水槽台を買おう!市販品から特注品まで、水槽台の買い方選び方のすべて!

SNSなどで水槽の写真を見ていると、様々な種類・形状の水槽台があることに気づいます。

オーダーメイド水槽も含めると、水槽台には無限に種類があるといってもよいでしょう。

これだけ種類が多いと、どんな水槽台を選んだらいいか分からなくなってしまいますよね。

しかし、水槽台にはちゃんと選び方があります。

今回は、そんな水槽台の買い方・選び方を日本一詳しく大解説してゆきます!

永久保存版ですよーー!!

水槽台とは

水槽台。読んで字のごとく、水槽を置くために設計された、専用の台のことです。

水槽を置けたら別に水槽台を使わなくてもいいのでは?というお問い合わせをいただくこともあります。

確かに、置けたらなんでもよさそうな気もしますよね。

しかし、その度に私たちはこのようにお答えします。

「よっぽどのことがなければ水槽台に置いてください」と。

その理由をご説明いたします!

水槽台が必要な理由

水槽は水槽を置くためだけに設計された台です。

私たちプロのアクアリストでも、設置するほとんどの水槽を水槽台に置いています。

他のものでは代用できないその理由を解説します!

耐荷重

特に大きな理由として挙げられるのが、耐荷重です。

水槽は重量物です。

水槽台は、重量物である水槽を置けるように設計されています。

300㎜キューブ水槽ですら、水を入れると30㎏程度になります。一人では持てません。

W600㎜規格水槽で約70㎏。成人男性の平均体重を超えました。

W900㎜規格水槽で約200㎏。ピアノと同じくらいの重さです。

W1200㎜規格水槽で約280㎏。ヒグマと同じくらいの重さです。

わかりにくいですね。笑

実際には照明やレイアウト部材なども含まれているので、さらに重たくなります。

これだけ重たいものを、例えばテーブルや受付カウンターのような台、もしくは棚や靴箱のようなものに置くとどうなるか…。

置いたときは一見大丈夫なようでも、これだけの荷重がかかり続けると、どうなるかわかりません。

しかし水槽台とても頑丈にできており、ちょっとやそっとじゃビクともしません。

そして何より、重量が原因のトラブルが起きても保証が受けられる場合があります!

機器の収納ができる

水槽台は、水槽機器類を台の内部に収納することができるようになっています。

アクアリウムは、水槽の中だけでは完結しません。

ろ過装置やクーラー、サーモスタットなど、いろいろな機械が水槽の外に必要です。

これがなかなか大きく、目立ち、そのままだと水槽の景観を大きく損ねてしまいます。

しかし水槽台は、これらをきれいに収納できます。

水槽から配管・配線を伸ばし、台の内部に続く開口を通り、中に納まります。

内部に装置類を収納するために設計されているため、絶妙な位置に配管・配線用のコードがありますので、ご自身で工作する必要もありません!

防水性

水槽台には防水性があります。

水槽なので当然ですが、を使います。

立ち上げの時、水換えの時などは必ずと言っていいほど水が垂れます。

これが水槽台以外の台だと、水による劣化を招いてしまう恐れがあります。

木製棚だと水がしみ込んでカビ、腐食の原因になります。スチール棚だとサビの原因になります。

このように劣化が進むと、倒壊のリスクがどんどん上がっていきます。

これらのリスクを最小限に留めることができるのも、水槽台のメリットですね。

もちろん濡れたらこまめに拭くことは大切ですが、濡れたからといってただちに水を吸ったり錆びたりといったことがはありません。

水を通しにくい材質でできています。

鉄製水槽台も錆止め加工が施してあります。

水槽を長く置いていたいと考えるのであれば、水槽台を使うという選択肢に絞られるはずですね!

水槽台の選び方

水槽にどれほど水槽台が必要か、お分かりいただけましたでしょうか。

水槽台は、水槽と同じくらい手を抜かずにしっかり準備してほしいアイテムの一つです。

この項目では、そんな水槽台の選び方を徹底解説します!

