水族館やアクアショップで、きれいなサンゴが広がる水槽を見ると、時間を忘れて眺めてしまう人もいることでしょう。サンゴは飼育が難しく、上級者でないと自宅では飼えないと思われがちですが、そんなことはありません。
種類に合った環境を用意してあげれば、自宅でも鮮やかなサンゴ水槽を鑑賞することができます。
今回は「サンゴを自宅で飼育したい!」という方に向けて、サンゴの基礎知識やおすすめの種類、購入方法をご紹介します。
サンゴは自宅で飼えます!飼育の基礎知識
サンゴは自宅で飼育できます。しかし、それは基礎知識と設備が整っていればこそ。水質や光量、水流の強さなど、飼育するにあたって大切なことがあります。
難しいことではないので、サンゴの飼育を検討している方はこれからご紹介するポイントを参考にしてみてください。
サンゴ飼育の準備
サンゴの飼育は外部フィルターでも可能ですが、オーバーフロー水槽がおすすめです。
オーバーフロー水槽であれば、大きなろ過槽と豊富なろ材によって、水質を安定させることができます。また、油膜の発生による光量の減少が抑えられるので、光量が必要な種類にも適しています。
水槽サイズは60cm以上のほうが水質やメンテナンスなど、管理の面で扱いやすいでしょう。あまりに小さな水槽では、ちょっとしたことで水質が変わってしまうので、安定して長期間飼育するには高度な技術が必要です。
水槽の他には、サンゴ育成用ライト・水流ポンプ・サンゴ用フード・その他海水水槽に必要な設備(クーラー・ヒーター・比重計など)を準備しましょう。
サンゴは水温27度以上で弱って死んでしまいます。水温は26度程度に抑え、海水の比重は1.023以上、pHは7.8~8以上に設定します。
また、サンゴに餌を行き渡らせゴミなどを堆積させないためにも、十分な水流が当たるよう水流ポンプをセットします。
必要な設備や育成条件が多く、ちょっぴり難しく感じられますが、逆に言えばポイントを踏まえれば十分に育てることができます。
混泳注意!サンゴを食べる魚がいる
海水魚の中には「ポリプ食」と呼ばれるサンゴを食べてしまう種類がいます。
チョウチョウウオやブダイ系、カワハギ系、フグなどが有名です。サンゴと見た目の相性は最高ですが、混泳は控えたほうが良いでしょう。
また、サンゴが攻撃されて死んでしまうと水槽の水が白濁して水質が悪化することもあります。ひどい場合は他のサンゴや生体まで調子を崩してしまうので気を付けましょう。
サンゴとイソギンチャクは違う
サンゴとイソギンチャクは良く混同されますが、別の生き物です。
イソギンチャクは毒を持っているため、サンゴに触れることでダメージを与えてしまう可能性があります。
そのため、混泳の難易度は高いです。混泳させたい場合はイソギンチャクが好みの場所に定着してから、サンゴを触れない場所にレイアウトするようにしましょう。
おすすめなサンゴの種類
サンゴの中には飼育が難しい種類もいれば、比較的簡単なものもいます。難易度が上がるにつれて、水質や光量、餌などに敏感で必要な設備も増えます。
ここでは、飼育しやすくおすすめなサンゴの種類をご紹介します。
沖縄産ソフトコーラル
ソフトコーラルは沖縄産が一番飼育しやすくおすすめです。
種類も豊富なので好みのサンゴを見つけてみてください。
ウミキノコ
ウミキノコはとても丈夫で飼いやすいソフトコーラルです。
普通に飼育する分には一般的なライトで問題ありませんが、きれいな状態を維持したい場合は光量が必要です。水流は極端に強くせず直接当てるのを避け、普通~やや強めが良いでしょう。
また、ウミキノコは基本的に餌を与えなくても問題ありません。
さまざまな魚と相性が良く、比較的に簡単に増やせるので、とても扱いやすい種類です。
カワラフサトサカ
カワラフサトサカは水質の変化に強く、基本的に餌も必要ありません。
ただし、光量に関しては弱いものよりもやや強い程度が良いでしょう。光量が弱いと全体的にボリュームのない見た目になってしまいます。
水流は普通もしくはやや強い程度で問題ありません。状態の良いものは小さなポリプが開き、とてもきれいです。
好日性サンゴ
光を好む好日性サンゴは褐虫藻と共生しているので、日光による光合成によってエネルギーを作ることができます。
そのため、照明で育成をカバーしやすく頻繁に餌を与える必要がないため、飼いやすいタイプのサンゴです。また、給餌による水質の悪化を心配せず飼育することができます。
ディスクコーラル
ディスクコーラルは水質の変化に強いとても丈夫な種類です。
飼育するだけなら強い照明は必要ありませんが、発色の良い状態を保ちたい場合はある程度光量を確保しましょう。餌は特に必要なく、水流がなくても飼育できます。
ディスクコーラルは緑だけでなく、赤や青などカラーバリエーションも豊富で増えやすいため、水槽を華やかに彩りたい人にもおすすめ。
ベテランから初心者まで広く親しまれているソフトコーラルです。
マメスナギンチャク
マメスナギンチャクは飼いやすいソフトコーラルとして有名です。
水質の変化には強い耐性をもちます。光量は特別強くする必要はありませんが、照明が弱いと横に広がらずに上に成長してしまうことがあり、そうなるとあまり見た目が良くありません。
ある程度の光量を確保してあげると密に広がるきれいな姿を楽しむことができます。また、水流に関しても神経質になる必要はないので、極端に強くなければ問題ありません。
購入はアクアショップや通販で
購入は海水魚が多く取り扱われているアクアショップや、charmなどの通販がおすすめです。足を運ばなくても多種多様なサンゴを購入することができます。
状態を確認しつつ購入したい場合は実店舗を利用すると良いでしょう。初心者の方は実際の飼育環境を参考にできるだけでなく、飼育方法を教えてもらえるので特におすすめです。
まとめ:サンゴは自宅で飼育できるの?サンゴの基礎知識やおすすめ種類・購入方法
サンゴの飼育は一般的な設備と基礎知識さえあれば、難しいことはありません。ここで、ご紹介したサンゴはどれも簡単に飼育できますので、初心者の方にもおすすめです。
興味のある方は是非、挑戦してみてください。自宅に色鮮やかなサンゴが彩る水槽があると、見ているだけで癒されますよ。
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トロピカライターの高橋風帆です。
アクアリウム歴20年以上。飼育しているアーモンドスネークヘッドは10年来の相棒です。
魚類の生息環境調査をしておりまして、仕事で魚類調査、プライべートでアクアリウム&生き物探しと生き物中心の毎日を送っています。
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