金魚を飼育していると太くて短いフンと、太くて長いフンがあることに気づくのではないでしょうか。またフンの色も黒かったり、透明がかっててなかに空気が入っているようなことも見ることがあります。
金魚のフンは実はそう長いものではなく、太く3cm以内のものが健康な状態で、長く太い場合や空気が入っている・色が薄い場合は、便秘や消化不良を起こしていることも。
フンが長いときは、以下の対処を行なうことで健康状態を回復しやすくなります。
- 3~5日絶食
- 水換えで金魚に刺激を与える
- 金魚の体内で消化しやすい餌にする
- 水温の上下をなくす
今回は金魚の長いフンについてや、消化不良の見分け方などについてお話ししていきます。
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金魚のフンは長いものではない?
ふと水槽をみると、金魚がお尻からフンを出しているなんてこと珍しくありませんよね。
でも金魚のフンの長さ、健康な状態だとどれくらいだと思いますか?
アクアリウム初心者の場合、金魚のフンは長いと思っている方も多いのですが、実は金魚の健康的なフンは、太くて長くても3cm以内で切れるものなんです。
金魚は人間のように肛門の筋肉が発達していないので、自分でフンを切ることができません。フンをしている最中に水草などに引っかけたり、お腹の中が空になる、フンの重さによって切れてしまうことがほとんどなんですよ。
金魚が長いフンをする理由
金魚も人間と同じように、フンから健康状態を調べることもできます。金魚が長いフンをしているときは、「便秘」か「消化不良」を疑いましょう。
・便秘
餌を食べて消化・吸収してできたフンが、お腹の中に溜まりますが、外に出にくい状態。どんどんお腹にフンが溜まっていき、悪化すると「フン詰まり」という状態になってしまい、死んでしまう事も珍しくありません。
・消化不良
消化不良は食べた餌をきちんと消化・吸収することができない状態で、中途半端に消化された餌がお腹に溜まっていきます。中途半端な状態の餌は、まとまって体外に排出される傾向にあるので、フンが長くなってしまうことが多いです。
便秘や消化不良は餌の与えすぎやストレス原因なことが多いです。
こちらの記事で、金魚飼育でやりがちな失敗をしていないかもチェックして、該当するものがあれば飼育環境の見直しも行いましょう。
金魚の便秘と消化不良の見分け方
金魚の状態が便秘なのか消化不良なのかの見分け方は、フンの長さだけでなくフンの色や太さなどからも推測することができます。
長く太い場合は便秘
便秘のときのフンは長いだけでなく、いつものフンよりも太目という特徴があります。長さは金魚の体長によっても変わってきますが、3~4cm以上の長さになるときは便秘のことが多いです。
気泡や透明な部分がある・フンの色が薄い場合は消化不良
消化不良を起こしている場合も、フンの太さはいつもより太めで3~4cm以上ありますが、それにプラスして色に特徴があります。フンの色が薄かったり白っぽい、またフンの中に気泡が含まれていたり、透明な部分がある場合は消化不良のことが多いです。
フンが長い場合の対処法
便秘・消化不良どちらも放置しておけば命にかかわるので、気づいたときにはこれからお話しする対処法を行いましょう。
3日~5日絶食する
金魚は自分でフンを切ることができず、お腹にあるだけフンを出します。そのためフンが長い場合は、まずフンを出し切ってお腹の中を空にします。そのためには3~5日餌を与えず「絶食」させて、フンを出し切りましょう。
金魚に餌を与えてはいけないときの状態に関しては、こちらの記事で解説しています。
水換えで刺激を与える
通常の水かえは3分の1程度で行いますが、水を3分の2以上と多めに換えることで、金魚に刺激を与えることができるのを知っていますか?
いつもより多めに水換えを行った直後に、金魚がブルブルと身体を揺らしたあとに、お腹に溜まっていたフンを出すことがあるんです。人間が寒さなどの外部からの刺激を受けることで、トイレに行きたくなるのと同じような感覚なのかもしれません。
便秘の場合はお腹に溜まっているフンが出るようになるので、水換えが解決するきっかけになることも多いです。
消化の良い餌にする
市販の金魚の餌はいろいろな種類がありますが、普段どんな餌を与えていますか?
金魚の餌にも人間の食べ物のように、乳酸菌などが入った消化の良い餌があるのをご存知でしょうか?
もしも消化の悪い餌や、消化に対する働きのある栄養素が含まれていない餌を与えているのであれば、乳酸菌入りの餌やアカムシ・クロレラといったお腹によい成分の含まれているものや、消化の良い餌に切り替えましょう。
餌はなるべく粒が細かいものにすることで消化しやすくなりますが、粒が細かすぎて食べにくいようなら、餌に水をプラスして練り餌にして与えるのもおすすめです。
アカムシは殻が若干消化しにくいというデメリットがありますが、中身は他の餌よりも消化しやすいです。
キョーリンの冷凍アカムシは、ビタミン複合体なども含まれており、病原菌の持ち込みの心配がなく、水も汚さないのでおすすめです。
ニチドウの「メディスーパーゴールド」は、トルラ酵母やラクトフエリンといった健康管理成分が含まれています。
ただし粒がちょっと大きめなので、10cm以下の金魚の場合は与える前に砕いてあげたほうが食べやすいです。
「パラクリア」はハーブの力で寄生虫などを寄せ付けない餌です。
このシリーズは細粒~小粒ですので、さまざまな体長の金魚が食べやすいです。
また餌として「クロレラ」を与えることで、金魚の便秘解消につながることもあります。
クロレラの効果については、こちらの記事を参考にしてください。
最近話題になっているココア浴やココア餌は民間療法になり、賛否両論があるため今回はご紹介しません。
水温の上下を無くそう
ヒーターやクーラーなしで金魚飼育を行っているアクアリストは多いですが、水温によって金魚の消化能力が左右されるのをご存知でしょうか?
金魚の場合は25度前後で消化能力が一番高い状態になり、それ以外の水温でも一定に保つことで消化能力を一定の状態にキープすることができます。しかし1日の水温の上下差が2℃以上になる場合は、お腹の調子を崩してしまいやすい傾向にあります。
そのため水温の上下が激しい冬は、ヒーターで水温を一定に保つようにしましょう。温度調整機能の付いているヒーターなら、幅広い水温に設定できるのでおすすめですよ。
エヴァリスの「オートヒーター ダイヤルブリッジ R100AF2」は、ヒーターカバー付きで金魚が近づきすぎて火傷する心配もありません。サーモスタット内蔵型で、22~34℃まで温度設定ができるのでおすすめです。
便秘や消化不良の症状だけでなく、見た目的に弱っているのがわかる場合はこちらの記事を参考に、対処することをおすすめします。
まとめ:金魚のフンがとまらない!長いフンをする理由と、消化不良の見分け方!
お腹がふくらむ症状には、松かさ病や卵詰まり、浮袋障害などもあるので、フンの状態だけでなく、外見や泳ぎ方などで何か病気などの症状がでていないかなどもしっかりとチェックしましょう。
金魚のフンが長く太い場合は、便秘や消化不良を起こしている場合があり、フンの色や空気が含まれているかをチェックして、便秘か消化不良化を判断しましょう。
どちらの状態もまずはお腹の中に溜まっているフンを出し切ることが大切です。数日間の絶食を行い、様子を見ながら餌を与える、水換えや水温を一定に保つことで、症状を改善しやすくなります。
便秘や消化不良は放置しておくと死んでしまうこともあるので、気づいたらすぐに対策を行ないましょう!
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