残留塩素テスターとは!熱帯魚などの生体を塩素から守れ!塩素の害も解説

残留塩素テスターとは、その名の通り水中に含まれている残留塩素の有無を測定できる試薬などを指します。アクアリウムでテスターを使用する時は、主に以下に示す4つの場面があります。

  • 水槽立ち上げ時
  • 立ち上げ後に魚を入れる前
  • 未使用だった水道の水を使用する時
  • 水槽に異常が発生した時

塩素を除去するためには、カルキ抜き剤を用いるなどの方法がありますが、万一塩素が残存していた場合、生体や硝化バクテリアにダメージを与えてしまいます。

特に、水槽立ち上げ時に残っていると危険なため、きちんと塩素が除去できているかどうか、テスターを使用して確認しておくと安全です。

ここでは、残留塩素テスターを使用すべき場面やおすすめの商品に加え、塩素の危険性についても併せて解説していきます。

残留塩素テスターを使う場面

水槽立ち上げ時

水槽を新規に立ち上げる際には、水道水を使用することが一般的です。水道水には通常カルキ(塩素)が含まれているので、カルキ抜き剤などを用いてカルキを除去してから使用します。

カルキが残留していると、水の浄化に欠かせない硝化バクテリアの増殖に悪影響を及ぼすので、立ち上げにも支障をきたしてしまいます。したがって、カルキが除去できているかの確認のためにテスターを使用します。

水槽立ち上げ後に魚を入れる前

立ち上げ後に初めて観賞魚を入れる前にも、テスターを用いて残留塩素の有無を確認します。詳しくは後述しますが、塩素が残っていると観賞魚にダメージを与えてしまいます。

水槽の立ち上げ直後は環境が不安定になりやすく、そこに塩素によるダメージが重なると非常に危険です。観賞魚の安全に万全を期すためにも、改めて確認しておきましょう。

初めて使う水道、新築の家の水道を使用する場合

未使用だった水道は配管工事の際に出たゴミだけでなく、カルキなどの薬剤も蓄積している可能性があります。そのため、初めて使用する水道の場合、飲用などに適した状態にするために蛇口を開放し、一定量の放水を行います。

ゴミの場合、除去できたかどうかは見た目で分かりやすいのですが、カルキなどの薬剤の場合は目に見えないので分かりづらいです。そこで、テスターを用いて残留塩素濃度を測定することで、飲用や水槽水に適した状態であるかを確認することが可能です。

ちなみに、日本の場合は残留塩素濃度の基準値は下限を0.1mg/Lに、上限の目標値が1.0mg/Lに設定されています(下限である0.1mg/Lは水道法によって添加しなければならない量)。

1.0mg/Lを超えている時は、蓄積したカルキの影響が抜けきっていないことが考えられるため、放水を続けて新鮮な水を引き込んだ方が良いでしょう。

水槽に異変が発生した場合

GEX コロラインオフ 塩素・クロラミン中和 カリウム配合 速効性カルキ抜き500cc

水換えの後に生体に異常が出た場合などは、その原因を特定するためにテスターを使用します。

カルキ抜き剤が古くなるなどして変質し、カルキの中和ができていなかったり、単にヒューマンエラーでカルキ抜きを忘れた場合など、飼育水中に塩素が混入すると生体が調子を崩す恐れがあるので注意してください。

アクアリウムで起こる塩素の害とは

魚のエラを損傷する

アクアリウムにおいて問題になる塩素の害として、第一に挙げられることが魚のエラを傷つけてしまうことです。塩素は水に溶かすと強力な殺菌作用を持つようになりますが、細菌類への働きと同様の効果をエラに及ぼし、エラの上皮細胞を壊死させてしまうのです。

魚は呼吸はもちろんですが、エラを介して老廃物として生じたアンモニアを体外に排出したり、浸透圧調節も行っているのでエラが損傷すると生きていられません

さらに悪いことには、塩素が原因でエラの組織が損傷すると回復が困難なことが挙げられ、治療を行っても回復することなく死亡する例も珍しくありません。

例え一命をとりとめても、回復させるにはかなりの長期間にわたり養生させる必要があるので、塩素が含有されている水をアクアリウムに入れることは絶対に避けてください。

硝化バクテリアにダメージがある

塩素の殺菌効果は硝化バクテリアにも普通に及びます。そのため、硝化バクテリアが定着しているアクアリウムに塩素が抜けていない水道水を入れると、バクテリアがダメージを受けて弱ったり、死滅する個体群も出てしまいます。

水道水中の塩素は、空気中に放っておくだけでも2~3日で抜けますが、残留している間はバクテリアの活性を著しく低下させるので注意してください。

おすすめ残留塩素テスター

テトラ テスト6in1 試験紙

テトラ (Tetra) テスト 6 in 1 試験紙 水質検査 テスト 総硬度 硝酸塩 亜硝酸塩 塩素 炭酸塩 PH

試験紙タイプのテスターで、残留塩素の他にpH・KH(炭酸塩硬度)・GH(総硬度)・NO2-(亜硝酸塩)・NO3-(硝酸塩)の6つの指標を一度に測定できます。

使用法も簡単で、測定したい水に試験紙を浸けるだけです。アクアリウムにおいて重要度が高い水質の指標を、幅広くカバーしているため常備しておきたい一品です。ただし、同商品は淡水専用なので注意してください。

クリタック ウォーターチェッカー

クリタック ウォーターチェッカー (残留塩素測定試薬) 日本製 WC-828 シルバー 2.5×0.2×4.5cm

測定したい水を容器に入れ、そこに同商品を投入することで残留塩素濃度が測定できる、粉末タイプのテスターです。残留塩素の量に応じてピンク色を呈するので、付属している比色表と見比べておおよその濃度を同定します。

まとめ:残留塩素テスターとは!熱帯魚などの生体を塩素から守れ!塩素の害も解説

日本の水道水には法令に基づいて必ず塩素が添加されており、私たちにとっては衛生上欠かせない措置です。しかし、魚などの水生生物にとってはエラを傷つける危険な物質なので、その影響が及ばないよう除去してあげる必要があります。

塩素は目に見えない物質なので、残存しているかどうかはテスターを使用して確認すると確実です。現在では安価で手軽に使用できるテスターも市販されているので、安全にアクアリウムを運用するために常備しておきましょう。

※返信にお時間をいただいております。
弊社公式サイトのお悩み相談フォームですと早めに返信できますので、よろしければそちらもご利用ください。

コメントをどうぞ

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です