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熱帯魚や海水魚のハイブリッドとは! ハイブリッドの意味と種類を解説

熱帯魚や海水魚でハイブリッドという言葉を耳にしたことがありますでしょうか。

生物学においてのハイブリッドとは、異なる種を人工的にかけ合わせてできた交雑種を指しますが、アクアリウム業界では自然界で異種同士が自然交配し誕生した個体もハイブリッドとして扱われているケースが多いです。

異なる種類を人工的に掛け合わせることで、野生の本種個体より美しい個体の誕生や、自然界で稀に採取できたハイブリッド個体を人工化で作り出すことができるのも、熱帯魚や海水魚におけるハイブリッドの魅力とも言えます。

ここでは、熱帯魚や海水魚におけるハイブリッドとはどのような特徴を持った種類がいるのかを解説していきます。

ハイブリッドの種類

熱帯魚

熱帯魚のハイブリッドは数多く存在しますが、改めて考えると大型魚に多い印象です。

ここでは、代表的なハイブリッドを解説していきたいとおもいます。

フラワーホーン

フラワーホーン(花羅漢) (約5cm)<1匹>[生体]

※写真は幼魚です。

10数年前くらいに登場した、フラワーホーン。

フラワーホーンの野生個体は存在していなく、フラミンゴシクリッドとトリマクラートゥスを人工的に掛け合わせて誕生した美しい熱帯魚です。

成長するに連れ特徴的となる、オデコのコブをホーン()、体の斑点をフラワー()として、その名前が付けられました。

日本では最近あまり見かけないようにおもいますが、海外、とくに中国では人気があり高値で取引されています。

私が実物を見た時の感想として、とにかくコブが大きく華やできらびやかな熱帯魚という印象でした。

パロットファイヤー

(熱帯魚)パープルパロットファイヤー・シクリッド(1匹) 北海道・九州・沖縄航空便要保温

真っ赤やオレンジ色の美しい体色を持つパロットファイヤー。

アロワナ水槽などにアクセントで泳がすと、とても華やかな水槽を演出することができます。

パロットファイヤーも自然界では存在しておらず、フラミンゴシクリッドとシンスピルムを掛け合わせて誕生した改良品種個体です。

一般的なパロットファイヤーは赤系統ですが、カラーパロットファイヤーという種類も存在しており、こちらは緑や青、黄色などカラーバリエーション豊富な色合いとなります。

ただし、カラーパロットファイヤーは飼い込むと色が抜けやすい印象を受けます。

赤系統のパロットファイヤーも多少抜けますが、大きくなっても美しい状態を維持した経験もあります。

パロットファイヤーを飼育する際は、色が抜けることも想定して飼育を開始するようにしましょう。

ハイブリッドアロワナ

(熱帯魚)シルバーアロワナ ベビー Sサイズ(1匹) 本州・四国限定[生体]