水槽から選ぶ場合

使っている、もしくは使いたい水槽によって水槽台の仕様は全く変わってきます。

水槽の規格、大きさを加味して水槽台を選んでみましょう。

規格水槽を使う場合

水槽台を選ぶとき、まず最初に考えないといけないのは、水槽の大きさです。

水槽には、規格水槽といわれる決まった大きさの水槽があります。

どのメーカーでも同じ大きさの水槽を販売しており、最も手に入れやすい水槽サイズです。

そのため、市販されている水槽台は規格水槽に合うように設計されているものがほとんどです。

市販されている水槽台は大量生産品である為、とても安く手に入るというのが最大のメリットといえるでしょう。

例えば有名なものに、コトブキ社のプロスタイルという水槽台があります。

黒・白・木目と三種類のデザインがあり、私たちアクアガーデンのレンタル水槽でもよく使う商品です。

この商品に限らず、市販の水槽台は強度・使いやすさ・金額とどれをとっても優秀です。

規格水槽を使用される方は水槽台を探すとき、まずはメーカーホームページを探してみるとよいでしょう。

規格外水槽を使う場合

しかし、規格外水槽を置く水槽台を探すのはちょっと大変です。

せっかく特注でこだわりの規格外水槽を作ったのに、置く場所がなければ意味ありませんよね。

しかし、基本的にアクアリウムメーカーにはありません。

水槽台が見つからないからと、テーブルやメタルラックなんかの上に載せて…となると、倒壊の恐れがあります。

それではどうすればよいか。

オーダーメイドで作ってみましょう!

オーダーメイドで製作すると、載せたい水槽に合わせて㎝単位で設計することができます。

規格外水槽に合ったサイズの水槽台が見つからないということで、水槽台を自作される方がいらっしゃるようですが、おススメしません。

確かにコスト的には安いかもしれませんが、設計や製作にかかる時間、出来上がったものの強度や耐用年数、仮に倒壊したときのことを考えると、逆に割高になってしまうこともあります。

そのため、規格外水槽用の水槽台にはオーダーメイド水槽台を使用されることを強くお勧めします。

ろ過システムから選ぶ場合

採用する水槽のろ過システムによっては、水槽台の選び方を考え直さなくてはいけない時があります。

一例ではありますが、ご紹介します!

オーバーフロー水槽の場合

最強のろ過能力を持つオーバーフロー水槽。特に海水魚飼育には欠かせないろ過システムです。

オーバーフロー水槽の水槽台を選ぶときにまず気を付けないといけないのが、水槽台天板のOF用穴位置です。

メーカーや製作工場によって水槽のOF管位置はマチマチです。

市販の水槽台だと、水槽台天板にもともとOF用の穴が開いている場合があります。

多少大きめに開けてあり、少々ズレても入る仕様になってるとはいえ、水槽によっては全く穴位置が合わない、なんてこともあります。

オーダーメイドだとこんな複雑な穴もあけられるので、安心です!

そのため、もし既製品を買われる場合は十分にOF管位置、水槽台穴位置を確認するか、水槽も水槽台も同じメーカーから購入するとよいでしょう。

また、濾過槽スペースにも十分注意する必要があります。

セットのものを購入すれば問題はありませんが、メーカーばらばらで購入する場合、濾過槽やポンプなどの機材が水槽台に納まらないことも考えられます。

オーダーメイドで製作すると、水槽サイズ、濾過槽サイズなど、プロが全て計算し設計された水槽台をご用意いたしますので、そのような心配はありませんね!

オーバーフロー以外のろ過システムの場合

つまり、外部フィルター/上部フィルター/外掛け式フィルター/投げ込み式フィルターなどのことです。

これらを使用する場合は、水槽台の仕様についてあまり難しく考えなくてもよいでしょう。

これらのうち、ほとんどが水槽内だけで完結するろ過装置だからです。

唯一水槽の外に配管が伸びる外部フィルターを使用するときは、配管位置をよく確認しましょう。

普通は水槽台内部に外部フィルターを設置します。

その時、配管(ホース)が通る穴や開口があるかを気を付けて確認するようにしましょう。

市販品の水槽台はほとんど問題ないかと思います!

