熱帯魚水槽の底床を砂にするかソイルにするか、または砂利にするか悩む人は多いとおもいますが、粒の大きさについて悩むことは少ないかもしれません。
しかし、粒の大きさは水槽の未来を左右する上でとても大切な要素です。
なぜなら、粒の大きさが異なるだけで水槽管理が楽になる、または難しくなったりするため、希望する水槽のコンセプトに合わせて選定しなければならないのです。
例を出せば、キューバパールグラスなどの根が浅い水草を植栽する際に、ソイルの粒が大きいと植栽する作業が非常に難しくなり植栽時間が長くなってしまいます。
では、そのように底床の粒サイズを選定すれば良いか分からない人も多くいることでしょう。
ここでは、水槽のコンセプト毎に底床の粒の大きさを決めるポイントについて解説していきます。
底床の粒の選び方とは
ソイルや大磯砂などの代表的な底床では、粒の大きさが極細と呼ばれる細かいパウダー状サイズから、ノーマルサイズと呼ばれるオールマイティーなサイズ、そしてはっきり粒が分かる大きい底床サイズまで、いくつかのサイズによってラインナップされています。
ここでは、底床の粒サイズ毎の特徴を解説していきます。
底床粒サイズ: 小
底床のサイズが一番細かいものは、スーパーパウダーやパウダー、または極細などと呼ばれます。
底床の粒サイズが細かいと3つ大きなメリットがあります。
水草が植栽しやすい
底床の粒サイズが細かいものを使用すると、水草を植えた際にしっかり引っ掛かってくれることで、水草が抜けにくくなります。
水草が抜けにくくなるということは、水草の植栽時間と手間を減らすことができるのです。
とくに、根が短いキューバパールグラスやグロッソスティグマなどの前景草などは、底床の粒が荒いとすぐに浮いてしまうため、細かい粒がおすすめです。
見た目が美しい
底床の粒が細かいと、水槽内が美しく見えます。
底床の粒が大きいと荒々しいイメージとなりますが、細かいスーパーパウダーやパウダーを使うと、繊細で上品なイメージに仕上がるのでおすすめです。
コリドラスに最適
コリドラスなどの底床を這う魚にとって、底床の粒が細かい砂は最適です。
底床の粒が粗くても飼育できないことはありませんが、体に傷が付く可能性があるため注意が必要です。
コリドラスを飼育する場合で底床をこれから選ぶ場合は、目の細かい砂を選ぶようにしましょう。
このように大きく3つのメリットがありますが、デメリットもあります。
劣化が早い
細かいソイルを使うと、すぐに粒が潰れてしまい泥になりやすいといったデメリットがあります。
つまり、寿命が短いということになりますので、頻繁に交換か追ソイルをする必要があります。
そのため、もしスーパーパウダーなどの細かいソイルを使う場合は、前景草を植栽する部分だけに使用するか、基本的にはノーマルタイプの粒を使用し、最後に上からスーパーパウダーを振りかけて綺麗に仕上げることをおすすめします。
すべてをスーパーパウダーにしてしまうと、すぐに粒が泥と化し交換しなければならないリスクがありますので、よく理解して底床を選ぶようにしましょう。
硫化水素の危険
底床の粒が細かく5センチ以上と厚く敷いていると、底床の奥まで酸素が届かず嫌気層ができます。
この嫌気層がうまくいかないと、硫化水素を水槽内に撒き散らすことがあり大変危険です。
もし、細かい底床の砂や砂利を使用する場合は、定期的に底床クリーナーで綺麗に掃除するか、薄く敷く、または、一切いじらないということを徹底して水槽管理をするようにしましょう。
底床粒サイズ: 中
一般的な底床の基本サイズは、ノーマルと呼ばれるサイズの底床になります。
大磯砂なら、中目サイズです。
ノーマルサイズを選べば、広い範囲での水槽仕様に合わせることができます。
底床にノーマル粒のソイルを使用し前景草を植栽する場合は、慣れれば植栽することもできますが、プロで無い限りは何度も植え直しをすることで時間がかかって非効率です。
根が短い前景草などを植栽する部分は、スーパーパウダーまたは、パウダーを使用することをおすすめします。
砂や砂利の場合は、底床クリーナーを定期的にかけて綺麗に底床を管理することになるとおもいますが、粒がはっきりしているため底床クリーナをかけやすいことが特長です。
底床クリーナを使い細かい底床のメンテナンスをしていると、排水と一緒に底床を流してしまうことがあります。
しかし、ノーマルサイズ程度の大きさがあれば、排水時はしっかりクリーナーの動きに従い底床んクリーナーをかけることができるため、排水作業はしやすいでしょう。
以上の見解から、底床の粒選定に迷っている方には、ノーマルサイズの底床を選ぶことをおすすめします。
底床粒サイズ: 大
底床の粒サイズで一番大きいものは、五色砂利などの金魚や鯉を飼育するのに適した底床となります。
底床に蓄積したゴミも吸い出しやすく、メンテナンス管理は簡単です。
ただし、底床の粒が大きいことで、底床に付着した藻が目立ってしまうのは難点です。
藻が付着してしまったらスポンジでこする、または取り出して洗いましょう。
その作業が億劫な場合は、底床の粒サイズをノーマルタイプに変更すると良いでしょう。
また、底床の粒が粗いと水草を植栽しても根がうまく張れず枯れてしまうため注意しましょう。
どうしても水草を入れたい場合は、アヌビアスナナやミクロソリウムなどの活着系の植物を使いレイアウトしていくことをおすすめします。
まとめ: 熱帯魚水槽の底床におすすめの粒サイズは? 水槽のコンセプト毎にサイズを分けよう!
底床の粒サイズについて解説しました。
底床の粒を選ぶポイントはお分かりいただけましたでしょうか。
記事内でも書きましたが、わたしがおすすめなどはノーマルサイズです。
そこにアレンジして、前景草を植栽する部分や化粧砂代わりとして、スーパーパウダーかパウダーを敷くことで、最も管理と、景観と両方の観点から見てもおすすめです。
底床の色合いや質に目が行きがちですが、必ず粒の大きさも底床を選ぶ基準に含めるようにしましょう。
それでは素敵なアクアリウムライフをお過ごしください!
熱帯魚業界歴もうすぐ20年!
海水やアクアテラリウムなど、さまざまな水槽を担当してるアクアリストです。
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