※写真はシルバーアロワナ

シルバーアロワナとブラックアロワナのハイブリッド

ハイブリッドアロワナのなかでも珍しい、シルバーとブラックのハイブリッドです。

なかなか入荷は少ない印象を受けますので珍しい個体であることは間違いないかとおもいます。

初見時は、シルバーアロワナが黒くなった印象を見て取れました。

シルバーアロワナもブラックアロワナも飼育経験ありますが、このハイブリッド個体は飼育経験無いため、一度くらい管理してみたい個体ですね。

ハイブリッドアジアアロワナ

Xantic Dragon34cm±(ザンティックドラゴン黄変紅龍)【アロワナ】

※写真はアジアアロワナ

品種の異なるアジアアロワナ同士を掛け合わせて、お互いの良い部分を誕生させることを目的としたハイブリットアジアアロワナです。

正直なところ、アジアアロワナに精通している方でない限りなかなかハイブリッドかどうかを見抜くことは難しいでしょう。

アジアアロワナは何種もいる上に名前が複雑なためです。

アジアアロワナのハイブリッドを購入する方は、非常にアジアアロワナ飼育に精通しているアクアリストに絞られるとおもいます。

海水魚

海水魚のハイブリッドは、自然交雑しているケースが多く貴重です。

それでは、解説していきます。

ダウンゼントエンゼル

海水魚のハイブリッドと言えば、ダウンゼントエンゼルが有名です。

ダウンゼントエンゼルは、クイーンエンゼルとブルーエンゼルのハイブリッド個体です。

昔よりアメリカ便の入荷が減ったせいなのか、最近ではなかなか見る機会が減りました。

海水魚のハイブリッド全般に言えることなのですが、ハイブリッドより原種が綺麗なことが多いですね。

ダウンゼントエンゼルも珍しいのですが、クイーンエンゼルより美しさは劣るかなとおもいます。

ただし、価値はあるので珍しい個体を手に入れたい方にはおすすめです。

シマヤッコ×スミレヤッコ

海水魚のなかでも高い人気を誇るシマヤッコスミレヤッコ

パラケントロピーゲ属に含まれる2種の伝説的なハイブリッド個体です。

わたしが確認している中では、今まで日本に1,2匹しか入荷していないとおもいます。

当然自然交配個体の本種は、数十万円といった高値で取引されていました。

この2種が交配するとこんな模様になるのかという不思議な模様でした。

わたしは、本種を見ることができる日を楽しみにしている数少ない種の1つです。

レモンピール×ナメラヤッコ

小型ヤッコのなかで人気の高いレモンピールと、地味であまり人気がないナメラヤッコ。

この2種の自然交配個体は、時にとてつもなく美しい色を持つことがあります。

レモンピールの尾が黒くなるナメラピールと呼ばれる個体が多いなか、稀にレモンピールの鮮やかな黄色の体色にブルーメタリックが散りばめられる非常に美しい個体が入荷することがあります。

じつは、わたしはこの個体を数年にわたり飼育したことがありとても綺麗でした。

レモンピールのような黄色い個体は、年数を経過しても色が抜けたり日焼けすることがないため、長期的に綺麗な状態を鑑賞することができるためおすすめです。

今後、目にすることがあれば即購入予定です。

レモンピール×ココスピグミーエンゼル

通称ココスレモンと呼ばれる本種は、ごく稀に入荷します。

ココスピグミーエンゼルが入っているため、レモンピールの購入価格よりは高価となりますが、ココスピグミーエンゼルよりは安価となることが多いですね。

ココスレモンの特徴は、レモンピール特有のブルーアイリングが消失しココスピグミーエンゼルの目に変わります。

見た目的に美しいというより、品がある風貌に変わります。

少し高価でも変わり種の珍しいヤッコが欲しいという方にはおすすめです。

イナズマヤッコ×ニシキヤッコ

今まで日本には数個体前後しか入荷していないのではないかとおもいます。

当然の自然交配で、わたしが最後に見た数年前に入荷した個体は、あまりの美しさに何十年見てきた海水魚で一番美しいと仕入れ先の社長も驚いていました。

言葉ではなかなか言い表せないのですが、どうしたらこんな模様になるのかという2種の交配にも関わらずお互いの美しい色合いが見事に演出されていた個体でした。

まとめ: 熱帯魚や海水魚のハイブリッドとは! ハイブリッドの意味と種類を解説

いかがでしたか。

ハイブリッドについて書いていきましたが、後半の海水魚については書きながら当時に状況を思い出しつい熱が入ってしまいました。

ハイブリッドって雑種でしょと安易に捉えられがちですが、野生個体の自然交配であるハイブリッドは非常に心揺さぶられますよ。

本文でも解説しましたが、海水魚のレモンピールにメタリックブルーが散りばめられている個体は、ナメラヤッコにブルーメタリックの要素は何も無いのになぜあの体色が誕生するのかは未知な世界です。

まだまだ、私たちが知らない熱帯魚や海水魚は数多く存在すると言われており、アマゾンにいるコリドラスなんかは未だに新種が見つかり続けています。

そんな、誰も見たことない熱帯魚や海水魚を飼育できる醍醐味もアクアリウムの特権ではないでしょうか。