しかし、市販品はどれも結構大きく開口が開いています。

なるべく目立たせたくないというときは、オーダーメイドで製作すると穴位置や穴サイズまで細かい指定ができるのでおすすめです。

水槽台の材質で選ぶ場合

設置場所、飼育生体、水槽の仕様で、水槽台の選び方も変わってきます。

それぞれ材質ごとに、どんな水槽が適しているのか考えてみましょう!

木製水槽台

木製水槽台は、私たちアクアガーデンでも最も採用率の高い水槽台です!

木製水槽台は、通常のアクアリウム水槽で問題なく使用でき、何より安価です。

加工がしやすいことから、様々な形状の水槽台に使用されます。

木製だから水に弱いんじゃないの…?と思われるかもしれませんが、ご安心ください。

水槽台なので、既製品でも特注品でも防水加工が施されております。

ただし、水はね程度であればまったく問題ありませんが、長時間濡れる環境が続くとふやけてしまうことがあります。

水替えなどで濡れてしまったときはこまめに拭きとるようにしましょう!

また木製水槽台は外見的にも温かみがあり、インテリアにもぴったりです。

鉄製水槽台

鉄製水槽台は、なんといってもその頑丈さがウリです!

最小限のアングル材で組上げられたドシリとしたその姿は、武骨な男らしさすらあります。

例えばW1500㎜を超えるようなアロワナ水槽なんかは、鉄製架台がおすすめです。

また、鉄製架台はアンカーベースを取り付けることができるので万が一の地震のことを考えると安心ですね。

でも鉄だとサビるんじゃないの…?と思われた方もご安心ください。

鉄製水槽台には錆止め塗装を施し、架台全体を塗装で覆ってしまうことで、水に強くします!

さらに特製のパネルを貼ることで、木製水槽台のような見た目に整えることができます↓

鉄の頑丈さと木製水槽台の優雅さ。いいとこ取りですね!

SUS製(ステンレス)水槽台

アクアガーデンでは、SUS製の水槽台も制作しています!

SUS製の水槽台は、特に活魚水槽でおすすめしております。

SUSとはステンレスのこと。つまり、錆に強いのです。

上述の木製水槽台や鉄製水槽台のように、「水に弱い材質を水に触れないようカバーする」というような加工方法ではなく、そもそもの材質が水に強いのです。

活魚水槽は通常、水温を15~18℃程度まで冷やします。

すると水槽表面は結露します。結露で現れた水は水槽台に垂れ、そこから水槽台は劣化してゆきます。

しかしSUS製の水槽台はこの程度ではビクともしません。

SUSむき出しのままだと少々見た目はよくないですが、アクアガーデンではすだれを取り付けて活魚水槽の雰囲気を出しています!↓

水槽の形状から選ぶ場合

一口に水槽台といっても様々な材質があることが分かりました。

お次は様々な形状があることをご紹介します。

用途に合った形状の水槽台を選びましょう!!

キャビネット型

アクアガーデンが扱う水槽台の中で最も多いのがキャビネット型です。

キャビネット、つまり棚のような形状をしており、設置場所のインテリアの一つになるでしょう。

さらに膨大な種類の化粧板から色や質感を選択でき、最も自分好みの水槽台にカスタムできる水槽台です。

落し込みの有無、扉の形状の選択などオプションも豊富です。

ただし、完全に扉で塞いでしまったり、内部に補強があるので、外見に対し有効内寸はやや狭めです。

濾過槽などの水槽機材を入れる際は、有効内寸に気を付けましょう。

架台型

鉄製、SUS製の水槽台の基本の形です。

枠だけで自立し、骨組みだけの形状です。

架台の最大のメリットはメンテナンス性の良さです。

開口が広く通気性も抜群。機器のトラブルも一発で見つけられます。

特に鉄/SUS製架台は頑丈さがウリです。

パネルを取り付けることもできるため、見た目が気になる方はオプションでキャビネットっぽく見せることもできます。

業務用で使用したり、壁に埋め込む仕様の水槽を立ち上げるとき、私たちは好んで架台型で設計します。

その他特殊形状

実は水槽台、オーダーメイドならではの形状もたくさんあるのです。

例えばこんな感じの水槽台↓

水槽に本棚がくっついています!

