屋外飼育の代表種とも言えるメダカは、かなりの低水温に耐えられる強いお魚です。
しかし、気温差が著しかったり、急な悪天候の多い地域で屋外飼育をする場合は、その都度飼育容器を室内に移動させなければなりません。
このような屋外飼育の飼育環境にお悩みの方は、生き物をビニールハウスで育ててみるのはいかがでしょうか?
ビニールハウス内で管理をすれば、悪天候による影響を防ぐことができますし、雪が多い地域でも安心して屋外飼育することができます。
今回は、魚の屋外飼育でビニールハウスを利用するメリットやデメリットなどについて解説していきますので、ぜひ参考にしてください。
魚の屋外飼育でビニールハウスを利用するメリット
メダカや金魚など屋外飼育が可能な生き物は、ビニールハウスで育てることができます。
まずは魚の屋外飼育でビニールハウスを利用するメリットということで、
- 気温差・悪天候を防げる
- 外敵を防ぎやすくなる
- 水草や植物を育てやすい
これら3つのポイントについて解説していきます。
気温差・悪天候を防げる
ビニールハウスを利用するうえで最大のメリットとも言えるのが、気温差や悪天候を防げるという点です。
屋根ができるので大雨やゲリラ豪雨、雪などの悪天候の影響を防ぐことができますし、しっかりと設置をすれば、ある程度の強風にも耐えられます。
また、ビニールハウスを設置しておけば、雪が降ってもハウス内はある程度の室温に保たれるため、凍結もせずに安全です。
もし心配な場合は、園芸用の小型ヒーターなどを設置してみるのも良いでしょう。
外敵を防ぎやすくなる
外敵を防ぎやすくなるという点も、ビニールハウスを利用するメリットとして挙げられます。
屋外飼育している魚は猫や鳥などの外敵に狙われやすく、通常はネットを張るなどの対策をしなければなりません。
その点、ビニールハウスで管理をすれば外敵に襲われる確率が減りますし、高級魚や飼育容器の持ち去りといった盗難被害も防ぎやすくなります。
水草や植物を育てやすい
水草や植物を育てやすくなるというのも、ビニールハウスを利用するメリットと言えます。
ビニールハウス内にヒーターを設置すれば、年間を通して一定の気温に保つことが可能となります。
水温が安定するため、水草や水生植物を美しく育てることができるようになるのです。
安定した水温下では水草が次々に繁茂するため、余った水草は別の水槽で利用したり、フリマアプリで販売するのもおすすめです。
魚の屋外飼育でビニールハウスを使うデメリット
良いことばかりに思えるビニールハウス管理ですが、実はいくつかの難点もあります。
ここからは魚の屋外飼育でビニールハウスを使うデメリットということで、
- 暑い季節は水温が高くなりすぎる
- 日光浴の効果が減る
- ビニールハウス自体の価格が高い
これら3つの問題点について解説していきます。
暑い季節は水温が高くなりすぎる
ビニールハウスを設置するデメリットとしてまず挙げられるのが、夏場の水温が高くなりすぎるという点です。
やはりハウス内は熱がこもるため、夏などの暑い季節は、日中の水温が過剰に上昇してしまいます。
湿気や熱がこもると水草や魚に悪影響が出てしまいますので、空気の停滞を防ぐために換気設備を整える必要が出てきます。
結果として、夏場はハウスを一旦解体することになったりもするため、その点を留意しておきましょう。
日光浴の効果が減る
そして、ビニールハウス飼育をするうえで最大のデメリットとも言えるのが、魚の日光不足です。
特に屋外飼育の代表種とも言えるメダカは、日光に含まれる紫外線を浴びることでビタミンAやビタミンDを生成し、体を大きく丈夫にすることができます。
しかし、ビニールハウス内で飼育をすると紫外線の量が減ってしまうので、完全屋外飼育の場合と比較すると、発育スピードが遅くなってしまう場合があるのです。
メダカや金魚をビニールハウスで管理する際は、たまに日光浴をさせる期間を設けるなどの対策が必要となります。
ビニールハウス自体の価格が高い
ビニールハウス自体の価格が高いというのも、デメリットとして挙げられます。
メダカ用のビオトープを1~2台置けるような広さのビニールハウスだと、しっかりした作りのものを選べば1万円前後はかかりますし、年間を通して温度を安定させたい場合は、ヒーターも購入しなければなりません。
ハウスを設置する場所の確保も必要ですし、組立作業にはなかなかの労力を伴います。
ビニールハウスでの飼育がおすすめなのはこんな時
ここまではビニールハウスを利用するうえでのメリットとデメリットについて解説してきましたが、まだまだ設置について悩まれている方が多いと思います。
そこで最後に、ビニールハウスでの屋外飼育が向いているケースを3つご紹介していきます。
- 多くのメダカや金魚を飼育している
- 冬季に雪が多い地域で飼育している
- アクアポニックスに挑戦したい
これらの条件に当てはまる方は、ビニールハウスを使った屋外飼育を検討してみてはいかがでしょうか。
多くのメダカや金魚を飼育している
多くのメダカや金魚などを飼育しており、飼育容器も複数管理しているような場合は、ビニールハウスがあると大変便利です。
先述したような気温差や悪天候、外敵に向けての対策を、ビニールハウス内でまとめて行なうことができます。
冬季に雪が多い地域で飼育している
冬場に雪が多い地域で屋外飼育している場合は、ビニールハウスでの管理がかなり有効です。
飼育容器が雪に埋もれてしまうなどの被害を確実に防ぐことができますし、凍結対策としても効果的です。
アクアポニックスに挑戦したい
野菜の水耕栽培とアクアリウムを融合させたアクアポニックスを運用する際にも、ビニールハウスでの屋外飼育向いています。
そもそも野菜の栽培はビニールハウスとの相性が良いですし、ハウス内の温度を一定に保つことで、寒い季節にも安定して収穫ができます。
魚の日光不足解消のため、たまにビニールハウスの外に容器を出すなどの対策は必要ですが、アクアポニックスに挑戦してみたいという方はぜひ、ビニールハウスでの運用を検討してみてはいかがでしょうか。
まとめ:魚の屋外飼育とビニールハウス!温室を作るメリットとデメリット
今回は魚の屋外飼育でビニールハウスを使用するメリットとデメリット、ビニールハウス飼育が向いている条件などについてご紹介してきました。
魚の屋外飼育でビニールハウスを利用すると、気温差や悪天候による影響を防ぐことができたり、外敵から保護できるなどのメリットがあります。
しかし、暑い季節は水温が高くなりすぎたり、日光不足になるリスクが伴いますので、きちんと対策をしたうえで、取り入れてみてください。
多くのメダカを屋外飼育していたり、豪雪地帯にお住まいのかた、アクアポニックスに挑戦したいかたなどには、ビニールハウスでの飼育がおすすめです。
ぜひこの機会に皆さんも、ビニールハウスを使った魚の屋外飼育を検討してみてください。
トロピカライターの井上あゆみです。
金魚から熱帯魚・海水魚まで、全部で20種類程度のお魚を飼育してきました。
お気に入りはイエローヘッド・ジョーフィッシュ。怒ったような顔をしているのに、実はかなり臆病というなかなか憎めない海水魚です。アクアリウム初心者の方でも楽しく読めるような記事を書いていくので、よろしくお願い致します!