アクアリウムって、どう管理していますか?
水温に注意して、キレイに掃除をして、水換えもして、餌をあげて…やらなきゃいけないことがいっぱいある!でも不安だなぁ、という方に、今回は「やる必要のない管理」について解説致します。中にはしたほうが悪化してしまう管理もあるのです。
無駄なことは省き、的確な管理を行うことでアクアリウムを長持ちさせることができますので、よりよいアクアリウムライフの参考にしていただければと思います。
アクアリウムでやってしまいがちな10の行動
「それはしなくてもいいかな、しないほうがいいかな」と思われる、10の項目は
1:毎日、水換えやコケ取りの水槽メンテナンスをする
2:メンテナンスの度に外部フィルターの清掃や分解
3:食べきれない量を給餌する
4:30センチ以下の小型水槽でオーバーフロー仕様にする
5:水槽水量に対して、強力すぎる水槽ろ過器をつける
6:水草やサンゴが無いのに強力な光量を持つ照明をつける
7:必要無いが高価なリングろ材を選定、使用する
8:水槽メンテナンス時に、毎回水槽を丸洗いする
9:水槽メンテナンス時に、魚を毎回隔離する
10:水槽メンテナンス前に、手を石鹸で洗ってから開始する
となります。以下の項で一つずつ理由を添えて解説します!
1:毎日、水換えやコケ取りの水槽メンテナンスをする
「アクアリウムはコケが大敵だから、毎日こまめに掃除をしよう!」と張り切っていらっしゃるかもしれないのですが、毎日やるのは逆効果なんです。
理由は水質を安定させてくれるバクテリアまで除去してしまっているからです。
つづけると水質がいつまでも安定せず、バクテリアが不足します。その結果、茶ゴケが生え続けてしまう場合もありますので、水換えやコケ掃除の頻度は週に1度程度にしましょう。
コケ掃除にはメラミンスポンジがあるとやりやすいですよ。
ただし、稚魚の飼育や治療中の場合はその限りではありません。状況に応じて対応しましょう。
2:メンテナンスの度に外部フィルターの清掃や分解
「外部フィルターは嫌気性になりやすいから…汚れは目には見えないけど、実際は汚れているかもしれないし…」と頻繁に手を加えすぎると、せっかく定着し始めたバクテリアがどんどん死滅してしまいます。
外部フィルターの分解掃除は半年~年に1度くらい行えば問題ありません!
分解して掃除をするのはとても手間がかかりますが、流量の回復などの効果は大して見込めないため、頻繁に行う必要はありません。
3:食べきれない量を給餌する
食べきれないほどの餌を入れると、食べ残された餌が腐り、水質が悪化する原因となってしまいます。
魚はどんどん餌を欲しがります。しかし、欲しがるだけ与えているとお腹を壊して病気になる可能性がたかまります。加えて、フンが増え、水槽内のアンモニア濃度も高まるので、水が富栄養化してしまいます。
水が富栄養化するとコケが生えやすい環境となってしまうので、餌の与えすぎは百害あって一利なしであることを覚えておきましょう。
4:30センチ以下の小型水槽でオーバーフロー仕様にする
「一番いい装置を使って飼育したいから、もちろんオーバーフローで!」とお考えの方もいるかもしれませんが、小さい水槽にはオーバーフローは向いていません。
オーバーフローにすると、小型水槽では濾過槽の水の蒸発が早く、維持が大変です。また、オーバーフロー管を配置することになります。ただでさえ狭い水槽の中で管は非常にかさばり、目立って美観を損ねますし、魚たちの遊泳スペースも少なくなってストレスの元になる可能性もあるのです。
30cm以下の小型海水魚水槽には、このような外部フィルターが向いています。
5:水槽水量に対して、強力すぎる水槽ろ過器をつける
ろ過器もパワーが強い方がいいよね!と、強力なものを採用してしまう方がいますが、パワーのあるろ過器から出る水は非常に強い水流です。
大きな水槽であればそういった水流も、ゆるやかになるのですが、小さな水槽だと水流の勢いを消しきれません。
魚は水流に逆らって泳ぐ性質があるので、強すぎる水流の中で懸命に泳ぎ続けます。
その結果、酸素を使いすぎたり、生体が疲れて病気になったりすることもあるのです。
ろ過器は水槽のサイズに合ったものを選んであげましょう。
6:水草やサンゴが無いのに強力な光量を持つ照明をつける
水草やサンゴは、光を使って光合成をして成長します。
ですが魚やエビなどの生体は、ほどほどの量の光があればよく、強すぎる光はコケの発生を招いてしまいます。また、強すぎる光で生体が疲れてしまうこともあります。
7:こだわりは無いが、高価なリングろ材を選定、使用する
ろ材には様々なタイプが売られています。しかし高級なものを使用したからといって、必ずしも水槽の環境が改善されるわけではありません。
飼育している生体にとって住みよい環境になるかは他の要因も関わってきます。
ですから、『pHを調整したい』等の必要性が無ければ、普通のろ材でかまいません。
8:水槽メンテナンス時に、毎回水槽を丸洗いする
隅々まで清潔にしたいから、水槽の中身を全部出して丸洗いしよう!と思うかもしれませんが、すべて洗い流してしまうのは良くありません。
水槽内には有用なバクテリアが住んでいます。バクテリアは水槽の至るところ…水槽の内壁、フィルターの管、水槽内の底砂などに住んでいるので、そういったものを何度も洗浄すると、バクテリアがいつまでたっても定着できません。
水槽を丸洗いするほどの状態は、コケが繁茂しすぎ、病気が蔓延しすぎてどうにも手が付けられないときだけにしましょう。
9:水槽メンテナンス時に、魚を毎回隔離する
毎回網ですくってしまうと、魚に負担がかかります。こちらは魚に良かれと思って行うことも、魚にとっては恐ろしく、ストレスの元になってしまうのです。
すくう時に体表やヒレを傷つけることもあるので、魚を隔離するのは病気の時など必要最低限にしましょう。
生体をすくうのって、私たち飼い主にとってもなかなかの手間ですし、必要がない場合は避けた方が無難です。
10:水槽メンテナンス前に、手を石鹸で洗ってから開始する
汚い手で水槽をメンテナンスするなんて!と思われがちですが、よほど手が汚れていなければ先に洗ってもあまり意味は有りません。
むしろ、石鹸の洗い流しがあると水槽には害ですので、石鹸はつけないほうが良い場合もあります。
「メンテナンス後」は必ず石鹸で洗ってくださいね!
まとめ:やってしまいがち!アクアリウムで無駄なこと!プロが教える10の行動!
可愛い生体たちのために、あれこれ気を配りお世話をするのは楽しいものですが、余計なこと、やりすぎて返ってデメリットになることなどを解説しました。
ポイントを抑え、的確なお世話をしてあげましょう!
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