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熱帯魚屋へ行くのはちょっとまった!新魚の受け入れ準備はしていますか?

熱帯魚ショップなどから新しい観賞魚を購入する際は、受け入れる準備ができているか、または速やかに受け入れ準備が整えられるかどうか、よく考えてから購入しましょう。さもないと、せっかくの新魚を死なせてしまう危険があります。

水槽導入前の水合わせはもちろんですが、病気の持ち込みを防ぐために「トリートメント」は行っておきたいものです。それらを可能にする機材はあるか、また新魚と先住魚の相性なども考慮する必要があります。

ここでは、新魚を受け入れる時の準備や注意点などについて解説していきます。

新魚受け入れ準備の大切さ

熱帯魚ショップなど観賞魚を取り扱っている店舗に足を運ぶと、ついつい新しい個体をお迎えしたくなるものです。しかし、購入後に新魚の受け入れ態勢が整えられない場合、死なせてしまう危険があるので、新規購入はよく検討してからにしましょう。

新魚をいきなり今現在運用している水槽に入れてしまうと、調子を崩してしまったり病気を持ち込む可能性があります

そのため、水合わせは言うまでもありませんが、万全を期すためにしばらく別の容器で様子を見つつ、コンディションを整える「トリートメント」を経てから、水槽に導入することが推奨されています。

そして、現在飼育している魚種と新魚の混泳相性が悪かった場合は、新規に水槽を立ち上げなければなりません。フィルターなどの機材一式を用意・運用できるかも考える必要があります。

新しく水槽を立ち上げる場合は、水槽一式のセッティングが済んだ後に1週間ほど水を入れて空回しを行い、ある程度バクテリア(硝化菌)が増殖してから新魚を迎えると良いでしょう。

新魚をすでに立ち上がっている水槽に導入する場合も、全く新規に水槽を立ち上げる場合も、それなりの準備が必要なので、衝動買いをして失敗してしまわないよう注意してください。

新しく魚を購入する場合の注意点と準備について

ショップの飼育環境と自宅の環境の差に気を付けよう

魚は明るさや振動、騒音など水質以外の要素にも敏感に反応し、当然ながらショップで置かれていた状況と乖離すればするほど、ストレスを感じて弱りやすくなってしまいます。

明るさに関してはカーテンなどで対策できますが、振動や騒音などは個人の努力で対処するには困難な場合も考えられます。近所で工事が行われていて振動や騒音が大きい時などは、新魚購入の見送りもご検討ください。

水槽にあった魚の匹数であるかを考えよう

観賞魚の飼育においては、水槽の大きさ(水量)に対して適切な個体数がある程度決まっています。水量に対して個体数が多い過密な状態になると、飼育環境の維持管理が難しくなるので注意してください。

ショップやアクアリストによっては、あえて過密状態にすることで、より多くの観賞魚をキープしたり飼育しています。

しかし、この方法は水の汚れ具合など水質の状態を適切に判断し、水換えなどのメンテナンスに十分な時間と労力を費やすことができる、プロや上級者向けのテクニックです。安易に真似ても悲惨な状況を招くことになるので、個体数には気を付けてください。

水温やpHに適応させるため、水合わせの準備をしよう

先に少し触れましたが、新魚を水槽に導入する前には水合わせが必要です。水合わせとはご自身の飼育環境における水温や水質に、購入してきた新魚を適応させるための工程です。

これを怠ると、新魚にとっては環境が激変することになり、最悪の場合は死亡してしまいます。購入してきたお気に入りの観賞魚を、水槽導入直後に死なせてしまわないよう、水合わせはしっかりと行ってください。

既存の水槽に追加する場合の注意点

病気を持っていないか確認!

