水草のレイアウトには決まりはありません。
しかし、心の赴くままに植え付けても、なぜかうまく育たなかったり、せっかく植えたのに浮いてきてしまったりしますよね。
水草のレイアウトで大切なことを『3大要素』でまとめてみました。
要素1 水草の種類・共存
水草には多様な種類があります。
それゆえ、水草同士の相性もあります。
例えば、背の高い水草をこんもりと植え付けた後に、背の低い水草を植えると照明不足になりがちです。そうすると育たなくなったり、枯れてしまいます。
また、勢いの強い水草を並べて植えると生息地の縄張り争いが起きます。ソイルなどで十分な栄養があれば大丈夫ですが、根をはりすぎた結果、養分を取り合いお互いが枯れてしまうこともあります。地上の植物同様、植え方が肝心です。
しかしながら、いろいろな種類の水草をポイントで植えていくのも水草水槽の醍醐味です!
若草のような緑だけでなく、赤い葉の水草をプラスする…それだけでこなれた感じが出て、彩りとしても美しくなります。
できるだけ、原産地の近い種類の水草で揃えてやると相性も良く、問題を解決できます。
要素2 水草の育成
水草をしっかりと育成するのも、美しい水草水槽を作り上げるうえでも重要なことです。
浮かないように植え付けたり、ウィローモスなどは流木に活着させるなどそれぞれの、水草が健康的に育つ環境を整えてやる必要があります。
水草を育てるには、『最適な水温』『光合成に必要な光』と『二酸化炭素』、『肥料となる養分(魚のフンなど)』が必要です。
つまり、育成用ライトの他に、ある程度の数の魚と共に育ててやることで理想的な成長をすると言えます。
草食性の強い魚では、かえって丸坊主にされたりするので、ネオンテトラなど、適した魚種を選定しましょう。
またアヌビアス・ナナのような成長の遅い水草にはコケが付きがちです。
水草の育つ環境=コケも育ちやすい環境でもあります。そんな時はプレコやオトシンクルス、ヤマトヌマエビなどの“コケ取り部隊”を導入しましょう!
糞もしてくれるので、水草の養分にもなり一石二鳥です。
水草は、植えた直後は、根はほとんどありませんが、手間をかけた分美しく育ってくれます。丈夫で美しい水草は、レイアウト水槽の憧れです。
要素3 水草の構図
水槽のレイアウトで最も重要なのは、構図です。
どんなに良い水草を使っても、全体の構図ができていなければ台無しです。
多種多様な水草を植え付けることで、自然に近づけることができますが、ただ、こんもりとさせるだけでは、少々野暮ったい印象を与えます。
水槽は主に四角い形をしています。どんなに密集したレイアウトをしても必ず多かれ少なかれ余白が残ると思います。せっかくなのでその『余白』を利用しましょう。
『密集地帯』と『空白の地帯(余白)』の緩急をつけることで、より迫力ある、美しいレイアウトになります!
いわゆる“抜け感”は、水草にも必要ということです。
【番外編:水草レイアウトの黄金比について考えてみました!】
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水換えいらず?水草水槽の可能性!
水草には『魚のフンなどから出える有機物(アンモニア・硝酸塩など)を栄養として吸収し、さらに二酸化炭素を吸収して酸素を出す。』という効能があります。
そもそも、アクアリウム水槽が定期的に水換えをするのは、バクテリアでは分解できない、硝酸塩を排出することが大きな目的です。
つまり、沢山の水草があれば、硝酸塩を効率よく処理することができ、長期間水換えをしなくても大丈夫な水槽が出来上がる、と言えます。
実際、科学博物館などでは、自然の環境を完全に再現した、水換え不要の水槽が存在します。
餌をやらなくても、魚たちは健康で長生きです。最適なバランスが揃えば、それも可能なのです。
ただし、水草は夜間になると酸素を消費します!
自然循環型の水槽をつくるには、陸の植物の要素も必要です。
なので通常、個人でやるアクアリウムの場合は適度に餌をやり、適度に水換えをすることがやはり必要と言えるでしょう。
それでも、水草の水質浄化力は素晴らしいです!
水草をたくさん入れる場合は、酸素量も考慮し、水流と、エアレーションを設備してあげましょう。
奥深い水草レイアウトの世界
水草のレイアウトは、水草の種類・組合せ・植え方により無限のパターンがあります。
正解はありませんが、より美しくしたい…もっとたくさんの水草を育てたい…そんな時は、三大要素を思い出して、どういったレイアウトが最善なのかを練ってみましょう。
水草水槽のレイアウトは、計画を立てるのも楽しいですよね!
この記事に書いてあることだけでなく、独自に構図や法則を編み出すのもとても楽しいことです!
オリジナリティーいっぱいの、自分だけの、レイアウト水槽を楽しんでくださいね!
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