ついつい水槽の掃除をさぼっていて、気が付いたら水槽内がコケまみれ。そんな経験ありませんか?またマメに水槽内の掃除はしているものの、コケの処理が追い付かないということもあるでしょう。
そんなとき、市販のコケ抑制剤の使用を考える人もいます。しかし本当に効果があるのかと疑問に思う人は多いのではないでしょうか。
今回はそんな人の疑問に答えるべく、市販のコケ抑制剤の効果について実際に30cm水槽を使って検証してみました!
水槽のコケ抑制剤とは?
水槽用のコケ抑制剤は、アクアリウムメーカー各社からさまざまな商品が販売されています。使用条件や使用する量、そして効果などは商品によって変わってきます。
コケ抑制剤の効果
コケ抑制剤の一番の効果は、文字どおりコケの発生を防止するというもの。コケの栄養分となる成分を除去することでコケの発生を防ぐものが多いです。
また商品によってはコケの発生原因となる成分を除去することで水質を保ったり、臭いまで除去してくれるような商品もあります。
コケ抑制剤のデメリット
コケ抑制剤は水槽内の水草にもダメージを与えることがあります。商品によっては全く水草に害がないものもありますが、購入する際は商品の注意書をきちんと読んで購入しましょう。
またエビ類は薬剤に弱いため、コケ抑制剤の影響で死んでしまうこともあります。
コケ防止剤についてはこちらの記事で詳しく解説しています。
コケの発生原因についてはこちらの記事で解説しています。
水槽のコケ抑制剤の効果を検証!
市販のコケ抑制剤は効果がないと思っている人もいることでしょう。口コミなどで効果がないと思い込んでいる人もいますが、商品や使用環境によってコケ抑制剤の効果の出方が変わります。
そのため今回の検証は、参考程度に考えてもらえればと思います。
今回は水草や熱帯魚も入れた状態で実験しています。水槽の実験に使用した水槽の規格や条件は次のとおりです。
実験した水槽の規格や内容
小さい水槽の方がコケの発生スピ―トが早いので、今回は30cm水槽で実験しています。さらにコケ抑制剤を使用している水槽と、使用していない水槽2つを用意して、どちらも同じ条件で水槽を立ち上げます。熱帯魚・水草ともにしアクアリウム初心者向きのものを使用しています。
- 水槽の規格:300×300×400水槽
- 生体:ネオンテトラ×10、オトシンクルス×2
- 水草:ミクロソリウム・ラチフォリア×1、アヌビアス・ナナ×2
- フィルター:水中ポンプ式底面フィルター
- LEDライト:ストロングホワイト300
- 底砂:大磯砂
実験の条件
毎日餌は1日1回、照明をつけている時間は8時間、実験終了まで2つの水槽をこの条件で管理します。
今回使用したコケ抑制剤
今回の実験で使用したコケ抑制剤は、日本プロジェクトバイオの「強力コケ抑制剤K-119」です。近くのアクアショップなどで取り扱いがない場合は、Amazonなどで通販することができます。
実際にコケは発生しなかったのか?
コケ抑制剤を使用することで、コケの発生を完全に防げると思っていませんか?
実際に使用してみた結果、コケ抑制剤を使用しているものでもコケは発生してしまいましたが、未使用のものと比較すると発生時期がずれていました。
【コケの出た日】
・コケ発生(抑制剤なし):11月5日
・コケ発生(抑制剤有り):11月19日
同じ条件でコケが発生した日が約2週間ズレています。
コケ抑制剤を使用すれば発生を遅らせることはできるものの、完全に防ぐことはできないようです。
水槽内の水の汚れが早かったり、飼育する熱帯魚の数が多い場合はもっと早くコケが発生していたかもしれません。
実際に2つの画像を比較してみましょう。
左が抑制剤使用、右が抑制剤梨の水槽です。
さらにコケが発生している水槽をよくみてみましょう。
コケが発生した水槽の様子
11月5日のコケ抑制剤を使用しなかった水槽の様子です。
遠目からみても水草に茶色のコケがついているのが目立つ場所がありますね。
水槽の角にも茶色いコケがついています。
ガラス面と底砂に茶色のコケが発生しています。
水草にもコケが発生しています。
拡大してみるとコケがついているのがよくわかります。
ケーブルについたコケがはっきりとわかりますね。
見た目がとても汚くなるので、ケーブルや水槽のコケはすぐに気づく人が多いです。
コケ抑制剤を使用した水槽
こちらはコケ抑制剤を使用した水槽の11月19日の様子です。
コケ抑制剤を使用しなかったものと比較すると、ほとんどコケが発生していませんね!
コケが目立ちやすいケーブル周辺や水槽の角も、コケが少し生えただけです。
実際にコケ抑制剤を使用したときのメリット・デメリット
水槽立ち上げ時にコケ抑制剤を使用して分かったメリットとデメリットは次のようなものがあります。
実際にコケ抑制剤を使用して感じたメリット
メリットはやはりコケが発生するのが遅いという点です。一般的にアヌビアスナナはコケが付きやすいことで知られていますが、コケ抑制剤を使用した水槽では、アヌビアスナナにコケが付きにくく綺麗な状態を保つことができました。
実際にコケ抑制剤を使用して感じたデメリット
コケ抑制剤が直接の原因かはわかりませんが、コケ抑制剤を使用した水槽のミクロソリウムが枯れてしまいました。多少なりともコケ抑制剤は水草に影響を与えると考えてることもできます。水槽内にいた熱帯魚にはまったく影響がありませんでした。
まとめ:水槽のコケ抑制剤使用は効果があるけど水草に注意しよう!
いかがだったでしょうか。今回はコケ抑制剤を実際使用して、その効果を検証してみました。
コケ抑制剤を使用していてもコケは発生していしまいます。コケ抑制剤を使用しない水槽と比較すると発生が約2週間遅いことから、コケ抑制剤を使用したほうがコケの発生を防ぎやすくなるということが実証できました
しかしコケ抑制剤を入れることで、水草に悪影響を与えてしまい枯れてしまう恐れがある点は注意が必要でしょう。エビ類は薬剤に弱いため、コケ抑制剤だけでも死んでしまうことがあります。
コケ抑制剤を使用する際には、飼育している生物に害がないか、また水草に対する悪影響がでないかを確認して使用する必要があります。
コケはろ過フィルターを使用し、こまめな水槽掃除を行うことである程度は発生を防ぐことができますので、普段からマメな水槽掃除も心掛けましょう。
また生き物に与える餌の量も、多すぎると残してしまい水質悪化やコケ発生の原因になるのでほどほどに与えるようにしましょう。
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