そのほかにも、下駄箱型、テレビ台型、複数水槽を置けるタイプ、S字型、デスクなど、様々な水槽台を作ることができます。

ただ単に水槽を置くだけでは満足できない、せっかく特注するんだから水槽台以上の機能を持たせたい、という方には、特殊形状の水槽台をお勧めしています!

世界に一つだけ、あなただけの水槽台を作ることもできます。

設置場所の内装から選ぶ場合

アクアリウムは、どんな空間にあってもアッと目を引きます。

そのため、設置場所との調和はとても重視されます。

例えば清潔感が重要視される病院などの空間では白い水槽台。

クールに薄暗いバーに置くのであれば、黒い水槽台。

ホテルなどラグジュアリーな空間に置くのであればゴージャスな大理石調。

これは一例ですが、他の什器類と雰囲気を合わせたり、様々な仕様を考えることができると思います。

どんな内装かお伝えいただければ、水槽台のデザインのアドバイスをさせていただくこともできます。

既製品特注品問わず、これまでの設置の経験からこんな水槽台置きました、という事例写真をお見せすることもできますので、お気軽にご相談ください!

その他、デザインを重視して選びたい場合

水槽台は無限にデザインが存在します。

形状、色、質感、大きさ、高さなどなど。。。

こんな水槽台にしたい!というこだわりのある方もいらっしゃることでしょう。

もちろん、デザインを重視してお選びいただくこともできます。

しかし、こだわり出したらキリがなくなるのが水槽台の面白いところ。

次の項目で、水槽台のデザインについて紐解いていきましょう!

水槽台のデザイン

無数に存在する水槽台のデザイン。

色、質感、はたまた細かい部分の形状まで、その秘密を紐解いていきます。

市販品・オーダーメイド品でも大きく変わります!

化粧板

キャビネット型水槽台の第一印象を決めるのは、何よりもこの化粧板です。

人間で言えば。その魅力に迫ります。

化粧板の色

色が見る者に与える影響は古来より研究が盛んですが、水槽台の色も例外ではありません。

白、黒、木目調など、様々な色がありますが、与える印象はすべて違います。

写真をご覧ください。

内装、室内の雰囲気に合わせてデザインしました。

空間が水槽を、水槽が空間を引き立てます。

既製品は黒とか白といったシンプルな色が多いです。

しかし、オーダーメイド品はどんな色でもできます。どんな色がいいか、実際に置いたときの姿をじっくり想像してイメージしてみてください!

化粧板の質感

色だけではなく、質感も水槽台の印象を決める重要なポイントの一つです。

オーダーメイド品は質感まで選ぶことができます。

例えば光沢のある質感だとこんな感じ↓

逆に、艶消しのマットな感じだとこう↓

同じような仕様・同じ角度なのに与える印象がかなり違うことが分かります。

木目調のデザインを活かし、実際の木のような木目の凹凸があるデザインもできます↓

高級感のある大理石調の光沢のある化粧板は、実際に価格も高級志向です。

しかし、その高級感ある艶は見る者を圧倒するでしょう↓

落し込み

落し込みとは、水槽を置く部分に縁を付ける加工のことです。

市販品で言えば、MMC企画の販売するエクセルキャビネットには落とし込みがあります↓

加工の目的は、万が一の時に水槽がずり落ちることの防止ですが、見た目にも大きな影響を与えます。

こちらが、落し込み加工をした水槽台です。

水槽をぐるりと囲むように背の低い壁ができるイメージですね。

このように、物理的に水槽のズレを防ぎます。

水槽の底面約30㎜が隠れるので、水槽の砂や砂利の断面を隠すことができるというメリットもありますが、水槽の見えかけ部分が小さくなってしまうというデメリットもあります。

