2018年4月1日に、アリゲーターガーの仲間が特定外来生物に指定されます。
そのため今回の記事では、特定外来生物法に基づいた「アリゲーターガーの仲間の飼育許可申請の手順&“飼養等許可申請書”という申請書類の書き方」について紹介していきたいと思います。
なお、前回の記事をまとめると
・2018年3月中に「譲渡や購入や移動」は、絶対に済ませておくこと
・2018年4月1日以降は、「譲渡や購入」は完全に違法(罰則の対象)になる
・2018年4月1日以降の猶予期間(6か月)の間に必要な許可を得ることが必須
という内容でした。
こちらが前回の記事↓
※おことわり※
2017年12月1日現在、アリゲーターガーの仲間の飼養基準が決まっていない状態なので、今後、具体的な基準がホームページで公開されると環境省の担当の方は言っていました。そのため、今回の記事は「体型が近い他の魚類(ノーザンパイクやマスキーパイクなど)の情報に基づいた内容」になります。
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はじめに/特定外来生物法・アリゲーターガーの仲間の飼育許可申請の手順
2018年4月1日以降も、アリゲーターガーの飼育を継続する場合には手続きが必要です。
具体的には環境省のHPでダウンロードできる「飼養等許可申請書」という書類と「飼育設備の写真などの添付書類」を用意して、自分が住んでいる場所を管轄する各地方環境事務所に申請する必要があります。
一見するとややこしそうな手続きに思えますが、順番を追って書類を書いていけば難しいことではありません。アリゲーターガーの仲間はマイクロチップの埋め込みが不要ですし、申請費用も必要ない(無料)ですから。実質の難易度的には、見本があれば「中学校の自由研究」レベルだと思います。アリゲーターガーを飼育している方は、愛魚のためにも、ぜひ挑戦してみて下さい。
飼養等許可申請書①申請書の書き方
見本が環境省のHPでダウンロードできます。自分が飼育しているアリゲーターガーの種類に置き換えて、見本通り記載していけば問題ないのですが、注意したい部分が2か所あります。
①「2.申請に係る特定外来生物/種類」→この項目には、和名だけでなく学名も必須です。
②「7.現在の飼養等の状況」→この項目には、「現在飼育している数」を記載しないと許可が下りません。見本では空欄になっていますので、注意して下さい。
※特定飼養等施設の欄を「別添」とする場合は、下の画像のように別紙で見やすくまとめて下さい。
飼養等許可申請書②施設の図の書き方
見本が環境省のHPでダウンロードできます。今回は「水槽型施設」の例で紹介します。画像の内容は、各自が実際に用意できる設備に合わせて記載します。なお、アリゲーターガーの飼育に使用したい水槽が複数ある場合には、1つ1つの水槽について説明と資料が必要になります。
ちなみに、施設の基準は法律で決まっていますので、それに適合するように書類を書く必要があります。詳しく知りたい場合には、環境省のHPでダウンロードできる「各施設の基準」や「環境大臣が所掌する特定外来生物に係る特定飼養等施設の基準の細目等を定める件」という参考資料がありますので、施設の設備の変更をする場合には目を通しておいてください。
余談ですが、それぞれの参考資料の「水槽型施設」と「十二 エソクス・ルキウス(ノーザンパイク)~以下略」の部分が重要になります。なお、今後アリゲーターガーの仲間の基準が公開された時には、そちらの基準に合わせて申請をして下さい。
※虚偽の申請は、罰則の対象になります。
※飼育したい水槽が複数ある場合には、それぞれについて説明が必要です。
(↓水槽は、できれば大きなものを用意したいです。)
飼養等許可申請書③施設の写真の書き方
見本が環境省のHPでダウンロードできます。今回は「水槽型施設」の例で紹介します。こちらの写真も、各自が実際に飼育する設備に合わせて申請しましょう。
おおまかにですが
①全体の写真(水槽全体が写った写真が必要)
②施設の施錠部分の写真(室内水槽では不要)
③穴が開いている場所などの写真(ガラスの切り欠きなど)
④飼育室の出入口の写真(鍵が掛かることが必要なので、玄関のドアも可)
が写っていれば大丈夫です。
個々のケースで必要な写真の枚数は変わってきます。飼育する部屋への出入口が多いと、その分の写真も必要です。
※虚偽の申請は、罰則の対象になります。
※飼育したい水槽が複数ある場合には、それぞれについて説明が必要です。
飼養等許可申請書④敷地内における施設の位置図の書き方
見本が環境省のHPでダウンロードできます。自宅の場合、「自宅のどこに水槽を設置するのか?」が分かるように記載しましょう。
もちろん、許可なく場所を移動することはできません(変更の手続きが必要)ので、慎重に設置場所は選んでください。
(↓水替えをしやすい場所に置かないと……大変ですよ?)
