流木に生えたコケはブラシでこすり落とすことができますが、それ以外にも以下のような方法で、苔を取ることができます。
- 熱湯で柔らかくしてエビなどに食べさせる
- 木酢液を使う
水槽内の生物への影響を極力抑えたいのであれば、ブラシで落とすかエビやオトシンクルスなどに食べてもらう方法がおすすめ。アクアリストの間で広まっている、木酢液を使った方法はpHが傾いてしまうので、使用時には注意が必要です。今回は流木に生えた苔の除去方法について、お話していきます。
コケの種類別!流木のコケ撃退法
テラリウムなどでも利用される流木ですが、アクアリウムでも水槽内のレイアウトや、隠れ場所用に利用する方は多いですよね。流木に生えやすい苔の種類って知っていますか?
流木に生えやすいのは「髭ゴケ」で、そのほかに「緑コケ」や「茶ゴケ」があります。
苔の種類や水槽のコケ対策について知りたいという方は、こちらの記事をご覧ください。
髭ゴケ
髭ゴケはとても頑固な苔で、アクアリストの中でもメンテナンスが大変と、苔の中でも嫌われ者。そんな頑固な髭ゴケが生えた場合は、金ブラシでこすりましょう!
頑固な髭ゴケも金ブラシだと比較的落としやすいです。流木が傷付くのが嫌で柔らかいブラシを使う方もいますが、髭ゴケは柔らかめのブラシだと、逆に落としにくいです。
流木のこすりすぎに注意!
流木の髭ゴケを落とすのに使用する金ブラシは硬いブラシです。力を入れ過ぎると髭ゴケだけでなく、流木の表面まで削ってしまいます。流木の表面を削りすぎると風合いが損なわれることが多いので、削りすぎには注意しましょう!
緑コケ・茶ゴケ
水槽内で発生しやすい茶ゴケや緑コケは、柔らかいため髭ゴケと違い柔らかいブラシで落とすことが可能です。わざわざブラシを新しく購入しなくても、歯ブラシでも落とすことができますよ。使用済みの歯ブラシでも落ちやすいです。
ただこちらも水中に長期間入っていて、柔らかくなっている流木の表面を削ることがあるので、必要以上に流木を傷つけないよう気を付けましょう。
流木のコケは熱湯で撃退できる!
水槽内のコケはこすり落とすか、水槽内の生物に食べてもらうという処理方法がありますが、流木に生えた苔も、生き物に食べてもらうことができますよ。エビなどのコケを食べる生き物を入れるのはもちろんですが、流木のコケを食べてもらいやすくするためには、ちょっとした工夫をする必要があります。
熱湯で柔らかくして、お掃除生体に食べてもらう!
エビなど苔を食べる生き物は何種類かいますが、苔が硬すぎると食べてくれなくなることもあるんです。そのため流木に生えた苔を生き物に処理してもらいたいのであれば、固いコケを柔らかくする必要があります。
苔を柔らかくする方法はとても簡単で、沸騰したお湯に、苔の生えた流木を漬けるだけです。熱湯を使うので、火傷しないよう気を付けてくださいね。熱湯につけておく時間ですが、短時間だと苔が硬いままのことが多いので、お湯が冷めるまで入れておきましょう。
熱湯は耐熱性の容器で扱おう
一般のガラス容器だと耐熱性がないため、熱湯を入れると急激な温度変化で割れてしまいます。またポリエステルやプラスチックの容器も、高温に耐えることができず変形したり割れてしまいますよね。
そのため流木を熱湯に漬ける場合は、耐熱性の容器を使いましょう。
値段が高いものである必要はないので、100均で販売されている耐熱容器やステンレスボールでもOK!ただ100円でステンレスボールを扱っている所は少ないかもしれません。(200円以上の場合が多いです。)
また流木が入るサイズで専用の煮沸鍋を用意できるのであれば、鍋に入れて煮込んでもOKですよ!
おすすめのお掃除生体
アクアリウムでは苔を食べる生き物がいますが、その中でもおすすめなのは「ヤマトヌマエビ」と「オトシンクルス」です。
ヤマトヌマエビ
ヤマトヌマエビは、実は日本で野性のものがいるのを知っていますか?
島根県以西、そして千葉県以西にある渓流域でその姿を見ることができ、淡水では大型なヌマエビです。完全に水中の生物と思われがちですが、湿気のあるところなら陸上でも歩いて移動することがあるんです!
苔取りだけでなく、苔発生の原因になる餌の食べ残しも食べてくれるので、苔予防にもなりますよ。食べてくれる苔の種類は、髭ゴケやアオミドロなどが中心ですが、比較的処理できる苔の種類は多いようです。
ただ脱皮のときは殻が柔らかくなるので、隠れ場所がないと魚に食べられてしまいやすく、中型~大型の魚も口に入るとそのまま食べてしまう点は注意が必要でしょう。飼育環境がよければ、10年近く生きることもあります。
オトシンクルス
苔を食べてくれる魚として有名なオトシンですが、エビのように餌の食べ残しを食べることはありません。吸盤状になった口で、ガラスや流木にくっついて苔を食べてくれます。
しかしどんな苔でも食べてくれるというわけではなく、「茶ゴケ」を食べます。オトシンはエビだとあまり食べてくれない硬めの茶ゴケも食べてくれるんですよ。性格は温和で、複数水槽に入れても喧嘩することがなく混泳向きの魚です。
ただ水槽内のコケが少ないと餓死してしまいやすいので、プレコフードなどの沈下性の餌を砕いて与える必要があります。購入後は苔不足で餓死しないように、人工餌に慣れさせておく必要があります。
木酢液でも撃退可能だけど要注意!
よく園芸で病気対策などに効果があるといわれている「木酢液」ですが、アクアリウムでもコケを落とせると評判が高いです。木酢液は強酸性の液体で原液はとても強力なため、基本は薄めて使います。しかし髭ゴケのように、流木についている苔が頑固な場合は原液をスプレーすることも。
流木に木酢液を使用して、しっかりと洗い流して乾かしたつもりでも、流木の中にしみこんでいる場合は、水槽内に戻した時に水質が酸性に傾いてしまうことがあります。そのため水質に敏感な生き物を飼育している場合は、木酢液の使用を控えたほうがよいでしょう。
木酢液の使用方法については、こちらの記事で詳しく解説していますよ!
まとめ:流木のコケ撃退は、こすり過ぎに気を付けよう!
流木につく苔はブラシを使って落としたり、生き物に食べてもらうなどいくつか方法があります。アクアリストの中で効果が高いと話題になっている木酢液は、とても強力で水質が変わることがあり、自己責任で使用することになります。水質に敏感な生き物を飼育している場合は、ブラシでこすり落とすか、苔を食べてくれる生き物で対処するようにしましょう。
また普段から苔が発生しない環境を作ることも重要なポイントです。大量のコケが発生した場合には苔の除去作業はもちろんですが、水質やごみ取りなど飼育環境を見直して、苔が発生しにくい環境を作りましょう!
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