実際の水槽サイズより小さく見えるということですね。

最近は全国的に地震が多く、人気の高まってきている加工の一つです。

吸排気穴

水槽台には必ず、吸排気の為の穴が必要です。アングル架台は骨組みだけの水槽台なので問題ありませんが、キャビネットタイプの水槽台には設計の段階で組み込む必要があります。

↑右側面に開口を開けたデザインです。前面の扉左側には吸気のためのルーバーがあります。

市販品はどうかというと、背面に大きな開口がある商品が殆どです↓

しかしこだわりの水槽仕様になると、水槽機材の配置の関係で、背面にだけしか開口がないと困ってしまうことも。

開口の目的は、キャビネット内の湿気を逃がすこともそうですが、特に気を付けたいのがクーラーの吸排気です。

十分な大きさ、適切な位置に吸排気口がないと、クーラーは排熱ができなくなり故障します。

何かと目立つ吸排気口ですが、オーダーメイド水槽台だとその形状次第で水槽台に馴染むようなデザインにもできます!

開口

その一つが開口。開いた口、つまり、水槽台にそのまま穴が開いているイメージです。

水槽右側面の開口です。

アクアガーデンでは、クーラーの排熱側に開けることが多いです。

水槽台は基本的には四角を組み合わせた構造なので、それに合わせて穴の形状も四角くすると良いでしょう。

開口のメリットは、何より通気性の良さです。

空気の流れを遮るものが何もないので、クーラーの吸排気に合わせて素直に空気を通してくれます。

また、キャビネット内部をそのまま開口から覗くこともできるので、何かと便利な穴でもあります。笑

ルーバー

開口にストライプ上に配置した羽を取り付け、穴を目立たなくしたのがルーバーです。

ルーバーの最大のメリットは、水槽台の景観を損ねることなく開口を隠すことができる点です。

窓のブラインドと同じで、隙間から空気を流します。

オシャレなルーバーですが、注意点が2点あります。

1点目は、通気性能が低下することです。

ルーバーは開口と比べ、通気性を約30%低下させます。

つまり、開口と同じだけ通気させようと思ったらルーバーも30%大きくしないといけないということです。

2点目は、大きさが限られているということです。

開口は穴を開けるだけなので好きな大きさで作れますが、ルーバーは規格が決まっています。

そのため、大きく寸法をとりたい場合は、複数のルーバーを並べる必要があります。

上記の写真の水槽台も、ルーバーを二つ取り付けることで吸気量をカバーしました!

扉の形状

扉の形状は、特にメンテナンス性に大きな影響を与えます。

様々な形がありますので、一つずつ確認して行きましょう!

