置スペースの関係から、これらの条件を満たせる場所に設置できない方もいると思います。

特に、高さの要素を満たすことが困難なために、水槽の横や水槽台の中にエアーポンプを置いているケースは散見されます。エアーポンプを水面より低い位置に置く場合は、逆流防止弁を使用することで水槽水の逆流による故障を防ぐと良いでしょう。

エアーポンプは、消耗品とするには値が張る機材です。正しく使って長持ちさせることで維持費の削減になるので、ぜひ逆流防止弁を活用してみてください。