「水換えはコケ退治に有効」ということをご存知でしたか?
水槽を覆って観賞性を下げるコケは、水の富栄養化が大きく関係しています。そのため、水換えの頻度が少なかったりやり方が間違っていたりなどすると、コケの発生を助長してしまうことにもなりかねません。
せっかくきれいな魚を飼育していても、水槽にコケが生えれば台なしです。
今回は、きれいな水景を維持するために必要な、水槽にコケを発生させない水換えの方法をご紹介します。
コケをはやさない水換え方法を動画で解説!
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水換えがコケに有効な理由や水換え方法を音声付きで解説します。
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水換えでコケを発生させない!
コケの発生は水換えをすることによって抑えることができます。
コケは水槽内の「酸化物(硝酸塩など)」を栄養として成長するため、水換えによる水質改善はとても効果的です。
ここでは、水換えがどうしてコケの発生を抑制するのか具体的に解説します。
水槽内の酸化物を取り除く
水槽で生体を飼育していると、フンや食べ残しが出ます。
これらは、バクテリアによって有害なアンモニアや亜硝酸塩からより無害な硝酸塩へと分解されます。この硝酸塩は水を富栄養化しコケが成長するための栄養になりますが、自然に分解されることはありません。
そのため、コケの原因とも言える硝酸塩を水換えによって取り除くことで、発生を抑制することができます。
底床掃除で水質悪化を防ぐ
底床はゴミが溜まりやすく、掃除を怠ると水質の悪化につながります。
そのまま放置すると水が富栄養化してコケの発生につながることも少なくありません。そのため、水換えと同時に底床の汚れを取り除くことは、コケ対策として非常に効果的です。
また、底床が不衛生だと病原菌の温床となることあるので、病気の予防にもなります。
水草の成長促進でコケを抑制
水草は硝酸塩を栄養として吸収し成長しますが、水質が悪化した環境では成長を止めてしまうことがあります。
そうすると、栄養塩は水草ではなくコケの栄養になり、気が付けば水槽だけでなく水草までコケに覆われてしまう事態にもなりかねません。
そのため、水換えによってきれいな水質を維持することで、水草が成長しやすくなりコケの抑制効果が期待できます。
コケを発生させない水換え方法
ただ水を抜いて新しい水を入れるだけでも効果はありますが、同時進行で水槽内の掃除をするとコケの抑制効果は高まります。
特別な道具は必要なく簡単な作業なので、コケが気になる場合は実践してみてください。
底床のゴミはとる
水を抜くついでに、底床のゴミを取り除きましょう。
「プロホース」などで水を抜きながら底床に溜まったゴミを吸い出します。特に水槽の角や流木、石といったレイアウト付近はゴミが溜まりやすいので重点的に行うと良いです。
ただ、この時に底砂を巻き上げないよう注意してください。底砂が病原菌の温床となっている場合、水中に舞うことで病気が蔓延してしまう可能性があります。
できるだけ大きな動きは控えて、ゆっくり掃除しましょう。同様の理由で、水を入れる際も、少しずつ入れたり壁面や流木に水流を当てたりなどして底砂を巻き上げないよう気を付けましょう。
急激ではなく定期的に水換えする
水換えは一度に多くの水を換えるよりも、定期的に行うことをおすすめします。
水質改善効果が高い水換えは、言い換えると「水質に与える影響が大きい」とも言えます。期間が空いたからといって、水槽の多くの水を換えてしまうと水質が急変して魚に悪影響を与えてしまうことも。
最悪の場合、「pHショック」を起こして生死に関わる事態になりかねないので、控えた方が良いでしょう。水槽のサイズや生体の数にもよりますが、「週に1~2回」を目安に水換えすることをおすすめします。
コケ取りは水換え前に行う
コケ取りは水換えの前に行うと良いです。
きれいに落としたとしても、そのまま放置しておくと底床に溜まりゴミになります。そして、水の富栄養化につながり、コケの発生を助長してしまうことにもなりかねません。
それでは、せっかく掃除した意味がないので、初めにコケを落としてから底床のゴミとコケを吸い出しましょう。コケを落とす場合はヘラを使うと効果的ですが、ポイントカードなども流用することができます。
また、コケ掃除用の「スクレーパー」も販売されているので、高さのある水槽におすすめです。
ろ過フィルターを同時に掃除しない
水換えをする際にろ過フィルターも掃除しがちですが、タイミングをずらした方が良いでしょう。
飼育水と底床を掃除すると、一時的にバクテリアの数が減少します。その状態でろ過フィルターを掃除すると、さらに数が減りバランスが崩れてしまうことにもなりかねません。
そうなると、分解が上手く進まず、結果的にコケの発生につながる可能性があります。一度に掃除してしまいたい気持ちもわかりますが、ろ過フィルターは日を改めて掃除することをおすすめします。
水換えは水槽運用で最も大切なこと
水換えは水槽運用で最も大切なメンテナンスです。
どんなに良い状態の魚を連れてきても栄養価の高い餌を与えても、水質が悪ければ体調を崩してしまいます。
水換えはきれいな水質を維持する方法として、最も手っ取り早く効果的な方法なので、コケの発生はもちろん、濁りやpH異常といった水質の異変を感じたら第一に水換えをしましょう。
また、水槽のサイズや魚の匹数、求める水質などにより最適な水換え頻度が異なるため、魚の状態に合わせて水換えすることがとても重要です。
まとめ:水槽にコケを発生させない水換えの方法とは!水換えはコケ退治に有効です!
水換えはコケの発生を抑制するためには欠かすことができません。
- コケの栄養である硝酸塩を取り除く
- 同時に底床を掃除することで水質改善
- 良質な水質を維持して水草の成長を促進
これらの効果により、コケが発生しにくい環境を作ることが可能です。また、コケの発生を抑えることはきれいな水質を維持することにもつながるため、魚を健康な状態に保つことができます。
コケは水槽の観賞性を下げる厄介な存在ではありますが、ある意味で、「水槽の状態を知れる材料」と言っても過言ではありません。
水槽をじっくり観察して変化に気付き、水質と魚の健康状態の管理に努めましょう。
トロピカライターの高橋風帆です。
アクアリウム歴20年以上。飼育しているアーモンドスネークヘッドは10年来の相棒です。
魚類の生息環境調査をしておりまして、仕事で魚類調査、プライべートでアクアリウム&生き物探しと生き物中心の毎日を送っています。