ヘアーグラスなどの葉の細い水草は、育成スピードが速くCO2の添加なしでも育てやすいものが多いという特徴があります。種類によってさまざまな草丈があり、短いものは前景、やや長め~大型のものは中景や後景と使い分けることで、メリハリのある水槽レイアウトを作ることも可能です。
陰性植物タイプのものは光量が少なくてすむので、アクアリウム初心者でも育てやすく、水槽レイアウトで使用されることも多いです。
今回は葉が細く育てやすいだけでなく美しさもある水草を10種類ご紹介していきます。
細い水草とは
「葉が細い水草」とは、ヘアーグラスのような葉が細くスマートな水草のことで、水槽レイアウトで葉が細長い水草を使用すると水槽全体のレイアウトが引き締まり、葉の数が多くてボリュームがあるので安定感を出すことが可能です。ボリュームがあるので魚たちの隠れ場所づくりにもおすすめですよ。
おすすめの細い水草10種
ここからは葉姿が美しい、葉が細くスレンダーな水草を10種類ご紹介していきます。
CO2の添加をせずとも育てることのできるものや、少ない光量で育つ陰性植物タイプの水草なら、アクアリウム初心者でも容易に育てやすいですよ!
バリスネリアスピラリス
「バリスネリア スピラリス」は葉がテープ状で葉幅が1.5cmほどで、昔からアクアリムでよく使われている水草です。アクアリウム初心者でも育てるのが簡単な部類で、少ない光量でCO2も不要で育ちます。草丈が80cm以上と大きいので大型水槽や縦長の水槽向き。水槽レイアウトでは後景に使用されることがほとんどです。
スクリューバリスネリア
「スクリューバリスネリア」は名前のとおり葉がねじれているのが特徴で、和名では「ネジレモ」といわれています。外国産と思っている方がいるかもしれませんが、実は日本産の水草なんですよ。
ランナーで増えるタイプの水草なので、こまめにメンテナンスをしないとあちこちから新芽が出てきてしまい、水槽レイアウトがめちゃめちゃになることもあります。
単純に育てるだけならCO2不要、光量もそれほど必要ではありませんが、スクリューバリスネリアの最大の特徴である「葉のねじれ」をしっかりと出すためにはCO2の添加が必要。大型の水草なので、水槽内では後景に使うだけでなく配管などを隠すのに使うのにもおすすめ。
ミクロソリウム・ナローリーフ
ミクロソリウムにはいくつかの種類がありますが、その中でも「ミクロソリウム・ナローリーフ」は葉が細く草丈は5~15cmほど。陰性植物なのですが光量が少ないと草丈が短くなるという特徴があり、水槽レイアウトでは石や流木に活着させたり、砂利に埋めるといった方法で使います。
水槽内に設置するときは前景と後景をつなぐ中景に使われることもあり、成長しきったものはその大きさがあることから後景に使用されることの多い水草です。
ミクロソリウムの育て方や種類などについては、こちらのページが参考になりますよ。
タイガーバリスネリア
「タイガーバリスネリア」は、細い葉に班の入るという特徴があり、草丈は1m以上になるので大型水槽や高さのある水槽向き。葉幅は大きくても1.5cmほどで、成長が早いうえに増殖力もかなり強く、根張りもしっかりしています。増やしたくないのであればこまめにランナーを取り除きましょう。
エキノドルス テネルス
「エキノドルス テネルス」はCO2添加があったほうが育ちがよくなる水草で、エキノドルスという品種の中では草丈が短い部類に入ります。成長しきっても草丈は6cmほどで、葉幅が3mmと細く葉先が丸みを帯びているという特徴があり、小型水槽も使いやすくコンパクトなサイズなので前景向き。
小さいながらも成長速度が速く、ランナーもよく伸びるので定期的なトリミングが必要です。
エレオカリス・ビビパラ
ヘアーグラスの仲間の「エレオカリス・ビビパラ」。成長が非常に早い水草でランナーだけでなく葉の先端からも子株がでてくるので、ほかの種類よりもトリミングの頻度は高くなります。
それほど強い光を必要とせずCO2添加なしでも育ちますが、大きく育つ水草なので最低でも60cm以上の水槽やハイタイプの水槽レイアウトに使いたい水草です。
ツーテンプル
「ツーテンプル」は葉が柔らかく、テープ状で対生して生えてくるという特徴のあるハイグロフィラの仲間の水草。草丈は60cmほどと大型になるため、大型水槽やハイタイプの水槽がおすすめ。CO2不要、光量もそれほど必要としないので飼育難易度は低めです。
ヘアーグラス
髪の毛のように細長い「ヘアーグラス」はアクアリウム初心者向きの水草で、牧草地のように水槽の底一面にあふれさせれば、緑豊かな自然な風景を作ることも可能です。CO2なしでも育ちますが、与えてあげたほうが発色がよくなり丈夫に育ちます。
ヘアーグラスの中でも草丈が特に低い種類のものを、「ショートヘアーグラス」、「ミニヘアーグラス」と呼ぶことが多いです。草丈が低い水草なので水槽では前景向き、底砂はロゼット型なのでソイルはパウダー状がおすすめ。
ヘアーグラスの育て方などについては、こちらの記事をチェック!