既存の水槽に新魚を導入する際、最も注意が必要と言っても過言でないのが病気の持ち込みです。新魚が病気にかかっていないかどうか、購入時によく確認しておきましょう。

病魚の特徴としては、群れから離れて泳いでいる、底の方でじっとしている、魚体に付着物があるなどが挙げられます。

ショップなどで購入する場合は、これらの症状が見られた魚は避け、通販利用時など、ご自身で選べない時は導入から数日間は新魚の挙動をよく観察し、いつでも隔離・治療ができる準備を整えておきましょう。

また、詳しくは後述する「トリートメント」を行ってから導入すると、より安全です。

相性の良い魚かを考えよう

混泳相性が悪い魚種を同一水槽内に入れてしまうと、激しい喧嘩に発展する恐れがあります。新魚を既存の水槽に追加したい時は、必ず先住している魚種との相性を考えてください。

特に、遊泳域が重なる魚種同士は喧嘩をしやすいので、遊泳域が異なる魚種をタンクメイトとすることが混泳の基本です。

体長が違い過ぎないか

一般的に混泳相性が良いと言われている魚種同士も、体長に差があり過ぎると小さい方が一方的に攻撃されることがあります。最悪の場合は捕食されることもあるので、混泳させる魚はなるべく同じサイズで揃えることが基本です。魚の共食いは珍しいことではないので、サイズ差に注意してください。

金魚の追加は更に注意!

追加導入時はかならずトリートメントをしよう!

金魚は基本的には丈夫な魚種なのですが、他の観賞魚と同様に環境が急変するとストレスによって病気にかかりやすくなるため、追加する時は慎重に行う必要があります。金魚の追加は最も難しいと言うアクアリストもいるほどなので、追加時は必ず「トリートメント」を行いましょう。

トリートメントとは、新魚をメインの水槽とは別の容器でしばらくの間飼育することで、病気を持っていないかを確かめるとともに、輸送や環境の変化で受けたストレスを解消し、調子を整えてあげる工程を指します。また、トリートメントには新魚を取り巻く細菌叢を入れ替える意味もあります。

水中や魚体にも常在している細菌類が存在し、それらの中には病原性を示すものもいます。そして、水中常在菌の存在割合などのバランスは環境によって異なるため、育った環境が違えば魚のそれらに対する耐性も異なってきます

そのため、新しい金魚をいきなりメインの水槽に入れてしまうと病気になる恐れがあるうえに、先住金魚についても、新しい金魚が持ち込んだ細菌類への耐性が低かった場合は、病気にかかる危険があるのです。

したがって、トリートメントをすることで、新しい金魚にメイン水槽の細菌類に対する耐性を獲得させるとともに、取り巻く細菌叢を置き換えることが重要なのです。

金魚のトリートメントは3日~1週間程度の期間で行われることが多く、病気を保有していた場合は3日ほど経過すれば症状が出てくるので、必要に応じて治療を行います。

トリートメント時には、念を押して「グリーンFゴールド顆粒」などの魚病薬を用いるアクアリストもいますが、薬剤は使用せずに様子を見たり塩水浴程度に留める方もいます。

水槽に入れる前に状態を良くしよう!

輸送時にできたスレがあるなど、金魚に明らかな問題がある時は、水槽導入前にきちんと治療を行ってあげてください。外傷がある時に環境の変化よるストレスが重なると、水カビ病などが発症しやすくなってしまいます。

金魚が回復したかどうかの目安としては、傷の治癒の他に餌をきちんと食べてしっかりとしたフンをするか否かが挙げられます。また、金魚はストレスによる消化不良を起こしやすい魚種なので、新しい水槽に導入してから2,3日は給餌を控えてください

まとめ:新魚の受け入れは準備万全で行おう

新しく観賞魚を迎える時は、必ず万全の準備を整えてから迎え入れましょう。新魚は病気を持っている可能性があり、輸送や環境の変化によるストレスで弱っていることも考えられます。

そのため、いきなりメインの水槽に導入することはせずに、トリートメントで様子を見つつ体力を回復させてあげると安全です。

せっかく新しい観賞魚を迎え入れたのにメイン水槽に病気が拡散しては、非常に残念な思いをしてしまいます。今現在飼育している個体のためにも、新魚の受け入れはしっかりと準備を整えてから行うことが重要です。