熱帯魚を健康に育てるのには水質を安定させることが大切ですが、栄養価を考えて適切な餌を与えることもかなり重要です。
「消化が未熟で痩せ気味の魚をもう少し太らせたい」
このように増体させたい魚がいる場合には、主食の餌以外に「おやつ」を与えてみてはいかがでしょうか?
おやつは熱帯魚にとって絶対に必要とは限りませんが、栄養バランスと量を考えて与える分にはメリットがありプラスに働くことも多いです。
今回は魚のおやつとしておすすめの餌を4種類ご紹介していきますので、気になる商品があれば是非試してみてくださいね。
魚はおやつを食べるの?
ここでは主食の時間以外に与える餌を「おやつ」と呼びますが、魚はおやつも喜んで食べます。
ただし、正確にはどんなタイミングで餌を与えてもそれなりに食べてしまうため、主食とおやつの量を調節し食べ過ぎを防ぐことが大切です。
魚にとっておやつは絶対に必要というわけではありません。
しかし、おやつの種類や栄養価によっては色揚げや痩せている魚の増体といった効果が期待できます。
与えるおやつによってはプラスに働くということを覚えておきましょう。
魚に主食以外を与えるメリット
ここではまず、魚におやつを与えるメリットを
- 痩せている生体を健康にできる
- 生体の成長を促せる
この2つの観点から解説していきます。
痩せている生体を健康にできる
熱帯魚におやつを与える最大のメリットは、痩せている個体を健康にできるという点です。
わたしたち人間もそうですが、「極端に痩せている状態」というのは魚にとっても良くありません。
他の魚にいじめられてしまったり、病気に対抗する体力が足りずに力尽きてしまうこともあるのです。
この場合、魚におやつを与えると餌の回数が単純に増えることで、健康的に問題ない程度にまで太らせることができます。
回数をコントロールすれば増体具合も調節できるため、痩せている生体がいる場合にはおやつを与えてある程度まで太らせてやることが得策です。
もちろん、魚が痩せる理由は水質の悪化や病気が原因の可能性も少なくありません。
まずはこれらの原因が無いかどうかをきちんと見極めることも重要です。
成長を促せる
熱帯魚におやつを与えるメリット2つ目は、生体の成長を促せるという点です。
餌の嗜好性や食べるスピード、消化器官の未熟さなどの理由から、主食として与える餌だけではどうしても成長が穏やかになってしまう個体がある程度存在します。
そのような個体には嗜好性が強くカロリーの高いおやつを与えることで、効率的に成長を促すことができるのです。
ただし、おやつを与える量は主食の1/3以下程度におさえないと、消化不良や肥満を招いてしまう可能性もあります。
おやつの与えすぎは魚の命を縮める原因になりかねませんので、量には十分注意しましょう。
魚のおやつに最適な餌
ここからは魚のおやつに最適な餌ということで、以下の4種類についてご紹介していきます。
- 冷凍赤虫
- クリル
- ミルワーム
- ドライフード(乾燥イトメ・赤虫など)
冷凍赤虫
熱帯魚のおやつとして多くの人が取り扱うのが、冷凍赤虫です。
こちらはユスリカの幼虫(=アカムシ)を殺菌し、ブロック状にまとめて冷凍したもの。脂質やタンパク質が豊富なうえに嗜好性が良いため、人工飼料をあまり好まない魚にも積極的に食べてもらえます。
アカムシ自体は細長い形状をしているため、口の小さい小型の魚でも食べやすいのが嬉しいポイントです。
与え方としては茶こしに入れた赤虫のブロックに水道水をかけて解凍し、ピンセットで少量ずつつまんで水槽内に投下します。
水質の悪化を防ぐために、5分以内に食べ切れる量を与えましょう。
1ブロック分だとどうしても余ってしまう場合は、解凍前にカッターで切り分けてから与えます。残りの分はラップに包んで冷凍保存しておきましょう。
それでも食べ残しがある場合は速やかに網ですくって処分します。
クリル
クリルは天然のオキアミ(小型のエビの仲間)を凍結乾燥させた餌のことで、長期間の保存が効くのが特徴です。
