細心の注意を払っていても熱帯魚という生き物故、残念ながら病気や水質悪化などのさまざまな理由で衰弱したり、死んでしまうといった状況に遭遇することとなります。
熱帯魚が病気で弱る場合は、水温調整や塩の投与、魚病薬で治療することもできますが、昨日まで元気だったにも関わらず翌日水槽見たら死んでいるなどの突然死は、原因が分からず困惑してしまうことでしょう。
とくに、目視では原因が分からないが明らかに衰弱している、またはいきなり餌を食べなくなってしまったと、様子がおかしい場合はどんな原因が考えられるのでしょうか。
ここでは、わたしの経験を基に病気以外で熱帯魚が弱る原因について解説していきます。
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病気以外の熱帯魚が弱る理由とは!?
ここでは、病気以外で熱帯魚が弱ってしまっていた私の経験を基にご紹介していきます。
いじめられている
病気以外で熱帯魚が弱ってしまう可能性として、他の熱帯魚にいじめられていることが挙げられます。
いじめられることでストレスがかかり弱ってしまう、それに伴い、なかなか餌を食べに行けない状況となりどんどん衰弱してしまいます。
熱帯魚のストレスは目視で確認することが難しいため、本当に魚にストレスがかかるのか?と思う方もいるかもしれません。
しかし、群れで飼育する熱帯魚を単独飼育すると何となくビクビクしている状況、落ち着かない様子の状況を確認することができます。
熱帯魚を上手に飼育しているベテランほど、ストレスをかけないように上手に水槽管理をしています。
もし、いじめられてストレスを抱えている場合は、隔離してストレスを開放してあげましょう
水質悪化
病気で無いとしたら水質が悪いと考える方も多いことでしょう。
しかし、水質が問題の場合は水槽内の魚の多くが調子を崩す場合が多いです。
1匹だけ調子が悪いというのは、複数飼育水槽では水質悪化の可能性は低いとも言えます。
ここでは、水質の問題について大きく2つに分けて解説していきます。
pH問題
水質が悪化するということは、硝酸塩や亜硝酸塩といった酸が蓄積することでpHは酸性に傾き低下していきます。
アロワナなどは顕著ですが、pHが異常低下すると餌を食べなくなったり様子がおかしくなります。
餌で小赤を与える場合は小赤を水槽に入れるとすぐに死んでしまうこともあります。
こういった場合は、pH低下が考えられますので水換えやカキ殻を入れてpHを上昇させてあげましょう。
また、低いpHを好む熱帯魚を高いpHで管理している水槽で泳がすと調子を崩してしまいます。
この場合は、pHを下げる薬を入れるかpHが高い水質を好む種類がいる場合は、どちらかを隔離して別水槽で管理しましょう。
ろ過フィルターが目詰まりしている
ろ過フィルターを数か月掃除していなければ、ろ過フィルターの目詰まりが水質悪化を引き起こし水槽内に有害物が蓄積してしまうことがあります。
こちらも水槽全体の熱帯魚が弱ってしまう場合に考えられる状況ですので、テスターで水質を計測し有害物の異常蓄積が見受けられた場合に清掃しましょう。
餌がカビている
意外な原因として、与えている餌がカビていたり腐っているケースが考えられます。
とくに、餌を別容器に入れて酸化防止材などを入れずに保管しておくといつの間にか酸化をして腐ってしまいます。
腐っている餌を熱帯魚に給餌してしまうことで、魚が消化不良を起こし衰弱してしまいます。
餌を与える前に餌の臭いをかぎ、変な臭いがしないか確認するか、購入してから半年以上と長期間経過していたら買い替えるのも有効な手段でしょう。
水温問題
水温が適正でない場合があります。
まずは水温を計測し、水温が適正に保たれているか否かを確認しましょう。
水温計が壊れている場合も考え、直接水槽の水に手で触れて確認もしておきましょう。
ちなみに、水温が低い場合は水槽底にじっと固まり動き鈍くなる場合が多く、水温が高い場合は水槽内の溶存酸素量が低下し酸欠となるため、水槽上で鼻上げという行動をします。
購入してきた魚が弱っていた
これもよくあるケースで、既存の熱帯魚は元気だが新しく入れた熱帯魚だけが弱っていくといった症状です。
新しく入れる熱帯魚が弱ってしまう原因の多くは、既存の熱帯魚からいじめられたり環境に適応できないといったストレス問題もありますが、それよりも元々弱っていた個体だったという可能性も考えられます。
とくに、袋にパッキングされた状態で安く販売されている熱帯魚は、酸素のみチャージしながら袋の状態で何日も置かれていたりする場合もあり、アンモニアが蓄積して最初から弱っている場合もあります。
購入前は、袋に入れて何日経過したか確認するか、袋売りされている熱帯魚の購入を控えるようにしましょう。
まとめ: 熱帯魚の衰弱原因が分からない!! 病気以外に熱帯魚が弱る理由をまとめてみました
病気以外で熱帯魚が弱る原因についてまとめてみました。
大切に育てている熱帯魚がいきなり調子を崩してしまうと焦り病気かと不安になるかもしれませんが、病気で無いのに弱っていく姿はもっと不安になることでしょう。
その場合は、本記事を参考にしていただき1つ1つ確認してみてください。
また、ここでご紹介した可能性は事前に予防できるものです。
こういったことが発生すると考え、最初の水槽設計時や水槽メンテナンス時はしっかり保守管理をしていきましょう。

熱帯魚業界歴もうすぐ20年!
海水やアクアテラリウムなど、さまざまな水槽を担当してるアクアリストです。
アクアリウム専門のYouTubeチャンネル『アクアリウム大学』も配信中!
よろしくお願いいたします!
コメント
こんばんは。いつも拝見しております。質問です。60cm標準水槽で、Co2添加 滴/3秒(8h/日)、水替え1/2-1/3を週1でしています。最近pHが異常低下傾向だったので、3日前から牡蠣殻100gをフィルター内に入れpH矯正をはじめました。目標は弱酸性~中性なのですが、Co2添加開始直前(点灯直前)に7.4、添加後は徐々に下がり、消灯直前に6.8となります。1日の変化が0.6ほどあるのですが、生体などに問題ないレベルなのでしょうか?生体は比較的元気です。
コメントありがとございます。
問題ないのでご安心ください!
水質は1日朝と夜で0.6程度変わることはよくある話で、水族館のような大型水槽で1ヶ月水質管理していましたが、同様の変化は普通でした。
安心しました。すこしアルカリ側に転ぶので、ひょっとしたら60Lに牡蠣殻100gは多いのかなと思ってました。
牡蠣殻の反応が良いことは悪いことではありません。
投入当初は高い値でますが馴染んできます。
なお、高いからと減らしたりして短期間で何度もpHが変化することは良くありませんので、そのまま様子をみてくださいね。
チャカチャカが、浮いてきます。
何が調子悪いんでしょうか?
体調不良、もしくは潜っている体力がない状態かと思われます。
様子を観察してあげると、なにかヒントが判るかもしれません。