水槽のレイアウトに使用する石は、アクアリウムショップや通販で様々な種類を購入することができます。
そうした石のなかで、『溶岩石』はほとんど水質に影響を与えない石材です。
また、多孔質で水草を活着させるベースとしても使用できます。
溶岩石とはどんな石なのか、水槽に入れることで水質にメリットがあるのかなどを解説しつつ、実際に溶岩石を使った水槽のレイアウト事例もご紹介していきます。
溶岩石とはどんな石?
溶岩石は英語で「Lava stone(ラバストーン)」と呼ばれています。
溶岩石は軽石と同じ溶岩が固まってできた石で、ごつごつした多孔質な形状をしており、色味は数種類ありますが、基本的には黒色です。
溶岩石はさまざまな使い方をされている!
溶岩石はアクアリウムだけでなくガーデニングで庭石などに使用されることも多い石です。
水や多湿な環境との相性が良く、吸水性があります。さらに石としては軽量で、組みやすいためさまざまなレイアウトに使用できます。
一般のホームセンターで販売されているものも、アクアショップで販売しているものも同じもので、比較的流通量が多く入手しやすい傾向にあり、淡水・海水どちらでも使用可能です。
溶岩石はレイアウト意外にも生活の様々なシーンで利用されています。
を出すお店が存在したり、溶岩石プレートで体を温めるヨガスタジオなどもあるなど、身近なところで目にすることもあるでしょう。
ちなみに、ゲームなど創作の世界でも溶岩石は存在しており、有名なモンスターハンターシリーズでアイテムとして登場しています。
溶岩石の採掘場所は?
溶岩石は溶岩が固まってできた石なので、過去に噴火した山のある場所が主な産地です。
採取される場所によって色が変わることもあり、主に採取場所として知られているのは次のような場所があります。
- 阿蘇山(熊本)
- 浅間山
- 富士山
観光地として有名な場所が多いため、溶岩石を持ち帰るのはNGです。
富士山や阿蘇山など自然公園に定められているような場所や、観光地では石や土、生き物の採取が「自然公園法」という法律で禁止されています。
実際に2009年には青木ヶ原の樹海から溶岩石を採取した容疑で逮捕者も出ています。
溶岩石はアクアショップやホームセンター、園芸店など石を取り扱っているお店から購入しましょう!
溶岩石を水槽に入れるメリット
溶岩石は凸凹が多く表面がざらついているとご紹介しましたが、アクアリウムでは石の凸凹はとても重要な役割を果たします。
- ろ過バクテリアや微生物が凸凹に繁殖しやすい
- バクテリアや微生物が溶岩石に定着するので、水質が安定しやすい
このように、形状だけでもメリットはあります。
また、他の石と比べて軽量であることから、ダイナミックな岩組を行いやすいレイアウト材と言えるでしょう!
軽量ですが、石なので長期間使用していても形状が崩れないです。
溶岩石でphは変化しない!
溶岩石はphにほとんど影響を出さない石です。
基本的に石材は水に長期間浸していると、見た目ではわかりませんが、少しずつ溶け出して水質をアルカリ性に傾けます。
つまり、pHは上がる傾向になるわけです。
しかし溶岩石は水に溶けにくい性質なため、ミネラルが溶け出しにくい=水のpHの変化が少ない石材と言えます。
とはいえ、大量に導入したり、水槽立ち上げ直後の場合や、水槽内の水質が酸性傾向だった時はphが急に変化することがあります。
生き物がpHショックを起こす可能性もあるので、溶岩石だけでなく石材をレイアウトする場合には元の水槽の水質を確認・調整してから行うのが良いです。
またphだけでなく、水の硬度も上昇する傾向にあるので、軟水を好む生き物や水草を飼育している場合はより注意が必要です。
溶岩石の前処理!水槽に入れる前にはアク抜きしよう
溶岩石にも水槽に入れる前に行う前処理があります。
それが『洗浄』と『アク抜き』です。
溶岩石は多孔質なので、凸凹していて汚れが溜まりやすいと言えます。必ず導入前には良く洗浄して、流木のようにあく抜きをしましょう。
水槽に入れる前に、水を入れたバケツに溶岩石を数日~数週間放置しておきます。
あく抜きした水を水槽に少量いれて、生き物や水草の様子を見てみるのもよいでしょう。
とはいえ、溶岩石はそれほど水質に働きかける作用は強くないので、気にしなくても大丈夫です。
しかし、新しいレイアウトアイテムを導入する場合には、水質や環境の急変を避けるために、普段から水換えなどで水質をきれいに維持しておくのがベストです!
溶岩石のデメリット
溶岩石は、石自体が凸凹が多くざらついており、石の形状によってはとがっている部分があります。
そのため、ごくまれに熱帯魚が溶岩石にぶつかってしまってケガをすることもあります。
地震や物音、人影で驚いて逃げたときや、水槽内でいじめられて逃げ回っている時などにぶつかりやすいので、配置や遊泳スペースには気を配りましょう。
溶岩石を使った水槽レイアウト事例
実際に溶岩石を使用した水槽のレイアウト事例をいくつかご紹介します。
大型水槽で溶岩石を使い岩山を作ることで、湖の底のようなレイアウトを作り出すことができます。
こちらはシクリッドとグラミーが泳ぐ水槽です。
溶岩石だけでなく、流木と水草を組み合わせることですっきりとしたレイアウトを作っています。
こいらも岩山を作りつつ、溶岩石同士の形状を組み合わせて、小さなトンネルを作ることで隠れ場所を作ています。シクリッドが自然の中にいるかのような動きを見せてくれます。
淡水魚水槽では、こちらの商品のように水草を穴に埋め込んだり、ウィローモスなどを活着させて使用することもあります。
こうすることで河川や湖の中のような自然な雰囲気の水槽レイアウトを作りやすいです。
溶岩石を水槽に入れよう!水質へのメリットを解説・レイアウト事例もまとめ
今回は溶岩石についてや、溶岩石を水槽に入れることで起きる水質の変化やメリットを解説しつつ、実際に溶岩石を使用した水槽レイアウトをご紹介しました。
他の石と比べると、多少硬度が上がるものの軽量で、水質の変化はほとんどない石材です。多孔質な形状から、バクテリアが繁殖しやすくなるので、水質浄化効果作用で生き物を飼育する環境を作りやすくなります。
水槽立ち上げ時から入れておけば、水槽内の環境を最初からよい状態で維持しやすくなるので、これから水槽を立ち上げようと思っている人にはおすすめの石と言えるでしょう。
水質維持ができにくいという人も、溶岩石を取り入れて水槽内の環境改善に取り組んでみることをおすすめします。
トロピカプレゼンテーターのぶっちーです(。-`ω-)
この記事が、皆様の素敵なアクアリウムライフの手助けになれば幸いです。
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