マリンアクアリウム(海水魚水槽)、エンジョイなさっていますか!
マリンアクアリウムで飼育する魚の中には、毒を持っているものも少なくありません。
今回は、毒のある海の生物を水槽で飼育するための注意点を説明します!注意点さえ抑えれば怖くありませんので、あらかじめポイントを知っておくことが大切です。
毒がある!アクアリウムでもよく見かける生体たち
アクアリウムでよく見かける魚たちで毒をもつのは以下のものです。
- ヒフキアイゴ
- ミノカサゴ
- ヒトデ
- フグ(ミドリフグ、コンゴウフグ、ハコフグなど)
- エイ
では以下の項で、それぞれの生物のどこに注意すれば毒を避けられるのか、詳しく解説します。
ヒフキアイゴ
黄色い体色、すぼめた口が可愛いヒフキアイゴですが、
- 背ビレ
- 腹ビレ
- 尻ビレ
に毒のあるトゲを持っています。謝って触れると刺され、痛みますので注意して取り扱ってください。ヒフキアイゴが死んでしまった後でも毒は消えないので、注意してください。
もし刺されたら、痛む部分をよく流水で洗い、患部を40~45℃のお湯につけておきましょう。タンパク質が主成分の毒が分解されるため、痛みが緩和します。ほとんどの場合、1日ほどで痛みは消失しますが、長引くようでしたら病院に行くことをおすすめします。
ミノカサゴ
ミノカサゴは言わずと知れた、毒のある魚ですがアクアリウムでも飼育されています。
ヒレに毒のトゲがあるので、素手では絶対に触らないでください。手を近づけることも危険です。毒性はとても強く、触ると電気に触れたような痛みが生じます。痛みは長く続くので十分注意して飼育しましょう。
もし刺されたら、患部をよく観察し、トゲが残っていたら抜きましょう。患部は流水でよく洗い流しましょう。
ミノカサゴの毒もヒフキアイゴと同じくタンパク質が主成分なので、火傷しない程度の高温のお湯に患部をつけておくと痛みが和らぐとされていますが、強い毒性があるので病院で必ず診てもらいましょう。
ヒトデ
ヒトデが死ぬと、サポニンという成分が体外に放出されます。
サポニンは細胞膜を破壊する性質をもつので、水槽内に放出されると、他の飼育している生体にとっては毒です。サポニンはエラの表面を傷つける力を持つため、同じ水槽内で飼育している生体が弱ったり、死に至ることもあります。
ヒトデの様子がおかしかったらよく観察し、他の生体に被害が及ばないように注意してください。
フグ(ミドリフグ、コンゴウフグ、ハコフグなど)
フグの内臓に毒があることは非常に有名ですが、皮膚にも毒があります。
フグが弱ったり、自分の身に危険を感じた時、皮膚から毒を分泌します。
養殖された個体ではほとんど危険はないと言われていますが、もしかしたら毒を出すこともあり得ますので、「フグは毒をもっている魚」として認識しておいたほうが安心です。
エイ
エイの毒は非常に強力です。尾の付け根に長いトゲがあり、そこから毒を出します。エイが死んでも毒はありますので、油断しないようにしましょう。
刺されたら患部を流水でよく洗います。すぐに病院に行き、処置を受けてください!
毒のある海の生き物を飼育するときの注意点
毒のある生体を飼育する時の注意点は
- むやみに隔離しない
- 役立つアイテムをそろえておく の2点です。
むやみに隔離するのはやめよう
毒があるからといって、むやみに隔離するのは止めましょう。ストレスで弱ってしまうことがあるためです。
飼育していて困るのは、メンテナンス時です。毒のある生物の動きをみながら、慎重に手をゆっくりと動かしてメンテナンスを行ってください。急に手を動かしたりすると魚もビックリして毒のあるヒレを広げたり、泳ぐ速度を上げたりします。そういったことで事故が起こりかねませんので、「慎重にゆっくり」がポイントです。
毒を持つ生体を無理にすみに追いやるようなことをせず、生体の動きを優先してそれを追うように手を動かすと安全でしょう。
メンテナンス時のお役立ちアイテム!
ではそんなメンテナンス時にお役立ちのアイテムを紹介します。
仕切り板
水槽内に仕切りを立て、毒を持つ生体とメンテナンスを行う箇所を隔離するのが最も安全な方法でしょう。そのために役立つアイテムです。
これを使ってメンテナンスをすれば生体にかかるストレスも小さく抑えられますし、メンテナンスを行う我々も、のんびりじっくりメンテナンスが行えるので一石二鳥ですね!
ゴム手袋
仕切りをしていても万が一のことを考え、手袋をしてメンテナンスを行うのが最善でしょう。水槽メンテナンス用に1つ用意しておくと、いろいろな時に使えて便利です。リーズナブルなアイテムなのでぜひ1つ用意してください。
まとめ:【触れたらダメ!】毒がある海の生物を水槽で飼育するための注意点とは?
毒のある生体を海水水槽で飼育する時の注意点についてお話ししました。
毒はあるけどキレイだったり可愛らしかったりする生体はたくさんいます。毒があるからといって敬遠するのではなく、ポイントを抑えて安全に飼育すれば問題ありませんので、興味のある方はぜひチャレンジしてみていただけたら、と思います!

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