アクアリストなら、誰もが一度は水草水槽に憧れたことがあるでしょう。
まるで森のように茂ったロタラや、低床を絨毯のように覆い尽くすキューバパールグラス。
上手に育てることができれば、息を呑む美しさの水槽が出来上がります。
しかし、水草は育てるのに少しばかりコツがいります。
今回は、おすすめ水草の育て方をプロの目線で紹介してまいります!
この記事を参考に、水草の育成に挑戦してみましょう!
おすすめ水草の育て方
「水草の育て方」とは言っても、育てる水草の種類によって、当然ながら育て方は変わってきます。
今回はその中でも代表的な育成方法を3つ紹介いたします。
それぞれの育成方法に適した水草の種類も一緒に紹介いたしますので、合わせてご覧ください!
水草の水中育成
水草を水の中で育てます。
当たり前といえば当たり前ですね。笑
しかし、水草が上手く育たなかったり、中には枯れてしまったり溶けてしまったり、という経験をされた方も少なくはないはずです。
そうならないためにも、水草の水中育成のときに押さえたいポイントを解説していきます!
底床
基本的にはソイルを使いましょう。
ソイルとは、土を玉状に焼き固めたもの。
水草が根を張りやすいのが特徴です。
ソイルには栄養系と吸着系の二種類があります。
できれば栄養系ソイルを選びましょう。
栄養系ソイルには水草の成長に必須の窒素やリンなどの栄養素が豊富に含まれております。
そのため、肥料の追加や液肥の追加などのしなくても十分に成長します。
吸着系ソイルや大磯砂で、固形肥料や液体肥料を組み合わせて水草を育てることもできますが、少し上級者向けです。
肥料の切れるタイミングの見極めが難しいので、初心者の方は水草に慣れてからにしましょう!
水草用照明
必ず水草専用の照明を使用しましょう。
水草用照明は、水草が光合成を行うのに必要とされる波長の光を発することができます。
水草育成には必需品です。
こちらは、私が愛用している照明です↓
いくつか試しましたが、コストパフォーマンス、水草の成長度合いなど、最高の照明です。
水草育成におすすめのLED照明はこちらで詳しく紹介しています↓
二酸化炭素添加
育てる水草の種類によっては必要ありません。
しかし、二酸化炭素を添加したほうが、成長度合いも発色も良いのは間違いありません。
特に前景草と呼ばれる種類の水草には必須である場合が多く、少しコストはかかりますが必ず用意しましょう!
上の写真のように、フルセットで販売されているものが使いやすくて良いでしょう。
水中育成の対象となる水草
すべての種類の水草をこの方法で育てることができます。
水草なので、当然といえば当然です。
それならば、他の育て方を紹介する意味ある?と思われるかもしれません。
実は、水中育成にはメリットもあればデメリットも存在するのです。
水中育成のメリット
完成イメージをつかみやすいのが最大のメリットです。
成長の度合いや茂り方などを逐一確認しながら完成に近づけられるため、通常、水草水槽を立ち上げるときはこの方法で行います。
インターネットで調べても、一番多くの情報を取れるのがこの方法です。
水中育成のデメリット
水草の水中育成のデメリットは、管理の大変さです。
高光量、かつ高栄養の状態で育てることになるため、必ずコケが生えてきます。
水槽面に生えるばかりではなく、水草の表面を覆うように生えてしまったらその部分は切り落とすしかありません。
こまめな水換え、掃除を行うことができればさほど問題ではないかもしれません。
しかし、普通の生体飼育をする水槽の倍はメンテナンスを行う必要があります。
なるべく手間を減らしたい…そんな方には、次の育成方法がおすすめです。
水槽メンテナンスについてはこちら↓
水草の水上育成
水草には水中葉・水上葉の二種類の状態があります。
詳しくはこちら↓
水中にあるときは水上葉の状態、水上にあるときは水上葉の状態で水草は生活をします。
この方法では、水上葉の状態の水草を育てます。
ポイントを見ていきましょう。
底床
栄養系ソイルを選びましょう。
水上育成の場合、栄養系ソイル一択です。
理由は後述します。
照明
直射日光でOKです。
水草の水上葉は普通の植物と一緒で、お日様の光でぐんぐん育ちます。
直射日光でも大丈夫な理由も、合わせて後述します!
