サンゴ水槽、特にハードコーラルを飼育している場合、カルシウムリアクターの導入を検討する方も多いのではないでしょうか。
添加材を使って、サンゴの育成に必要なカルシウムイオンなどのミネラル類を補給する方法もありますが、長期的に見ると、ハードコーラルの飼育にはカルシウムリアクターが必須といっても過言ではありません。
しかし、他の周辺機器に比べてカルシウムリアクターはマイナーで情報も少なめです。
どの機種がよいのか、そもそも自分の水槽にはどの機種が合うのか、などわからないことも多いですよね。
そこで今回はプロがおすすめする、カルシウムリアクターの選び方とおすすめの機種をご紹介します。
カルシウムリアクターとは?
カルシウムリアクターとは、サンゴの育成に必要なミネラルを補給しつつ、KH(炭酸塩硬度)の値を一定に保つ装置のことです。
サンゴの中でも特に ミドリイシのような造礁性ハードコーラルは、水中のカルシウムイオンを使って成長していきます。
さらに、造礁性ハードコーラルがカルシウムを吸収するにはKH(炭酸塩硬度)を一定に保つ必要があります。
自然界では、死んだサンゴの骨格や貝殻などが堆積して石灰岩となり、そこから絶えずカルシウムイオンが供給され続けています。
そのため、カルシウムイオンが枯渇することはまずありません。
しかし、それが水槽という閉じられた空間になるとどうでしょうか。
サンゴ砂などを底砂にすることで若干のミネラル分は補給されますが、造礁性ハードコーラルが消費する量と比べると微々たるものです。
底砂については以下の記事でも解説しています。
水替えでもミネラルは補給できますが、こちらも造礁性ハードコーラルを飼育している環境では消費が上回ってしまうことが多いです。
通常の水替え頻度ではカルシウムイオンの補給が追いつかなくなるでしょう。
これではサンゴの餌となるカルシウムイオンが枯渇してしまい、最悪サンゴが死んでしまいかねません。
そこでカルシウムリアクターの出番です。
カルシウムリアクターは、石灰岩を入れた容器の中を海水を循環させるのと同時に、二酸化炭素を添加することで化学反応を起こし、カルシウムイオンと炭酸水素イオンを発生させます。
この反応は、自然の海でカルシウムイオンが発生する現象とまったく同じ仕組みです。
こうして発生させたカルシウムイオンを水槽内に供給し、カルシウムイオンの枯渇を防ぎつつ、さらにKHの値を一定に保つのがカルシウムリアクターの役割となります。
カルシウムリアクターの選び方
カルシウムリアクターの選び方ですが、造礁性ハードコーラルをどれだけ飼育しているかで機種を選ぶことをおすすめします。
製品の説明には大抵対応水量が記載されています。
水槽の大きさからこの水量を参考にしてもよいのですが、サンゴの種類や飼育している量によっては、対応水量を参考にするとパワー不足と感じるかもしれません。
特にカルシウムイオンやKHの消費が激しい、造礁性ハードコーラルを多く飼育しているならば、実際の対応水量より一つ大きいものを選ぶようにするなどするとよいでしょう。
おすすめのカルシウムリアクター
性能やメンテナンスなどの面から、プロがおすすめするカルシウムリアクターを、ベスト3形式でご紹介します。
1位:H&S 内部式カルシウムリアクター CAシリーズ
H&S 内部式カルシウムリアクター CAシリーズは、余計な機能のないシンプルさが魅力の、カルシウムリアクターです。
アクアビー社製のハイパワーポンプを採用しており、効率よくカルシウムを溶解します。
また、上部の蓋も簡単に取り外すことができるため、カルシウムメディアの入れ替えもスムーズに行うことができます。
カルシウムリアクターを使用していてよく起こるトラブルが、水漏れです。
このH&S 内部式カルシウムリアクター CAシリーズは、内部式のリアクターのため、万が一水漏れした場合でもろ過層内に水がとどまり、外への水漏れを防いでくれます。
安心して使用できる製品です。
H&Sのカルシウムリアクターは、東京アクアガーデン公式オンラインショップでもご購入いただけます!
2位:ショウエイ カルシウムリアクター
小型水槽でサンゴを飼育している方におすすめしたいのが、ショウエイ カルシウムリアクターです。
比較的大型水槽向けの製品が多い中、ショウエイ カルシウムリアクターには水量150ℓの小型水槽向けの機種がラインナップされています。
別売りのハングオンステーを付ければオーバーフロー水槽でなくてもスムーズに設置することが可能です。
また、高額の製品が多いカルシウムリアクターの中では比較的安価で手に入りやすいところも、おすすめしたいポイントでしょう。
ショウエイのカルシウムリアクターは、東京アクアガーデン公式オンラインショップでもお取り扱いしております!
3位:OCTO カルシウムリアクター
OCTO カルシウムリアクターは、現在の最先端技術を取り入れて開発された高性能のカルシウムリアクターです。
専用コントローラーが付属しており、何かと面倒だったポンプのON/OFFやリアクター内部を循環する流量の調整を手元のコントローラーで行うことができます。
また、スキマーインペラには自動洗浄機能がついており、お手入れの手間を省きます。
2年の品質保証付きなところも安心して使用できるポイントですね。
長く使用できるおすすめのカルシウムリアクターです。
まとめ・プロおすすめ!!カルシウムリアクターの選び方とおすすめ機種を紹介
美しいサンゴを育成するには必要不可欠なカルシウムリアクターについてご紹介しました。
カルシウムリアクターは高額のためか、最近では造礁性ハードコーラルの育成でもカルシウムリアクターを使用せずに、添加剤で栄養を賄う方法も増えてきています。
しかし、添加剤で賄うとなると、複数の添加剤を適切に添加していかねばならず、なかなか思うようにいかない場合も多いです。
カルシウムリアクターはこれ一つで、カルシウムイオンなどサンゴの餌となるミネラルを補給できるうえに、KHの値も一定に保つことができるため、添加材とはまた違った利点も多いです。
長期的に美しいサンゴを飼育していくためには、やはりカルシウムリアクターの導入を検討されてみてはいかがでしょうか。
サンゴについては以下の記事でも解説しています。
ぜひ飼育の参考にしてみてくださいね。
トロピカライターの長嶋です。
金魚すくいで連れて帰った、和金の『よしえ(名前)』を飼育してました。
可愛らしい魚とワニが大好きです。
生物を飼う楽しさを伝えていけたらな、と思います!