省スペースで管理も簡単。小型水槽のススメ
ご家庭でアクアリウムを始める際にネックとなるのが、水槽の置き場所ではないでしょうか?
一般的に普及しているアクアリウム用の水槽のサイズは45~60㎝です。
意外と、大型の水槽ってスペースを必要としますよね。
そこでおススメなのが、置き場所を気にせず、簡単手軽に設置できる30cm以下の小型水槽です!
「おっと、ちょっと待って? 小型水槽って水質の管理が大変なんじゃない?」
そう思われた方は鋭いですね!
今回は、自宅で気軽に始められる小型水槽の管理方法も含めて、その魅力に迫ってみたいと思います。
小型水槽のメリットとデメリット
アクアリウムにおける魅力の一つとして、大水槽で優雅に泳ぐ魚の姿を見られるところがあげられると思います。
しかしながら、昨今の住宅事情により、大きな水槽を置くことが難しいご家庭や、住宅スペースに合わせて、あくまでインテリアのワンポイントとして、小型水槽を置いてみたいというニーズが増えているのも事実です。
小型水槽のメリット
- 省スペース
- 省エネ
- 水槽のお手入れが簡単
小型水槽のデメリット
- 水温が上昇しやすい
- 水質が悪化しやすい
- 飼える魚の数や大きさが限られる
☆デメリットとしてあげられる「水質の悪化」や「飼育できる魚の数や大きさ」については、これからお話しする管理方法によって、だいぶ改善が見込めるはずです。
※魚の大きさについては、さすがに大型熱帯魚クラスになると小型水槽には向きませんが…。
自宅に小型水槽を設置してみよう! 準備やメンテナンスについて
小型水槽の立ち上げに便利! 7つ道具
- 小型水槽
- ヒーター
- エアーポンプ
- スポンジフィルター
- カルキ抜きした水
- 底砂
- 水質安定剤
7つ道具解説
小型水槽(30cm以下のサイズ)
☆小型水槽は、通販でも手軽に購入できます。
熱帯魚用でしたら、30cmクラスの水槽が、ヒーターと、ろ過フィルターもセットで、2500円くらいからが相場です。セットでこのお値段は相当お得な部類に入ります。
水槽単体でも同じくらいの値段設定の商品が多かったり、凝ったデザインのものは小型でも値段が張ったりするので、お財布と相談しつつ、好みの小型水槽をチョイスするといいでしょう。
小型水槽での飼育に慣れてくると、ニトリで販売しているような、お洒落な大きめの花瓶でも熱帯魚を飼育できるようになりますよ! 写真のフラワーベースは水量としては2L弱で、小型水槽としては超小型水槽の部類に入ります。
スポンジフィルター
スポンジフィルターってなんぞや? って思う方もいるかもしれませんが、一言でいうなれば「小型水槽の大きな味方」です。
ちっちゃいボディーだけど、爽快なろ過力。スポンジ部分にバクテリアが繁殖します。
エアーポンプとチューブがあれば、初心者でも簡単に水槽に設置できます。
☆お値段も維持費も安い部類に入るので、経済的にもおススメなろ過フィルターです。
※特にスポンジフィルターに限定しなくてもいいのですが、フィルターを通して水流を作ることで水温が安定し、水中の酸素濃度が一定に保たれ、ろ過材に住み着いたバクテリアの効果で、水質が一定期間保たれます。水換えも重要ですが、小型水槽では特にろ過フィルターの役割が重要になってきます。
水量に比べて、生体の投入数が多いような小型水槽でも、フィルターを設置している場合は、おおよそ倍くらいの数になっても病気一つないという水槽の事例も存在します。
写真は我が家のスポンジフィルターです。長期間の使用ですっかり苔むしています。
スポンジ内のバクテリアの繁殖もうまくいっています。
☆余談ですが、ボトルアクアリウムのような超×超小型の水槽にも、スポンジフィルターを活用することができます。
スポンジフィルター自体が基本的に省スペースなろ過材なんですが、「ベタ用のスポンジフィルター」がとっても便利。
ベタ用のスポンジフィルターは、省スペースで更に低コストなので維持管理もしやすいですし、ボトルタイプの小型水槽にも取り付け可能です。
※普通の小型水槽の場合は、水量に合ったろ過材を購入してくださいね。
底砂(アンモニア吸着式からお好み系まで色々と)
小型水槽用の底砂としては、ゼオライト吸着式のタイプが水質の安定と浄化を助けるのでおススメです。
小型水槽は水量が少ない分、水質が悪化しやすい環境にあります。
底砂の種類にこだわって、水質安定の補助として使うことができれば、水槽内の景観向上と合わせて一石二鳥ですよね。
☆趣味に走りたい方向けの底砂アクセント例(ガラス素材や貝殻など)
アクアリウムってどちらかというと男性っぽい趣味のようなイメージがあるんですが、最近は癒しを求めるOLさんや、子どもにせがまれてアクアリウムを始めた主婦の方というのも多くなってきているそうです。小さい水槽だけど、インテリア要素も加えたい。そんなときに便利な素材をご紹介いたします。
(1) 100円ショップやインテリアショップで売られているビー玉やガラス素材の飾りを使う
透明感のあるガラス素材のビー玉、オハジキ、シーグラス風なガラス玉などは、水槽内に涼しげな雰囲気を醸し出してくれます。注意点としては、隙間が大きすぎると、小さい熱帯魚が挟まってしまうことがある為、ガラス素材と底砂の組み合わせで隙間を埋めるのがよいでしょう。
(2) 貝殻をアクセントに使う
写真投稿サイトなどで水槽のレイアウトを検索すると、意外と多いのが、
「貝殻のレイアウト」です。
貝殻も底砂だけとして使うには難がありますが、100円ショップや水族館でもお土産として安価で販売されており、底砂の上に敷き詰めて、手軽にレイアウトを楽しむことが出来ます。
稀に貝殻の成分が水質を硬水に傾ける場合がありますが、小型水槽の場合はさほど量を使う訳でもないのでそんなに心配することはないと思います。(※多くの熱帯魚は軟水を好みます)
貝殻をレイアウトとして水槽に投入する際は、事前に、よく水洗いを行ってくださいね。小さい巻貝は水槽内に浮きやすいので、大きめの巻貝や平型の二枚貝などがよいでしょう。
その他、エアーポンプ、ヒーター、水、水質安定剤など
☆ざっと並べてみました。熱帯魚用の小型水槽立ち上げ用お助けアイテム!