ブリクサショートリーフ
「ブサクサショートリーフ」は1株でもボリュームがあるので、水槽レイアウトのワンポイントに使いやすい水草。成長すると草丈は10~15cmになり、その形状からロゼット型と思う方がいるかもしれませんが有茎草です。
水槽レイアウトでは前景や中景に使用することが多く、CO2を与えることで状態がよくなり葉脈が赤っぽくなってきます。植えたばかりのころは根がしっかりと張っていないため成長が遅く、根張りがしっかりとしてくると成長スピードが速いです。
エイクホルニア・ディバーシフォリア
「エイクホルニア・ディバーシフォリア」は自然界では水路や池などに生えている水草で、浮葉植物の一種。エイクホルニアという品種の中では小型で、浮葉の状態だと4~6cmほどの丸い葉柄の付いている葉が、交互に生えて水面に浮かんでいます。
CO2なし・光量もそれほど必要ない水草で、水槽レイアウトでは中景~後景に使用されます。
細い水草の特徴やメリット
葉が細長い水草には、いろいろな種類がありますが、メリットや特徴はほぼ同じです。葉姿の美しい細い水草のメリットなどをしっかりと理解して、素敵な水槽レアイアウトを作りましょう!
育つのが早い!
葉が細い水草は丈夫なものが多く育てやすいのですが、その分増殖力が強いものが多いので気が付いたらあちこちから新芽が出ていたなんてこともあります。きれいな水槽レイアウトや美しい葉姿を維持するためには、定期的にこまめなトリミングを行いましょう。
水草のトリミング方法については、こちらの記事が参考になりますよ。
Co2無添加で育てられるものが多い
葉が細い種類にはCO2を添加せずに育てることが可能な品種が多いです。しかしエキノドルステネルスやエイクホルニアディバーシフォリアといった品種のように、CO2の添加をしてあげないと色が変わってしまったり、光合成不足などから枯れてしまうものもあります。
CO2添加なしでOKといわれているミクロソリウム・ナローリーフやツーテンプル、ヘアーグラスなどは、CO2を添加してあげたほうが発色がよくなり育つスピードもやや速くなります。基本的にCO2無しでもOKとされている種類でも、なるべくなら少量でもCO2添加をしてあげたほうが、丈夫できれいに育ちやすいです。
まとめ:細い水草特集!育てやすく美しいスレンダーな水草を10種紹介します!
今回は葉が細くスレンダーな姿が美しい水草を10種類ご紹介しました。CO2の添加なし・高光量を必要としない種類が多いですが、なかにはCO2を多く必要とする品種があり、不足してしまうと色が変わったり枯れてしまうことがあるので、育てる水草の特徴をしっかりと把握して水槽に導入しましょう。
ボリュームのある水槽を作りたいのであれば、水槽レイアウトの中景・後景に使用することをおすすめします。草丈が高いものは水槽内の配管などを隠したり、隠れ場所にもピッタリなので、葉が細くボリュームのある水草を育ててみませんか?
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