見た目が派手・艶やかで瓶でも飼育可能ということで女性にも人気のあるベタですが、特にアクアリウム初心者の場合、「瓶なら機材がいらないから飼育が楽」だと思ってしまいがちです。しかし実際は水槽飼育より瓶での飼育のほうが飼育難易度が高いです。
冬は室内でもヒーターや保温対策がないと水温が下がりすぎてしまい、ベタが弱って病気になりやすくなってしまいます。またアクアリウム初心者なら、瓶の場合1度の水換えでどれくらいの量の水換えが適しているかもわからないことが多いでしょう。
今回はベタを瓶で飼育する際に、初心者が抑えておくべき3つのポイントについてお話していきます。
ベタを飼育する容器やレイアウトについて
ベタはホームセンターやアクアショップなどで、小さな瓶や10cmもないような容器に入れられていることが多いです。販売されている容器でそのまま飼育してしまう人がいますが、必ず購入後は余裕のある広さの瓶に入れ替えてあげましょう。
写真などでよくワイングラスなどに入っているベタを見ることがありますが、あのような1匹入れるのがやっとというような容器では飼育はかなり難しいです。
最低でもベタ1匹で1リットル以上、理想としては2リットル以上入る容器を使用したほうが、水質だけでなくベタの体調管理がしやすいです。
瓶はペットショップやアクアショップなどの専門店でなくとも、ダイソーなどの100円ショップで販売している大き目のものでも飼育可能です。
ガラス瓶は厚手のものを選ぼう!
ベタを飼育するガラス瓶の形状はあまり複雑なものを避け、掃除しやすいものを選ぶ必要があり、それ以外に「ガラスの厚さ」にも気を付けましょう。
薄すぎるガラスだと、ちょっとした弾みですぐに割れてしまいますし、薄ければ薄いほど、中の水が外気温の影響を受けやすくなってしまいます。
極力水温の変化は避けたいので、同じガラスでも厚さのあるものを選ぶことをおすすめします。
瓶を密閉してはいけない!!
「魚は水中から酸素を取り入れるから、密閉したほうがいい」、と思っている人がいるようですが、ベタの場合は瓶の蓋をして密閉してはいけません。
ベタは他の魚と違い独自のラビリンス器官で、空気中から酸素を取り入れています。瓶の蓋を閉めて密閉してしまうと、空気の出入りがなくなってしまい瓶の中の酸素がなくなって酸欠になってしまう可能性があります。
ベタを瓶で飼育するときは、蓋は軽く乗せる程度で必ず空気が出入りできるような状態にしておきましょう。
瓶の中のレイアウトはどうする?
ベタを小さな瓶やガラスの金魚鉢で飼育する際は、特に何もいれないでも飼育可能です。しかしレイアウトにこだわりたいのであれば、ビー玉やガラスサンド、砂利などを底に入れるだけで雰囲気が変わります。
石や流木は使い方に気を付けよう!
ベタのメスはそれほどヒレは大きくありませんが、オスは尾ヒレがとても大きく、フレアリングなどを行う際には、最大限に広げます。
ちょっと固いものに引っかけただけでもヒレは簡単に傷つくので、流木や岩は瓶でのレイアウトにはあまりおすすめできません。
入れるのであれば、ベタのヒレが傷つかないような角がない丸いもの、枝の数が少なく高さのないものを選ぶことをおすすめします。
水草は入れる?
ベタを瓶で飼育する場合は、ヒーターや照明はつけないことがほとんどです。またベタは空気中から酸素を取り入れるため、エアーの必要がありません。
小さな容器でも育てることが可能、かつベタのヒレを傷つけない柔らかい水草で、照明などがない状態で育てるのに最適なのはウィローモスやマツモ、アナカリスなどがあります。
ウィローモスやマツモ・アナカリスについては、こちらの記事で詳しく解説しています。
またドワーフフロッグビットなどの浮草も、インテリア性が高くなりオシャレなベタ瓶を作ることができます。
別水槽で繁殖を狙っているとしても、ドワーフフロッグビットやアマゾンフロッグビットの根はベタが泡巣を作るのに利用するのでおすすめです。
浮草についてはこちらの記事で詳しく解説していますよ!
