夏の高温期を乗り切って一安心しても、すぐに寒い冬がやってきます。気温が下がる冬も水温管理に神経を使いますよね。また寒い季節は生体をショップで購入したり、通販で購入する際にも気を付けたいポイントがあるんです。
そのほかにも冬は餌やりの回数や、メンテナンスの頻度などにも気を付けなければならないポイントがあります。アクアリウム初心者さんは、そういったことまで頭が回らないことが多いかもしれません。
そこで今回はアクアリウム初心者さんに向けて、冬のアクアリウムと向き合うポイントや、冬に生体を購入するうえで注意すべきポイントについてお話ししてきます!
冬のアクアリウムと向き合うポイント
冬のアクアリウムの注意点、水温管理だけだと思っていませんか?
外気温に影響されて水温が低くなりやすい冬は、水温管理はもちろん、バクテリアの活性や生き物が餌を食べる量、メンテナンスの回数などに変化が起きます。
冬のアクアリウムで注意したいポイントは大きくわけて5つです。しっかり確認していきましょう。
冬は水温急変に注意!
水温が急上昇する夏同様に、冬は水温が急激に下がることがあります。これは、水換えに使用する水が水槽内の飼育水と温度差がありすぎる場合や、室温が低すぎるといったことで起こります。
ただ、水槽専用のヒーターや、エアコンなどでしっかりと飼育水の保温ができている状態なら、よほどのことがない限り急変はおこらず、問題ありません。
ボトル飼育や、ヒーターなどの保温器具を設置していない環境では、朝晩の冷え込みや水換え時の水温差で急激に水温が下がらないよう工夫する必要があります。
水換えの水は極力水槽内の水温に近くする、温かい場所に水槽を置く・保温対策をするといったことを徹底しましょう。
冬の水温管理などについては、こちらのページを参考にしてくださいね!
無加温飼育ではバクテリアの活性が落ちる?
ヒーターや室内用のエアコンで飼育水を加温し、一定の水温を保っているときにはあまり気にしなくても大丈夫ですが、無加温で水温が下がっているような水槽では、バクテリアの活性が落ちてしまいます。
無加温の場合室温の影響を大きく受けるので、水温が15℃以下になってしまうことも珍しくないですよね。これくらい水温が低くなってしまうと、水質悪化原因物質を分解するバクテリアの働きも落ちてくるんです。
水温が低くなることで、バクテリアだけでなくエロモナス菌などの病原菌の活性も下がります。しかし白点病は水温が下がり始めたタイミングで発症することが多いです。
万が一、水温が下がり始めたタイミングで白点病にかかってしまったら、水槽用ヒーターを使って水温を上げ適切な治療をしてあげましょう。
しかし一気に水温を上げるのではなく、1日1度ずつ、ゆっくりと上げていくのがポイントです。
水槽用ヒーターについてはこちらの記事をチェック!
白点病についてはこの記事で詳しく解説しています!
水換え時は水温調節を徹底しよう
冬の水換えで、きちんと水温調整していますか?
季節問わず、水換え時の水温変化は注意すべきポイントです。
新しく水槽に入れる水の水温が低すぎると、換水量にもよりますが一時的に水温が低くなりすぎて、水温差で魚がショック状態に陥ることもあるんです。
以前トロピカで水温ショックについての記事を作成しているので、水温ショックについてはこちらをご覧ください。
水槽内にいる生き物へ極力ダメージを与えないよう、冬に換水するときは、水槽に入れる水を飼育水と近い温度にしておきます。こうすることで、換水後に水温が極端に下がるのを防ぎやすくなりますよ。
水温をしっかりと把握するために、水槽には水温計を設置しておくこともお忘れなく。
寒い季節の餌やりは控えめに!
