陸上にコケや植物をレイアウトし、水中には魚や水草を育成し、陸上と水中の融合から作り出すアクアテラリウム水槽。
https://tropica.jp/2017/12/21/post-10328/
では、海水水槽をテラリウム仕様にすることはできるのでしょうか。
その答えはできます!
しかし、そこにはひとつ問題も。
それは、見栄えが地味になりやすい点です。
陸上部分に行き渡る水も海水になるため、当然海水で育成管理できる植物しか植栽できません。
海水で育成できる植物で身近に購入できる植物はマングローブくらいなものです。
淡水のアクアテラリウム水槽と比較すると、カスタマイズ性が乏しく見栄えも地味になりやすいため、趣味でやるには少し物足りなくなるかもしれません。
これこそが、海水のアクアテラリウム水槽をあまり見かけない理由かもしれません。
そこで、ここでは海水のアクアテラリウム水槽へアレンジを加えて、インスタ映えするマリンアクアテラリウム水槽を作成してみました。
マリンアクアテラリウム水槽 準備
マリンアクアテラリウム水槽資材を準備しましょう。
水槽
ここでは横幅120センチ、奥行き45センチ、高さ50センチのアクリル製オーバーフロー水槽を使用します。
マリンアクアテラリウム水槽でも、一般的な海水魚を飼育することは変わりません。
そのため、海水魚飼育の定番システムであるオーバーフローシステムを採用します。
https://t-aquagarden.com/column/of_aquarium
ろ過器
オーバーフロー水槽を使用するため、水槽台に収まる濾過槽を選定します。
ここでは2層式でサンゴろ過材を使用したろ過システムを採用しました。
水槽台
120センチ用のコトブキ製プロスタイル(H700)を採用しました。
https://t-aquagarden.com/column/aquarium_cabinet_required
照明
照明はグラッシーレディオを2灯使用します。
一つはブルー球、もう一つは3000Kの色合いであるオレンジ色の球を使用します。
https://t-aquagarden.com/column/seawater_clear_led
底砂
底砂はサンゴ砂を使用します。
サンゴ砂は一番目の細かいパウダー状のサンゴ砂を採用します。
レイアウトアイテム
レイアウトアイテムは5点を組み合わせて作ります。
- ライブロック
- 溶岩席
- 流木
- 白い飾りサンゴ
- 造花
ここでは、インスタ映えをテーマにしているため地味になりやすい陸上部分に造花を採用し華やかにしていきます。
これで、準備完了です。ではレイアウトに移っていきましょう。
マリンアクアテラリウム水槽 レイアウトの作り方
砂を敷く
水槽台に水槽、濾過槽を設置し配管を繋いだら砂を敷きます。
砂は、厚さ1センチから2センチ程度と薄くしきます。テラリウム仕様のため水位を下げたことで水中部分の見えがかりが少なくなっています。少しでも水中部分が広く見せることに意識しました。
海水注入
砂を敷き終えたら海水を入れます。飼育でなく新水は人工海水を使用する場合は、必ず透明まで溶解した海水を注いでください。濁りがあるとその後の水中レイアウトがやりずらくなってしまいますので気を付けましょう。
ポンプを循環
水槽から落水し濾過槽規定線まで注水したらメインポンプを循環させましょう。
テラリウム水槽は水の流れが大切です。
必ず水を流してからレイアウトしていきましょう。
ライブロックレイアウト
レイアウトは土台である水中部分のライブロックから始めていきます。
使用している水槽は、正面から見て右側にオーバーフロー管を隠すコーナーボックスが有るためこれを覆い隠すように組んでいきます。
ここでは、コーナーボックス付近を高く組み、そこからなだらかに高さを下げながら左に流して組んでいきます。いわゆる三角構図です。
注意事項として、ここでは陸上から水を流すことはしないため、ライブロックは陸上に出さないようにレイアウトしていきましょう。
溶岩石のレイアウト
ライブロックレイアウトが完了したら、その上に溶岩石を配置していきます。
溶岩石は高く積み上げないで良いです。高さは造花で演出しますので造花や飾りサンゴが置きやすくするための土台を作るイメージでレイアウトしていきましょう。
溶岩石は水中でも水上でも問題ないため、ライブロックで組めない陸上部へレイアウトしていきます。
注意事項として、なるべく軽い平たい溶岩石を選びましょう。重いものを選ぶと土台のライブロックが崩れたり落下した際に、水槽やその他周りにあるものへ傷がつく恐れがあります。
流木レイアウト
陸上部にボリュームを出すため、流木をレイアウトしていきます。
流木は溶岩石の上に置きますが、水中には入れないようにしましょう。
海水を吸ってしまうとあまり良くありません。
ここでは、流木を5本使用しました。
飾りサンゴレイアウト
陸上、水中問わず飾りサンゴを配置していきます。
基本的に水中部に大きい飾りサンゴを配置していき陸上部に行くにつれ小さい飾りサンゴをレイアウトしていきましょう。
溶岩石同様、レイアウト崩壊トラブルを避けるため、陸上部は重い白サンゴは控えて軽い物にしましょう。
造花レイアウト
レイアウト最後に造花を使用しましょう。
ここでは、白い枝状の造花とブルーやパープルなドライフラワーを採用しました。
ポイントは、ライブロックの高さに合わせて、コーナーボックスがある右側を高くしていきます。
そのため、コーナーボックス付近は白い枝状の造花を配置しそこから左側にドライフラワーをレイアウトしていきます。
これで、水槽レイアウトが完成です。
マリンアクアテラリウム水槽 完成!
カクレクマノミやスズメダイなどの一般魚種を15匹程度入れてマリンアクアテラリウム水槽の完成です。
いかがでしょうか、淡水のアクアテラリウム水槽とは全く異なる印象を受ける、マリンアクアテラリウム水槽ができました!!
ただでさえ、海水で作るマリンアクアテラリウム水槽を管理している方は少ないですが、さらにドライフラワーを使用しているマリンテラリウム水槽はこれだけではないでしょうか。
完成後予想外だったことが、ドライフラワーの香りがほんのりあり水槽独特の香りを消してくれる効果もありました。
じつは、この水槽はインスタ映えする水槽をイベント用にご依頼いただき作成した特別仕様だったのですが大変好評だったと嬉しいお言葉も頂戴しました。
今後、他のレイアウト用品を使用したマリンアクアテラリウム水槽にも挑戦してみたいと思います。
熱帯魚業界歴もうすぐ20年!
海水やアクアテラリウムなど、さまざまな水槽を担当してるアクアリストです。
アクアリウム専門のYouTubeチャンネル『アクアリウム大学』も配信中!
よろしくお願いいたします!