画像左から順に、
- カルキ抜きした水(ペットボトル×水槽に必要な水量)
- 水質安定剤(急を要する水槽立ち上げ時用)
- カルキ抜き用の中和剤(カルキ抜きできなかった場合用)
- バケツに水を汲んで一昼夜カルキ抜きするというのが面倒くさい方や、急を要する水槽の立ち上げをしなければいけない場合には、水道水のカルキを抜いてくれる「中和剤」が役に立ちます。
- 水槽を立ち上げて間もない頃に生体を投入する場合は、ややバクテリアの繁殖量が心配になってきますので、水質が安定するまでは「水質安定剤」を毎日適量水槽にいれておくと安心です。
- よく洗浄した「ペットボトル」に水を汲んでおくと、水換えの時に役立ちます。ふたを閉めていてもペットボトルの隙間からカルキが抜けるようで、我が家では毎回バケツやホースで水換えをしたことがありません。大体、水の賞味期限が二週間ですので、それを目安に管理していただければと思います。余談ですが災害時にもペットボトルに水を汲んでおくと役に立ちます。
- エアーポンプは、ホームセンターでもアクアリウムショップでも入手しやすく、比較的安価なものが多いです。(別途、ろ過材につなげるチューブを購入してください) ご家庭内で使用する場合は、水槽の設置場所に合わせて、エアー排気音の少ないタイプを選ぶことも大切です。特に寝室に水槽を置く場合などは、意外とエアーポンプの音が気になったりしますからね!
- ヒーターに関しては、水槽サイズに適応しているタイプのものを購入すれば大丈夫です。交換の目安は約1年間と覚えておいてください。2年以上使用することも可能ですが、ヒーターの水温感知器が故障すると、水槽内の温度が上昇し続け、水槽内の生体が全滅ということにもなりかねません。
大体このような流れで水槽の立ち上げや管理をすると、初心者の方でも小型水槽飼育を気軽に続けることができるでしょう!
※水質管理に便利な安定剤ですが、適量を超えすぎると、魚が弱る場合があります。
やむを得ず、水槽を立ち上げてすぐに熱帯魚を投入しなければいけなかった場合などは、
ほどほどに、少なめにを心がけつつ、
安定剤が必要なくなるまで投入を毎日続けることで徐々に水質が安定していきます。
家庭で熱帯魚飼育を始めよう!小型水槽がお勧めのまとめ
熱帯魚を小型水槽で飼育する場合には、(↓)こちらの記事もご参考になさってください。
小型水槽でも飼育しやすい熱帯魚の種類や大きさについて
種類
カラシン系、コイ系、プラティー、ラミーノーズ、コリドラス、ベタ、シクリッド系など。
小型~中型の飼いやすい種類の熱帯魚をお好みでチョイスしてみてください。
ベタを飼育する場合は、他の熱帯魚との混泳を避け、一匹で飼うようにしてください。
大きさ
小型~中型の熱帯魚が好ましいです。大型の熱帯魚は小型水槽には不向きです。
水1Lに対して1匹を目安として飼育するとうまくいきます。混泳に関しても、多すぎる数でなければ可能です。
水槽用の容器について
水槽も真四角や長方形にこだわらずとも、道具がそろっていれば、家にある容器でもなんでも構いません。
ちなみに我が家の丸っこい熱帯魚用の小型水槽の正体は…
未使用の梅酒瓶です!
「えーっ」と思われるかもしれませんが、本当です。
※ご家庭にある空き容器を小型水槽として使う際は、容器の構造がしっかりとしていて安定感のあるものを選んでくださいね!
このように、市販の小型水槽から、ご家庭にある空き容器までを使って、簡単に始められる小型水槽での熱帯魚飼育ですが、置き場所を取らない上に管理コストを抑えることができます。
小型水槽での熱帯魚飼育は、「熱帯魚を飼ってみたいけど大きな水槽は無理」という方や、「もうすでに大きい水槽は持っているけど、水槽を増やしたい」という方にもおススメの飼育方法です。
それぞれのお好みに合ったデザインの小型水槽で、アクアリウムライフを更に楽しむことができたら素敵ですね!
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