飼養等許可申請書⑤縮尺1:5000以上の概況図の書き方
これは環境省のHPに見本は有りませんが、縮尺1:5000以上の地図(縮尺1:3000なども可)をA4用紙に張り付けて提出すれば大丈夫です。飼育する場所(自宅など)が分かるように印をつけておくことは、忘れないで下さい。
ちなみに、画像では「某インターネットマップ(鹿児島市役所を表示)」を使用していますが、縮尺が分かりにくいので……大きな書店などで飼養施設(自宅など)の周辺地図を購入して、コピーしてから用紙に張り付けることをお勧めします。
まとめ/特定外来生物法・アリゲーターガーの仲間の飼育許可申請の手順と書類の書き方
ここまで必要な書類について1つずつ見て行きました。実際、見本が有ればそこまで難しい内容では無かったかなと思います。それに、もし分からないことや不安なところがあったとしても、自分が住んでいる場所の管轄の各地方環境事務所に電話などで問い合わせをしたら、すぐに教えてもらえます。
――さて、これで「飼養等の許可申請」は大丈夫です。 でも、実はコレで手続きが終わりというわけではありません。許可が下りた後も、次のような手続きが必要になります。
①飼養等の許可の有効期間は3年間なので、3年ごとに更新が必要。
②個体が減少した時(死んだ場合)には、30日以内に届けることが必要。
③飼育している期間中は、飼養施設に「許可を受けたことを示す標識」を見えるように付けることが必要&それを撮影した写真を「許可を受けてから30日以内」に提出することが必要。
④もし、特定外来生物を移動する時には、十分な配慮をすることが必要。具体的には、複数の取扱者の立ち合いの下で十分な強度を持つ網などに入れるなどの「逸脱(逃げることの)防止措置」が必要。
いかがでしょうか? 一見すると難しく見えますが、
①の書類は、今回作成したものを少し修正すれば大丈夫です。
②は管轄の地方環境事務所に連絡を入れれば大丈夫です。
③は写真を郵送で送れば良いだけです。
④も難しいことではありません。
それに、分からないことが有ったら地方環境事務所へ電話したら教えてくれます。(各地方環境事務所の方、仕事を増やしてしまいすみません!!)
今、飼育しているアリゲーターガーのためにも、2018年の春には、ぜひ「飼養等許可申請書」の提出にチャレンジしてみて下さい。なお、2018年の4月頃には、アリゲーターガーの飼育を続けるための手続きや書類の記載例が載った専用ページが環境省のHPで公開される予定らしいです。私の方でも、動向をチェックしておきたいと思います。
(↓前回の記事のおさらいはこちらから)
(↓ガーとは?)
※注意点※
アリゲーターガーの仲間の飼育許可申請は、特定外来生物へ指定される2018年4月1日から6か月以内に確実に出してください。猶予期間を過ぎると、許可申請が出せないどころか法律違反として最悪の場合、罰則の対象になります。「6か月以内に申請すれば、許可が下りるのは10月以降でも大丈夫(担当の方に確認済み)」ですが――書類不備や修正などに備えて、早めの手続きをおすすめします。なお、通常の場合は申請から許可が下りるまで約1ヵ月かかるそうです。
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