蝶番

蝶番(ちょうつがい)で留められた扉です。コトブキ社のプロスタイルのシリーズをはじめ、市販品の水槽台はほとんどが蝶番です。

普通の扉のように手前に引くだけで開けられるので、扱いやすさはピカイチです。

ただ、水槽の前のスペースが狭いと、扉が空間を圧迫してしまいメンテナンスがしにくい場合があります。

設置場所をよく加味して採用しましょう。

ケンドン式

あまり聞きなれない方式かもしれません。

レールにはめ込む方式で、和室のふすまのように、扉を一度上に持ち上げ、レール(溝)に落としてはめ込みます。

少々取り外しに手間がかかりますが、その手間こそがメリットといえるでしょう。

つまり、簡単に脱落しないのです。

地震や子供のいたずらなどで取り外しがしにくいため、お子様のいらっしゃるご家庭や一通りの多い公共施設なんかに設置するとき、おススメです。

ボールキャッチ

扉と本体にそれぞれパーツを取り付け、合わさるときにかみ合って固定するのがボールキャッチ式です。

ケンドン式、後述するマグネット式と同じように完全に扉を取り外せるので、水槽のメンテナンス性は最高です。

押し込む/引っ張る動作だけで扉の付け外しができるので、扱いも非常に簡単です。

しかし、ぴったり金具同士を合わせてからではないと押し込んだ時に破損の原因にもなりますので、注意が必要です。

マグネット

磁石で扉と水槽台本体をくっつける方式です。

とにかくシンプル、そして取り扱いが簡単なので、どなたでも扱えるでしょう。

しかし注意点があります。

それは、簡単がゆえに外れやすいこと。

もちろんちょっと触った程度では外れませんが、子供の力でも簡単に外せてしまいます。

大きな地震にも注意が必要です。

有効内寸

さてさて、最後に紹介したいのは、水槽台の有効内寸についてです。

水槽台は、購入前に必ず有効内寸を確認するようにしましょう。

既製品はすでに有効内寸が決まっていますが、オーダーメイド品の場合、水槽台のデザイン・外見によって、有効内寸は大きく変わってきます。

そのため、デザインが決まったら、必ず有効内寸を確認してください。

水槽の仕様によりますが、水槽台の中には通常、濾過槽、ポンプ、クーラーなどの機材が入ります。

ポンプとクーラーは水槽スペックごとに大きさが決まっているので、濾過槽サイズで調整しないといけません。

濾過槽をどれくらいの大きさにできるか、機材をどう納めればよいか、それらを考えるのに有効内寸を知っておかなくてはなりません。

もちろん、アクアガーデンのオーダーメイド水槽はどんな仕様でも有効内寸をお答えできます。

機材の選定や濾過槽サイズの相談もお気軽にどうぞ!

水槽台設置時の注意点

これまでは、水槽台の設計の秘密に迫ってまいりました。

これからは、水槽台を設置するときに気をつけたいポイントについてお話してゆきます。

これを守らないと、最悪の場合水槽台が倒壊してしまうことも考えられるので、じっくり読んでご確認ください!

市販品でもオーダーメイド品でも、どんな水槽台でも設置時の注意点は同じです。

プロも気を付ける、水槽台設置時の注意点を解説します!

水平調整

水槽設置時、最も気を遣うポイントの一つが水槽台の水平調整です。

ここで手を抜くと、最悪水槽台が倒壊してしまうこともあるので、しっかり確認してください。

水槽台ちゃんと水平垂直に作られているのに、何故か設置したら水平にならない…。

そんな時は、床に問題があるかもしれません。

床が水平でない、もしくは平滑ではないと、当然ですが水槽台は傾きます。

そうなると水槽も一緒に傾き、水も傾きます。

つまり、重心が傾きます。

設置直後、直ちに問題が発生することは稀です。

しかし重心が傾いたまま長期間設置していると、一方に負荷がかかり、水槽台にゆがみが生じ、破損の原因になります。

そこで私たちは、水平器と厚さ1~3㎜の板を使い、完全に水平になるように調整します。

板を水槽台の下に差し込み、水平調整を行います。

板の厚さを変えてみたり、重ねてみたりしながら差し込んでいきます。

板はホームセンターで買えますので、ここは手を抜かず頑張りましょう!

床の材質

水槽台を置くとき、床の材質も重要なポイントです!

材質別に考えていきましょう。

敷物

例えばカーペットやタイルカーペットなど、敷物の上に設置することはなるべく控えたほうが良いでしょう。

このような敷物は、重量物を乗せると沈み込みます。

真下にまっすぐ沈み込んでくれれば影響も少ないですが、なかなかそうはいきません。

間違いなく傾くと考えてください。

このような場所に設置するときは、敷物を取り除き、硬くて平滑な床に置くようにしましょう。

大理石(タイル)

