アクアリウムで観賞魚を飼育する場合、重要なお世話のひとつに餌やりがあります。観賞魚に与える生餌のうち赤虫やブラインシュリンプなどは有名で、これらを好む魚も多いですが肉食の観賞魚の中にはメダカやコオロギ、小赤・姉金などを好む生体もいるんです。
今回は観賞魚に与える生餌にどういったものがあるかや、その生餌を好む魚はどういったものか、を解説していきます。
観賞魚の生餌とは
生餌は読んで字のごとく生きた生物をそのまま餌にするもので、観賞魚の中でも大型サイズの肉食魚の主食とされることも多いんです。また自然の餌に限りなく近いので嗜好性も高く、タンパク質も豊富なのでショップから買ってきた直後の魚など食欲が落ち、人工飼料を受け付けてくれないときのおすすめにもなります。
生餌といっても一般的なブラインシュリンプや赤虫のほか、ザリガニやドジョウなどを好む魚もおり、飼育している観賞魚に合ったものを選んで食べさせることが重要ですよ。
生餌の種類と好きな魚
観賞魚に与える生餌はさまざまな種類がありますが、実はどんな魚も好きという生餌は少なく、生餌の選り好みを知っておくとせっかく用意したのに食べてもらえなかった、というトラブルを減らすことが可能です。
ここからは生餌の種類にどういったものがあるかや特徴、その餌を好む魚はどんなものかといったポイントをご紹介していきます。
小赤・姉金
小赤とは金魚すくいでもよく見かける一般的な金魚のことで、とても丈夫ですし繁殖もしやすいのでショップで売られている値段も安いのが特徴です。また姉金は小赤よりもサイズが大きいものを指しています。これらの金魚たちは肉食魚用の生餌としてポピュラーなもので、栄養価も高いので「エサ金」と呼ばれることも多いです。
これらの金魚を好む魚として、アロワナエやレファントノーズをはじめ、シクリッドやピラニアといった古代魚や肉食魚、さらにはキャットフィッシュなどの大型ナマズなどが挙げられます。
メダカ
アクアリウムで飼育されることの多いメダカも小型の肉食魚用の生餌に適している生体です。さまざまな種類のメダカがいますが、一般的に生餌になるのは野生のものではなく品種改良によって生み出されたヒメダカ。
こちらもピラニアやシクリッド、ポリプテルスなどの肉食魚が好みにしているほか、ツノガエルのエサとしても知られています。
コオロギ
コオロギは観賞魚用の生餌として使われる昆虫の中でも最もポピュラーなもので、ショップやネット通販などでも簡単に入手可能です。昆虫を生餌にするというとレオパやカエルなどの爬虫類が一般的ですが、実はアロワナも昆虫が大好物。ポリプテルスなどの古代魚も喜んで食べることが多いです。
ミルワーム・ジャイアントミルワーム
ミルワームは生餌用に飼育・販売されているゴミムシダマシ科の昆虫の幼虫で、昔から生餌として使われており、自然にかなり近い形で食べさせられる生餌なので嗜好性も高いのが特徴です。
こちらはオスカーやポリプテルス、フラワーホーンなどの大型魚に与えるとかなりの勢いで食べてくれる様子を見ることができますよ。
ツメガエル
アロワナやスネークヘッド用の生餌として知られるツメガエル。タンパク質やカルシウムといった栄養価が豊富なのでアロワナを大きく成長させたいときにもおすすめです。30匹や100匹などまとめて売られていることも多いですが、環境の変化などにも強いのでストックしていたのに死んでしまったということも少ないのも特徴です。
ザリガニ
栄養に富み、色揚げ効果も期待できる生餌ですがサイズが大きめで殻も硬いのでアロワナやオスカーといった大型肉食魚向けのザリガニ。ピラニアなどにあげても喜んで食べてくれますが、角やハサミでケガをしてしまうこともあるので、あらかじめ折っておくなどの処理をしておくといいですよ。
ドジョウ
ドジョウは水槽の低層を泳ぐので、キャットフィッシュやポリプテルスなどの大型魚に適した生餌で、栄養価も高いので飼育している観賞魚を太らせたい場合にもおすすめです。水槽に底砂などが敷いてある場合は隠れてしまうこともありますが、ベアタンクや隠れ家になるものを取り除いたりすることでこういった心配もなくなります。
活イサザアミ
(海水魚 無脊椎)生餌 海洋性イサザアミ(3g) 本州・四国限定[生体]
イサザアミは体長1㎝程度と小さなサイズの甲殻類で、クマノミやヤッコ類、タツノオトシゴ、チョウチョウ類といった海水魚全般に好まれます。冷凍餌として使われることもありますが、やはり生きているほうが魚たちの食いつきも良くなりがちです。
ブラインシュリンプ
塩水湖などに生息するブラインシュリンプは観賞魚用の生餌としては代表的な存在で、アクアリストの間でも一般的に使われることが多いアイテムです。卵を買ってきて自分でふ化させて与える方法もありますし、生で売られているものを買って与えることも可能です。
ふ化したてのブラインはとても小さいので稚魚でも食べられますし、海水・淡水を問わず多くの魚が食べるのも大きなメリット。まとめて入れても自分から泳いで拡散してくれるので、自然の環境に近い形での餌やりができます。
赤虫
ユスリカの幼虫である赤虫は観賞魚用の餌としても有名で、ほとんどの魚やエビなどにも使われています。一般的に売られているのは冷凍や乾燥なので生餌とは厳密には言えませんが、保存もしやすいですし栄養的にも優れています。
水質が悪化しやすいという欠点もありますが、赤虫自体はそこまで大きなサイズでもないので中型程度サイズの魚までに適した餌で、それ以上の大きさだとデメリットのほうが大きくなりすぎるのが注意点です。
まとめ:生餌特集!小赤からコオロギまで、熱帯魚・観賞魚に与える餌用生体を解説
生餌は栄養が豊富なものも多く、自然環境に近い餌やりが可能になるのでさまざまな肉食魚や導入したばかりで食欲が落ちている魚にも適していますし、ブラインシュリンプなどは稚魚の大事な栄養源になることも。
しかし今回ご紹介したように生餌にはさまざまな種類があり、魚の好みも違うのでできるだけ飼育している熱帯魚や観賞魚に合ったものをあげるのが望ましいです。
飼育している魚が人工飼料を食べてくれないなどの場合は、今回の記事を参考に魚の好きな生餌を与えて、元気に育ててあげましょう!
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そこらへんの虫でも生き餌として与えていいでしょうか?
コメントありがとうございます。
食べないこともないですが、栄養価はやはり生餌用に育てられた虫の方が良いです。