通常は直射日光は絶対にNGなのでお気をつけください↓
水上育成の対象となる水草
特に、有茎草がおすすめです。
- ロタラ
- チドメグサ
- ヘアーグラス
- グロッソスティグマ
- アルテルナンテラ
- エキノドルス
などなど。。。
上記した種類の水草は、水中葉よりも水上葉のほうが頑丈で枯れにくいため、入門編としておすすめです。
水草水上育成のメリット
1点目は、コケが生えないということです。
どんなに高光量、高栄養でも、コケは生えません。
そのため、直射日光のような強力な光でもコケのリスクなしにぐんぐん育ちます。
これが栄養系ソイルを使い直射日光でも大丈夫な理由です。
2点目は、管理の楽さです。
基本的に土の表面が乾かないように水をあげればいいだけなので、水中育成と比べると遥かに楽です。
3点目は、成長スピードです。
水上で育てた水草は、水中で育てるのと比べるとかなり早いスピードで増えます。
何ヶ月もかけて手入れしながら水中で増えるのを待つより、早くて簡単です!
これらのメリットから、ショップで売っている水草にも水上葉は多くあります。
探してみても面白いかもしれませんね。
水上育成のデメリット
一番のデメリットは、最終的な水草水槽設計の手間です。
水上育成は、あくまで水草をローコスト、ローリスクで増やしたり大きく育てたりする手段なので、育成完了後はきちんと水槽に植え付けなければなりません。
また、水上葉と水中葉では形状が変わるため、完成図のイメージのしにくさもあります。
水草を大量に管理し、販売などされる方はこの方法が一番ですが、ここから水草水槽を作ろうと思うと少し大変かもしれませんね。
水草のミスト式育成
水中育成、水上育成のどちらも良いところがあり、悪いところがあります。
しかし、最近静かなブームを見せているこのミスト式育成こそ、いいとこ取りをした最強の育成方法だと私は考えています。
しかも、水草水槽の中でも難しいデザインの一つである絨毯状に広がる前景草を簡単に作れます。
ミスト式は、水槽にラップで蓋をし、水槽内に閉じ込めた水蒸気で水草を育てるという方法です。
少しコツがいりますが、ポイントを抑えながら一つずつ確認していきましょう。
底床
栄養系ソイルを使うと良いでしょう。
吸着系ソイル+固形肥料の組み合わせでも良いのですが、栄養系ソイルのほうが早く、注水したあとの水草の管理も簡単です。
照明
これも高光量の水草水槽用照明を使いましょう。
ただし、水上育成のように直射日光は適さないので、注意しましょう。
ちなみに、私はこの2つを同時に使いました↓
ミスト式育成の対象となる水草
ほぼすべての水草が対象ですが、特に適しているのは高光量、二酸化炭素添加が必要とされる前景草類です。
- グロッソスティグマ
- キューバパールグラス
- ヘアーグラス
などなど。
また、モス類の活着にもオススメです!
テグスなどで巻きつける必要はなく、活着させたいものの上にモスを置いておくだけで見事に活着します。
ミスト式育成のメリット
ミスト式は、前述のようにラップで密閉し閉じ込めた湿気で水草を育てます。
そのため、一度設置してしまえばあとは何もすることがありません。
コケも生えないし水換えも必要ありません。
管理の手間で言えば群を抜く簡単さです。
また、前景草を等間隔に植えておくだけで自然に広がり、絨毯が出来上がります。
小難しい二酸化炭素の管理も必要ないのです。
水草が上手く茂ったら、あとはそのまま注水するだけで水草水槽の完成というお手頃差も魅力の一つです。
ミスト式育成のデメリット
一つは時間がかかることです。
設置後、30〜45日は放置しなくてはならないため、待ち時間が非常に長いです。
さらに、注水後は普通の水草水槽と同じように二酸化炭素の添加やメンテナンスが必要になるため、その点にも注意が必要です。
また、衛生環境にも注意を払う必要があります。
高温多湿な状態で密閉して育てるので、雑菌が入り込むとそこからカビが発生する場合があります。
時々、ラップを外し換気したり、セッティング時に水草や流木を十分に洗ってから設置するようにしましょう。
おすすめ水草の育て方 まとめ
いかがでしょうか。
今回は、単純に水草を如何にして育てるかというところに着目しました。
本格的な水草水槽を作ろうと思えば、レイアウト、トリミング、日頃のメンテナンス等、様々な技術が要求されます。
トロピカでは、テーマごとにプロの目線で様々な水草関連の記事がありますので、それらの記事も合わせてチェックしてみてください。
トロピカの記事を参考に、より良いアクアリウムライフをお送りください!
トロピカプレゼンテーターのぶっちーです(。-`ω-)
この記事が、皆様の素敵なアクアリウムライフの手助けになれば幸いです。
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