エビの色素「アスタキサンチン」に由来する色揚げ効果にも期待ができます。
香りが強いためこちらも嗜好性が高く、肉食性の強い熱帯魚や海水魚にも喜んで食べてもらえます。
大型の魚であればそのまま与えても問題ありませんが、小型の熱帯魚に与える場合は細かく砕いて食べやすい大きさにしてやりましょう。
ご紹介している商品にはビタミンが配合されているため、病気に負けない強い体を保つのにも役立ちます。
ミルワーム
続いてご紹介するのはミルワーム。こちらはチャイロコメノゴミムシダマシという昆虫の幼虫で、アロワナなどの中~大型魚に与える生餌としても人気です。
生餌のミルワームはほとんどの場合、ふすま粉や木くずを餌として与えられ管理されています。
この状態でもタンパク質や脂肪分は豊富ですが栄養に偏りが出てしまいますので、ストックしておく間は小松菜など野菜くずを与えて管理しておきましょう。
熱帯魚にミルワームを与えすぎると消化不良を起こす場合があるため、おやつとしてたまに与える程度がおすすめです。
ドライフード(乾燥イトメ・赤虫など)
最後にご紹介するのはドライフード。2番目にご紹介したクリルもそうですが、エビや糸ミミズ、赤虫などをそのままの形でフリーズトライしたものを指します。
ドライフードは冷凍赤虫や生餌と比べると嗜好性が弱めですが、長期の保存が効きます。
「冷凍焼け」や「死滅」といった心配のない便利な商品です。
ものによっては色揚げ効果が期待でき、栄養価が高い商品が選べるというる点も嬉しいポイントですね。
手でちぎりながら与えられるため、小型の熱帯魚にも無理なく給餌できます。
ただし、食べ残しを放置するとすぐに水を汚してしまいますので、少量ずつ様子を見ながら与えましょう。
まとめ:熱帯魚・観賞魚におやつは必要?魚に主食以外の餌を与えるメリットとは!
今回は魚におやつを与えるメリットや、おやつとして最適な餌についてご紹介してきました。
消化器官が未発達な魚は一度の給餌でうまく餌を食べ消化することが苦手なため、中には痩せていってしまう個体も意外と多く存在します。
痩せた魚は病気に抵抗する力が弱く健康を保つことが難しいため、主食の時間以外に栄養価の高いおやつを与えて増体させ、成長を促しましょう。
ただし、栄養価の高い餌はその分水を汚しやすいため、与える量には注意が必要です。
食べ残しをした場合にはすぐに掃除をして、水質悪化を防ぎましょう。
トロピカライターの井上あゆみです。
金魚から熱帯魚・海水魚まで、全部で20種類程度のお魚を飼育してきました。
お気に入りはイエローヘッド・ジョーフィッシュ。怒ったような顔をしているのに、実はかなり臆病というなかなか憎めない海水魚です。アクアリウム初心者の方でも楽しく読めるような記事を書いていくので、よろしくお願い致します!
コメント
内容が、わかりやすくて、アクアリウムファンとしては、ありがたい、解説ですね、僕も、以前は、120cmとか、90cmとかで、色々飼育しましたが、今は、ポピュラーな、60cm水槽で、エンゼルフィッシュを、3匹と。底の、お掃除に、青コリ2匹に、なりましたが。やはり、どのサイズでも、楽しい事には、代わりはないみたいです、これからも、色々な、解説を、したくださいね。応援しています( ^ω^)
コメントありがとうございます!
アクアリウムは奥が深く、そして楽しいです!
これからもわかりやすい記事を発信していけるように頑張りますね。
エラ病なのか?エラがめくれています。(エンゼルフィッシュ)水質が悪くてなる可能性もあるとのことですが、水換え周期を短くすれば治るものでしょうか?また、薬は何がいいのか教えて頂きたいです。
たくさんのコメントを頂いており、返信が遅くなりました。
エラ病は悪化するとエラがめくれてしまいます。
薬としては抗菌剤系のもの(グリーンFゴールド顆粒、観パラD、エルバージュエース)がおすすめです。
ただ、エラがめくれてしまうと元のようなエラに戻るのは難しいです。エアレーションを心がけて酸素供給に気を付けてあげてください。