水槽照明の数は適正かどうか考えたことはありますか。
1つの水槽に対して1つなのか、もしくは2つなのか。
多くの方は、1つの水槽に対し照明数は1つで管理しているとおもいますが、水槽サイズや水槽のレイアウトによっては光が行き届かずに、水草やサンゴが健全に成長できなくなる可能性もあります。
とくにLED照明は、光が拡散にしにくく直線的に照射する性質を持つため、水槽の隅から隅まで光が行き届かなくなるかもしれません。
では、どのように水槽照明の数を選定すれば良いか迷う方もいるでしょう。
ここでは、一般的なフラットLED照明における、おすすめLEDの数量を解説していきます。
水槽サイズ別、LED照明数の目安
水槽サイズ別にLED照明の選定数を決める場合、水槽の奥行きを基準とし下記基準で選定すると良いでしょう。
- 奥行30センチ以下: 1台~2台
- 奥行45センチ以下: 1台~3台
- 奥行60センチ以下: 2台~4台
ただし、水槽の横幅が180センチ以上となると、横幅を1本で賄うことができる照明が少ないため、180センチの横幅に対して90センチを2本用意することとなり、上記奥行照明数×2台必要です。
水槽レイアウト別LED照明の選定数
水槽サイズに対しての照明数の選定方法をお伝えしましたので、次は水槽レイアウト別の照明選定数を解説していきたいとおもいます。
単純に熱帯魚を飼育するだけであれば照明は最低数あれば良いですが、水草やサンゴなど光を与えることで成長する生き物を飼育管理する場合は照明数が1本では不足しがちです。
ここでは、水槽レイアウト別におすすめの照明数をお伝えいたします。
熱帯魚水槽レイアウトの場合
熱帯魚水槽の場合は、水槽本数は最低数あれば原則問題ありません。
魚は朝と夜の区別さえできれば、大きな問題が無いからです。
ただし、アジアアロワナなどの大型個体の美しさを引き立たせて鑑賞する場合に限っては、事情が変わります。
アロワナを飼育する場合は、水槽上部に設置する照明の他に、水中蛍光灯を併用するとより引き立ってアロワナの美しさを鑑賞することができますので、おすすめです。
水草水槽レイアウトの場合
水草水槽管理の場合は、必ず水槽全体に満遍なく照明の光が照射されるように選定しましょう。
とくに、二酸化炭素を添加している水槽では、光量不足に陥ってしまうと十分に水草が成長することができず間延びしてしまいます。
水槽サイズ別のところでお伝えした、各サイズの最大数を選定すると間違いないでしょう。
もし、照明数を減らして水草水槽を楽しみたい方は、陰性水草と呼ばれるミクロソリウムやアヌビアスナナ、ボルビティスなどの光量が少なくても成長できる水草を中心にレイアウトを構成するようにしましょう。
海水魚水槽レイアウトの場合
海水魚を飼育することを目的にする場合は、熱帯魚飼育同様に最低照明数で構いません。
なお、深海などの深い場所へ生息する生体を飼育する場合は、照明を減らして暗くする対策が必要です。
飼育生物の自然生息深度に合わせて照明数を考えると良いでしょう。
サンゴ・イソギンチャク水槽の場合
サンゴやイソギンチャクを飼育管理する場合は、水草水槽同様、水槽サイズごとの最大照明数に近い数を選定することをおすすめします。
とくにミドリイシなどの光の要求量が高いサンゴは、できるだけ青い光を交えつつ青100%、白60%程度とした色合いで最大照明数を選定すると良いでしょう。
注意しなければならないのは、極端に白い光が強力すぎると褐虫藻が衰弱してしまい、サンゴ本来の美しさを引き出すことが難しくなります。
また、陰日性サンゴと呼ばれるイボヤギサンゴやトゲトサカなどは光が弱く設定する必要があるため注意しましょう。
メインとなる水槽レイアウト別の照明選定数を解説しました。
しかし、実際に照明数を多く選定すると水槽上がゴチャゴチャして景観が悪くなりがちです。
では、照明数を減らして美しく管理するためにはどのようにしたら良いのか。
LEDを多灯せずに、水槽周りの景観をスッキリさせる方法についてもお伝えしていきます。
LED照明数を減らす方法
LED照明の数を減らす方法は、ズバリ光量の強い照明を吊るすことです。
天井や、ライトアームを使い照明を吊るして光を照射することで、少ない照明数で満遍なく水槽を照らすことができます。
とくに最近話題のシステムLEDは、白と青の色合いバランスを変えることができるため、水槽のレイアウトや飼育生物に合わせてベストな色合いと光量を設定することができます。
水槽上をすっきりさせつつ、水槽内の水草やサンゴを美しく飼育管理したい方にはおすすめです。
まとめ: 【その選び方間違ってませんか】LED照明の数は水槽レイアウトで決める!
水槽照明の選定数について解説しました。
水草やサンゴの飼育がうまくいかない場合、またはこれからアクアリウムを始める場合は、ここで紹介した水槽照明数を参考にしてみてください。
また、今現時点において本記事で紹介した水槽照明数と異なっていたとしても、上手に飼育育管できているなら無理に変える必要はありません。
失敗しないアクアリウムを楽しむには、正しい水槽照明の数を選定することも大切です。
水槽照明をベスト選定し、より美しいアクアリウムを楽しみましょう!!
熱帯魚業界歴もうすぐ20年!
海水やアクアテラリウムなど、さまざまな水槽を担当してるアクアリストです。
アクアリウム専門のYouTubeチャンネル『アクアリウム大学』も配信中!
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