ヒーターなどでしっかり保温できている場合は、冬でも生き物が活発に動いているので、餌やりの回数を極端に減らしたりする必要はありません。
しかし無加温状態で飼育している場合は、水温が下がるにつれ生き物の活性が下がってじっとしていることが多いですよね。このときは体内の活動も下がっていて、消化機能も下がっている状態なんです。
金魚の場合は18度以下になると消化機能が下がり始めます。
無加温で生き物の動きが停滞しているようなときは、今まで毎日餌を与えていたのなら1日置きにする、1日に与える量を減らすといった具合に、様子を見ながら餌の回数や量を調整しましょう。
気温が下がり消化機能が下がっている状態で大量に餌を与えてしまうと、消化不良や便秘の原因になります。
冬の餌やりについてはこちらの記事をチェック!
加温しているなら掃除の頻度は変えずに行おう
無加温の場合、餌やりの回数や量が減ることで、フンや餌の食べ残しも必然的に減っていきますよね。水も汚れにくくなるため、、水換えやゴミとりといったメンテナンスの回数を減らしても大丈夫なことが多いです。
もちろん、無加温状態でも汚れやコケが酷い・水質が悪化しているのなら定期的なメンテナンスは必要になります。
加温飼育の場合は、季節問わず、いつも通りのペースでゴミ取りや水換えをおこなう必要があります。
冬の水槽メンテナンスについてはこちらの記事をチェック!
冬に生体を購入する際のポイント
冬の水槽管理のポイントについてお話ししてきましたが、ここからは冬に生体を購入するときのポイントについてお話ししていきます。
最短時間で持ち帰ろう!
アクアショップやホームセンターのペットコーナーなどで販売さされてる熱帯魚やエビ類などは、最適な水温で飼育されています。
持ち帰るときはビニールの袋に飼育水と一緒に入れられますよね。冬は外気温が低いこともあって、保温のために新聞紙などでビニール袋を包んでくれるショップもあります。
しかし新聞紙などで包んでも一時的・簡易的な保温でしかありません。
外気温にさらされ水温が下がることで、生体はストレスを感じますし、極端な例だと購入から帰宅までの短時間のストレスで病気を発症することもあるんです。
購入後は最短時間で帰宅したほうが、水温が下がり過ぎず生き物へのダメージも少なくてすみます。
保温性のあるバッグなどで保護しよう
ちょっと立ち寄ったら、気に入った魚が見つかって衝動買いしてしまうこともありますよね。このようなときは事前準備ができないため、購入後は寄り道せず帰宅するのが一番。
でも「生体を購入しに行く」という目的があってショップに行くのであれば、あらかじめ保温バッグや発泡スチロールなど外気温を遮断できるようなアイテムを持っていきましょう。
保温性のあるバッグなどに購入した生体入りのビニールを入れることで、帰宅までの水温低下を防ぎやすくなります。
アクアショップにも年末年始セールがある
繁殖期の終わった冬は生体の流通量もそこまで多くないため、入荷量が少ないなどの理由で、あまり生体の値段が下がりません。
でも2020年はコロナの影響でアクアリウム人口が増加傾向なので、冬でも通販でのセールが期待できるかも?
また例年大きなアクアショップでは、店頭やWebで年末・年始セールを行っているところもあります。
冬に生体を購入するときは、こういった年末年始やクリスマスなどといった、季節イベントセールなどを狙うと、安く購入できることもありますよ。
まとめ:冬のアクアリウムと向き合うポイント!水槽の管理から購入方法まで解説!
簡単にですが、冬のアクアリウム管理ポイントや、冬に生体を購入するときのポイントについてお話ししました。
水温が下がると、メダカのように冬眠する魚もいますが、熱帯魚の場合は20度以下になると病気が発症しやすくなり、10度以下になると弱って死んでしまうことも珍しくありません。
冬のアクアリウムでは、水温を適温に保つのはもちろん、毎日しっかりと水槽内の様子を見て餌やりやメンテナンスの回数を調整するのが最大のポイントでしょう。
どうしても水温が低くなりすぎる場合は、置き場所を変え、水槽用ヒーターなどでしっかりと保温してあげてくださいね。
ショップで生き物を購入した場合は帰宅までに水温が下がらないよう、保温性のあるバッグや発泡スチロールのケースなどを用意していくと、水温低下だけでなく移動時の生体のストレスを減らしやすくなりますよ。
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