硬く、水平で、平滑だと理想の設置場所です。

水平調整の必要もないかもしれません。

しかし一点気を付けたいのが、水槽ではなく床のほうです。

水槽ような重量物を乗せると、大理石(タイル)が割れてしまうことがあります。

特にアングル架台を設置したときは破損率が高くなります。

小さい面積で重量を支えるアングル架台ではなく、広い面積で体重を支えるキャビネットタイプの方が向いていると言えます。

フローリング

一般家庭によくあるフローリングですが、これも比較的水槽台の設置場所には向いています。

しかし2点、注意点があります。

1点目は床暖房の有無です。

床暖房の上に置くと、異常過熱により床暖房自体や水槽台にダメージがあったり、水槽台の重量で床暖房の電熱線や温水管にダメージを与えてしまうことがあります。

なるべく避けましょう。

もう一点は、水濡れです。

水換えの際、少々こぼれたとしても、ふき取れば済む話です。

しかしフローリングには板と板の間に筋があります。

この筋を通り水槽台の下に水が入り込んでしまうと、そこから水槽台やフローリングの劣化を招いてしまいます。

水槽メンテナンス時は注意したいですね。

その他、様々な床材

そのほかにも、色々な床がありますよね。

例えば。デコボコ、柔らかく、水も強烈に吸収します。

水槽台を置くことは控えたほうが良いでしょう。

基本的には、硬くて平滑で水平なところが設置に適しているところです。

逆に、柔らかくデコボコで傾いているところには置かないようにしましょう。

予期せぬトラブルの原因となります!

電源、水道位置

電源の位置と、給水用水道の位置にも気を付けてください!

電源が遠くても水道が遠くても、別に水槽が置けないというわけではありません。

しかし、設置、メンテナンスの手間は、近くにある場合と比べて10倍20倍になることをお忘れなく。笑

延長コードをずーーっと伸ばせば景観が悪いだけではなく、漏電や断線などのリスクもその分高くなります。

なるべく近くにある場所に水槽を置きましょう。

日光

水槽にとって日光は避けたい障害であることはご存じのとおりですが、それは水槽台にとっても同じです。

水槽台に熱や紫外線が当たると、その部分からすごいスピードで劣化してゆきます。

塗装が剥がれる、木材がひび割れる、膨らむ、歪む、色落ちする、などなどなど。。。

鉄製架台でもそこからコーティングが剥がれてくることがありますので、水槽同様、なるべく直射日光は避けましょう!!

よくあるトラブル事例とその対策

最後に、よくあるトラブルについて、その対策と解決方法をご紹介いたします。

思わぬトラブルから少しの工夫で防げるトラブルまで、プロの経験から余すところなく紹介します!

扉がかみ合わない

特にボールキャッチの扉で稀に発生するトラブルです。

パーツ同士がかみ合わず、扉が閉められなくなります。

ズラしたり、片方ずつ入れたり、力入れて押し込んでみたり…しかし入らない。

商品が届いたときはしっかり閉まっていたのに、水槽を乗せたら入らなくなってしまった、ということがあります。

その意外な原因とは・・・?

扉がかみ合わない 原因

原因はずばり、水槽台のたわみです。

水槽は水を張ったり岩をレイアウトすると、大きさ次第で数百キロになります。

すると、木製水槽台の場合、荷重の問題はないとは言え、木材が僅かにたわみ(しなり)ます。

金属架台の場合は剛性が高いので、ほとんどたわみません。

そのたわみは僅かなものですが、ボールキャッチの金具同士がかみ合わなくなるには十分なたわみです。

さらに水槽台が大きくなればなるほど、そのたわみは大きくなります。

これがかみ合わなくなる原因です。

扉がかみ合わない 対策

対策はシンプル!

自分で付け替えてみましょう!