ベタリーフなどの人工的な水草でも大丈夫ですが、硬すぎるものはベタのヒレを傷つける可能性があるので、出来るだけ柔らかいものを使用しましょう。
ベタを瓶で飼育するときの水質や水温のポイント
販売されている状態の水は、病原菌や人間の目には見えない寄生虫が潜んでいる場合があります。また水質が悪化していることも考えられるので、購入後は綺麗な水に入れ替えてあげたほうがよいです。
しかし新しい容器に入れ替えるときは、水質などに気を付ける必要があります。
水は必ずカルキ抜きを使用する
瓶で飼育可能といっても、水質などは他の熱帯魚とあまり変わりありません。同じ魚類なので、水道水のカルキが入ったままだとベタに悪い影響を与えてしまうことがあるので、ベタ飼育に使用する水は必ずカルキ抜きをします。
カルキ抜きについてはこちらの記事で詳しく解説しています。
使用するカルキ抜きは、一般的な熱帯魚用の物でも構いませんが、ベタ用のヒレや粘膜を保護してくれる効果のあるものを使用したほうが、ベタに負担をかけにくいです。
新しい容器に入れるときは必ず水合わせをする
これは他の熱帯魚でも言えることですが、いきなり真新しい水に入れるのではなく、瓶で飼育する場合でも水合わせを行ったほうが、ベタに与えるダメージが少なくてすみます。
水合わせに関してはこちらの記事で詳しく説明しています。
水換えは週に1回でOK
基本的にベタを瓶で飼育する場合はよほど汚れていない場合は、週に1回、容器の半分程度の水を入れ替えます。
しかし汚れが極端に目立つ場合や、夏場など水質悪化が早い時期は2~3日に1回、3分の1~半分程度の水を入れ替えましょう。
また水換えとは別に餌の食べ残しやフンなどは、水質悪化を防ぐためにもスポイトなどを使ってこまめに取り除きます。
ただ水換えにしてもゴミ取りにしても、やりすぎるとベタにストレスを与えてしまうので、様子をみながら行ったほうがよいでしょう。
水温管理について
ベタを瓶で飼育する場合、通常の水槽よりも水の量が少ないため、外気温の影響をとても受けやすく水槽よりも水温の変化が激しくなります。
そのため可能ならアクアリウム用の水温計を入れて温度管理してあげましょう。
一般的にベタの飼育に適しているのは25℃~28℃といわれており、極端に温度が下がったりすると体長を崩しやすいです。
夏・冬は特に外気温の変化が激しいため、窓際に置くのは避けたほうがよいです。
ベタを瓶で飼育するときは一般的な水槽で使用するヒーターは使えないため、冬の水温管理でヒーターを使用すル場合は、ベタ用で販売されているパネルヒーターや、小動物用のパネルヒーターを使用しましょう。
また、ヒーターを使用する際は、水温が上昇しすぎるのを防ぐためにも水温計は使用したほうがよいです。100円ショップなどで販売されている水銀形式のものの使用が難しいのであれば、デジタル式の水温計を使うという方法もあります。
もしもパネルヒーターを使ったときに、水温が上がりすぎるようであれば、間に布などを挟んだりして水温の上がりすぎを防ぎましょう。
ヒーターを使わない場合は、できるだけ温かい部屋にベタの瓶を置く、断熱シートをまくなどの対策を行うようにしましょう。
ヒーターを使わない冬の水温管理方法については、こちらの記事で詳しく解説しています。
ベタの餌選びのポイント
最近人気があるからか、アクアメーカー各社からさまざまなベタ用の餌が販売されています。
通常は市販されている人工のベタ用の餌でも大丈夫ですが、粒が大きいものは一旦口に入れて吐き出してしまうため、なるべく飼育しているベタの大きさに合わせて粒の小さいものを選びましょう。
ついつい餌を与えすぎてしまいがちですが、ベタの餌やりは1日1回、4~5粒程度と少ない量で充分です。
ベタの基本的な飼育方法についてはこちらの記事を参考にしてください。
まとめ:ベタの飼育はポイントを抑えることで初心者でも瓶で飼育できる!
今回はベタの瓶飼育で抑えるべきポイントを、容器(水槽レイアウトなど込み)、水質・水温・餌に分けて解説しました。
ベタの瓶飼育は、慣れている人でもちょっとしたことで病気にさせてしまったり、死なせてしまうこともあります。アクアリウム初心者だとかえって神経質になりすぎ、こまめに世話をし過ぎたのが仇となってしまうこともあるので、はじめのうちは難しいと感じるでしょう。
しかし瓶で飼育できるようになれば、デスクの上などにも置くことができ、ちょっとした癒し空間も作りやすくなるのでぜひベタの瓶飼育にチャレンジしてみてください。
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ベタを買う時にどう育てればいいのか
もしも買ってすぐ死んじゃったら嫌だな〜
と思うこともありますが、このトロピカのおかげで、ベタのことを色々学べました‼️
今までありがとうございました😭
コメントありがとうございます。
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