もうすぐ暑い夏がやってきます。
夏はアクアリウムがとても盛んな時期。
涼し気な水景や水の流れる音に魅了され、金魚飼育を始める方が増える季節でもあるのです。
そこで今回は、アクアリウムを初めたばかりの方が陥りやすい金魚水槽でのトラブルや、よくある疑問について解説していきます!
夏に多いトラブルのひとつ「高水温」の対策方法についてもご紹介しますので、是非参考にしてくださいね。
金魚飼育の疑問10個!
それでは金魚飼育によくある疑問ということで、
- 水換えペースの掴み方がわからない!
- 金魚が大きく成長しない!
- 金魚の病気は予防できないの?
- 体色が薄くなってきた!
- エアレーションは必要なの?
- おすすめのろ過フィルターはどれ?
- 金魚水槽に入れる水草はどの種類が良い?
- 高水温対策が知りたい!
- カルキ抜きはどれがいいの?
- 金魚がケンカをする!
今回はこちらの10種類のトラブルについて解説していきます。
1:水換えペースの掴み方がわからない!
適切な水換えのペース(間隔)は初心者にとってかなりわかりづらく、金魚飼育における最大の課題とも言えます。
餌の量のように「一日何回、何分で食べ切れる量」といった基準があれば良いのですが、水換えの量やペースについては飼育者自身が感覚で掴むしかありません。
それはなぜかと言うと、水換えに関しては飼育している個体数やサイズ、種類、餌の量や水温など飼育環境によってペースが変わってくるため、基準が作りづらいからです。
そのため始めのうちは、飼育水が濁ってきたり臭いが出てしまうまでの日数をメモしておき、そういったトラブルが起こる前に水換えをするといったペースを基準にするのがおすすめです。
飼育に慣れてきたらpH検査薬を購入して、水質をチェックするのも良いですね。
金魚はpH7.0程度が一番元気なのですが、水が汚れてくるとpHの数値はみるみる下がってきます。
「pH6.5を切ったら水換え!」というように決めてしまうのも得策です。
2:金魚が大きく成長しない!
金魚はもともとフナが突然変異した魚であるため、品種によってはかなり大きく育つと言われています。
そのため、大型に育つ金魚を飼育しているのになかなか成長しないという場合は、飼育環境に問題がある可能性が高いです。
金魚は水槽の大きさに合わせて成長するという性質を持っているため、狭い水槽で飼育していると大きく育ちません。
レイアウトにこだわりすぎて障害物が多くなってしまったり、極端に餌が少ない場合も、大きくなれないこと合が多いです。
病気を繰り返したり餌の消化不良が続くと成長が止まりやすいですが、他にも先天的に大きくなれない遺伝子を持ち合わせている場合もあります。
ゆったりとした気持ちで飼育しましょう。
3:金魚の病気は予防できないの?
金魚の病気を予防する一番の方法は「水質・水温が安定した水槽で飼育すること」です。
金魚は飼育環境の変化や大掃除による水質の急変に大変弱い生き物のため、水質が安定(バクテリアが繁殖)した水槽でないとすぐ病気にかかってしまうのです。
砂利をつついて餌をあさる性質も持ち合わせているため、病原菌を飲み込む可能性が高いようにも感じます。
金魚が病気にならないよう、底砂利はしっかりと掃除しておきましょう。
4:体色が薄くなってきた!
金魚は底に白っぽい砂を敷いたりベアタンクで飼育していると、体色を周囲に紛れさせるために薄くしてしまう性質があります。
体色を濃くしたい場合は黒っぽい砂利を敷いたり、色揚げ用の餌を与えてみましょう。
皮膚を保護するメラニン色素を作るために日光やLEDに当てたり、カロチノイドが豊富な青水で飼育するのも良いですね。
5:エアレーションは必要なの?