ボールキャッチは基本的にはネジで止まっているだけですので、ドライバーで外せます。

外して、元あった穴に干渉しないよう付け替えて見るとよいでしょう。

電動ドライバーがあるとさらに作業は楽になりますね。

化粧板がふやけた・蝶番が錆びた

長く使っているとだんだんと水槽台に劣化が見られるようになります。

中でも代表的なものは水槽台の化粧板がふやけてしまったり、蝶番をはじめとする金属パーツの錆です。

これらはある程度は仕方ない部分もあります。

しかし、対策することで長持ちさせることはできるでしょう。

化粧板がふやけた・蝶番が錆びた 原因

当然、原因は水槽の水です。

水換えの時こぼれたり、濾過槽から蒸発して付着したりした水分がこのような劣化の原因です。

化粧板がふやけた・蝶番が錆びた 対策

こぼれた水は即拭く!!とにかくこれを徹底してください。

海水の場合は真水でしぼった布巾を使って、塩を残さないようにしてください。

海水は金属を強烈に腐食させます。

また、濾過槽内はなるべく通気性を良くし、水替えなどのメンテナンス時は必ず換気し、内側を拭くようにしましょう。

これでかなり変わるはずです。

オーバーフロー穴位置が合わない

水槽台、買ったはいいものの、手持ちのオーバーフロー水槽に穴位置が合わない!

これも時々あります。

どうしようもないとあきらめる前に、まだできることがないか考えてみましょう。

オーバーフロー穴位置が合わない 原因

水槽台メーカーの制作ミスでなければ、残念ながら確認不足が原因です。

時々、水槽台メーカーのミスもあります。その時は、制作ミスを証明できるよう、穴位置の指示書など手元に保管しておくとよいですよ。

オーバーフロー穴位置が合わない 対策

市販の水槽台は穴位置が決まっているものが殆どです。

メーカーのHPなどをよく確認し、ミスのないようにしましょう。

オーダーメイド水槽を制作するとき、もし穴位置の指定に自信がなければ、OF管の位置と太さをお伝えください。

それだけ分かれば、私たちは水槽台の穴位置を決めることができます。

メーカー市販のOF水槽なら、メーカー名をお伝えください。

それだけでかなりの失敗を減らすことができると思います!

湿気・熱がこもる

これが原因で一番ダメージを受けるのはクーラーです。

この問題を放置し続けると、最悪、生体が全滅することもありえます。

クーラーには吸気口と排気口があり、空冷で本体を冷やします。

しかし水槽台内部が高温多湿だと、クーラーは冷えないばかりか内部に水(湿気)の侵入を許し、最悪故障してしまうことでしょう。

私たちが水槽台を設計するとき、最も気を付けているポイントの一つでもあります。

湿気・熱がこもる 原因

原因はシンプル、空気の流れがないからです。

たとえ吸排気用の開口があったとしても、空気の流れを考えなくては意味がありません。

開口はあるけど、壁に向かって排気するクーラー。これでは熱は逃げません。

しっかり排気は出来るけど、吸気がなければやはり熱は籠ります。

しかし、ここまで原因が分かれば対策は簡単です。

湿気・熱がこもる 対策

空気の流れを意識した設計にしましょう。

水槽台の排気口にクーラーの排気口から熱風が逃げるように配置し、吸気口は排気口と同じ大きさの穴でなるべく排気口から遠くなるように設計。

これだけで通気はかなり改善されます。

もし難しいようでしたら、我々プロにお任せください。

使用機材、水槽サイズを教えていただければ、ばっちり水槽台の設計をします!

水槽台を買おう!市販品から特注品まで、水槽台の買い方選び方 まとめ

いかがでしたでしょうか。

かなりアツく解説しました。

間違いなく、日本で一番詳しい水槽台の解説でしょう。

市販の水槽台は、さすが規格品、どんな人でも使いやすいようにできています。

一方、アクアリウムをインテリアとして捉えるのであれば、市販の水槽台では満足できない方もおられことでしょう。

アクアガーデンのオーダーメイド水槽台は、お客様のこだわりをとことん追求し、とことんお付き合いして制作されます。

世界に一つの夢の水槽台です。

私たちにお任せくだされば、必ずご満足いただける水槽台をお作りいたします。

どんな些細なことでも、お気軽にご相談ください!

※返信にお時間をいただいております。
弊社公式サイトのお悩み相談フォームですと早めに返信できますので、よろしければそちらもご利用ください。

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