金魚は多くの酸素を消費する魚なので、エアレーションはあった方が良いです。
病気の原因でもある嫌気性バクテリアを減らすことにもつながります。
最近は金魚鉢にも設置できる小型のエアレーションが販売されているので、そういったものを使ってみるのもおすすめです。
6:おすすめのろ過フィルターはどれ?
飼育初心者の方には、酸素供給に優れた上部フィルターや投げ込み式フィルター、スポンジフィルターなどがおすすめです。
金魚への酸素供給はもちろん、水槽内の酸素量を豊富にすることで、金魚に悪さをするエロモナス菌や嫌気性バクテリアの勢力を抑えることができます。
金魚は他の魚と比べるとかなり水を汚すため、水の汚れをろ過フィルターの力だけで取ろうとすると結構大掛かりな設備が必要になります。
飼育に慣れないうちはろ過能力で水質を保つというより、こまめな掃除と水換えで水質を保ちましょう!
7:金魚水槽に入れる水草はどの種類が良い?
金魚は水草が大好物で、よくかじります。
そのため、おやつとして与えるならマツモやアナカリスなど、成長が早くて丈夫な水草がおすすめです。
レイアウトにこだわりたいのであれば、流木や石に活着したアヌビアス・ナナも良いですね。
金魚鉢によく入れられているカボンバは実は水質に敏感なため、金魚水槽ではすぐに枯れがちです。
8:高水温対策が知りたい!
夏場に多くの飼育者を悩ませるのが、水温の上昇です。
金魚は熱帯魚よりは高水温に強く、水温34℃程度でも慣れていれば元気に泳いだりします。
とはいえそこまで高水温だと水質が悪化しやすいため、できれば水槽を置いている部屋をエアコンで管理し、室温を調整するのが得策です。
室内でのエアコン管理が難しい場合は、冷却ファンを活用しましょう。
屋外飼育の場合はすだれなどで日差しをさえぎり、日陰を作ってやるのもおすすめです。
9:カルキ抜きはどれがいいの?
カルキ抜き剤にはチオ硫酸ナトリウムが含まれていることが多いですが、この成分を入れすぎると水質が大きく変動してしまいます。
必要以上に入れてしまわないよう、分量が測りやすいタイプのものを選びましょう。
金魚水槽に使用するカルキ抜き剤は、シンプルなもので構いません。
10:金魚がケンカをする!
金魚の中には泳ぎが得意なタイプと苦手なタイプが存在します。
素早く泳ぐことができるコメットと泳ぎが苦手なリュウキンを同じ水槽で飼育してしまうと、リュウキンはコメットにいじめられてしまい、餌の争奪戦にも負けてしまうことが起こりうるのです。
金魚を混泳させるときは似たような体型・サイズの者同士をそろえ、ケンカしにくい組み合わせにしてやりましょう。
和金タイプは泳ぎが速く活発で体も大きくなりやすいので、単独飼育がおすすめです。
視力の悪い出目金などもいじめられやすいので、できれば単独で飼育した方が良いです。
まとめ:初心者がはまりやすい金魚飼育の疑問をまとめました!高水温対策も解説!
金魚飼育はトラブルが多く扱いづらい魚というイメージが強いですが、ポイントさえ押さえればアクアリウム初心者でも長期的な飼育が可能です。
初めて金魚を飼育する方は「酸素不足」と「水質の急変」に十分気を付けて、適度に水換えをしながら綺麗な水槽を保ってやりましょう。
金魚は感情表現が豊かなお魚ですので、愛情を込めて育てた分、愛嬌たっぷりにこたえてくれます。
魅力あふれる金魚の飼育を、皆さんも始めてみてはいかがでしょうか?
本当に癒されますよ!
トロピカライターの井上あゆみです。
金魚から熱帯魚・海水魚まで、全部で20種類程度のお魚を飼育してきました。
お気に入りはイエローヘッド・ジョーフィッシュ。怒ったような顔をしているのに、実はかなり臆病というなかなか憎めない海水魚です。アクアリウム初心者の方でも楽しく読めるような記事を書いていくので、よろしくお願い致します!
とても参考になり良かったです