日本でもアクアリウムを楽しむ人は多いですが、全世界でアクアリウムを保有する人の数は約6,000万人もいるとされ、国で見ても中国やアメリカをはじめ、ドイツやオランダなど多彩です。世界的に見てもネオンテトラやソードテイルは観賞魚として人気が高いですが、同じ種類でも日本ではあまり見ないような珍しいものもあります。
この記事では海外のアクアリウムに目を向け、人気がある観賞魚10種をご紹介するほか、各国の傾向や、人気種から見えてくる次のトレンドなどをお話ししていきます。
海外で人気がある観賞魚 10選
日本で人気の高い観賞魚というとメダカやネオンテトラのような小型の魚や、ミナミヌマエビなどが挙げられますが、海外だとこの傾向に違いが出てくるんです。
まずは海外でどんな観賞魚が人気なのかを見ていきましょう。
ネオンテトラ
ネオンテトラはアマゾン川の流域に分布する小型の熱帯魚で、メタリックブルーなどに輝く鮮やかな色彩が海外でも人気です。見た目がきれいというのはもちろんですが、ドイツやオランダなどヨーロッパの諸国ではビオトープの注目度が高かったり、多種多様な水草を用いた「ダッチアクアリウム」という美しい水草水槽の人気が高い傾向があります。
そのため、これらに合わせやすいネオンテトラの人気が高いのも自然といえるでしょう。
ネオンテトラの飼育をしてみたい人はこちらの記事も確認してみて。
ソードテール
メキシコに生息するカダヤシ科の熱帯魚であるソードテールは日本ではそこまで人気が高くはないですが、海外では広く親しまれる魚で、さまざまな色をした品種がいる中で原種とされるグリーンソードテールが特に愛好家に人気を誇ります。
卵胎生の生き物ですが、性転換を行う魚としても有名ですよ。
ベタ
ベタは日本のアクアリウムでもポピュラーなもののひとつで、コップで飼えるといった手軽さも魅力のひとつ。もちろん海外でも人気で、体色や体型などのバリエーションも豊富ですが、特に尾びれなどに格子状の模様が入り、青や緑色が鮮やかな「エイリアン」と呼ばれる種類のものが人気です。
日本では流通量が少なく、あまり見かけることは多くないものの、ときよりショップに入荷することもあります。
ベタについてはこちらで詳しく解説しているので気になる場合は要チェック!
プラティ
昔から観賞魚としても知られ、初心者でも飼いやすく、カラーバリエーションも豊富なプラティは海外でも人気が高く、アクアリウム大国とも呼ばれる中国やアメリカではさまざまなタイプのものが専門の市場などで売られているのも特徴です。
プラティの飼育や繁殖など、あれこれをまとめた記事はコチラ!
クーリーローチ
東南アジア原産で日本では「キモカワ系」とも呼ばれることがあるクーリーローチ。その個性的な見た目が徐々に評価され、認知度も上がってきていることで海外でも愛好者が増加傾向にあるんです。
水槽の底がエリアなので、お掃除屋として導入されることも多く、初心者でも飼育しやすいメリットなどが魅力。
クーリーローチの飼育ポイントなどはこちらで紹介しています。
チェリーバルブ
コイの仲間で美しい赤色が特徴のチェリーバルブは、ネオンテトラと同じように水草水槽に相性がいい魚とされており、色もよく映えるのでネイチャーアクアリウムなどで人気が高いです。とはいえ水草を食べることも多いので、チェリーバルブを水草水槽に入れる場合は水草を食べられすぎないように注意しましょう。
チェリーバルブも含まれるバルブという魚が気になる人はこちらをチェック!
モーリー
ポップな色合いに加えて目が特徴で気でかわいらしいモーリーは、飼育難易度も低いので初心者でもおすすめできる熱帯魚です。海外でも他の生き物とは違う独特の見た目が愛好者の間で注目を集め、どんどん市場規模も拡大しています。
プレコ
かわいいと思う人もいれば気持ち悪いという人もいるように、独特の見た目は評価が分かれることの多いプレコ。コケ取りもしてくれる頼もしい熱帯魚で、長生きということもあり徐々にプレコの魅力に取りつかれたアクアリストが世界的に増えつつあります。
プレコがどんな魚かもっと知りたい人はこちらの記事も確認してみましょう。
メダカ
日本では人気No.1ともされるメダカは海外でも日本国内ほどではないにせよ、高い人気を誇るんです。ビオトープやネイチャーアクアリウムとの相性もよく、種類も豊富で、品質改良されたものやワイルド種など市場やペットショップで買うことができるようになっています。
メダカ飼育が気になる人はこちらもぜひ確認してみてください。
金魚
古くから日本や中国で親しまれてきた金魚は、飼育もしやすいことに加え、和金やランチュウ、出目金など種類も豊富なことから海外のアクアリストの間でも人気が高いんです。また水草を一緒に入れてあげることで隠れ家にもなりますし、色も映えるので一石二鳥ともいえます。
金魚の飼育方法を知りたい人はこちらをチェック!
人気種から見える次のアクアリウムトレンド
日本では比較的個人の趣味といった感覚が強いアクアリウムですが、世界ではその国の状況や関心事項でアクアリウムのレイアウトが左右されることも少なくないんです。
例えばアメリカではアクアリウムを題材にしたリアリティ番組が作られたり、動画やSNSで様子がアップされるなど娯楽性が高い傾向が見られますし、環境問題の関心が世界的に見ても高いドイツではビオトープの注目度が高い、などがあります。
環境問題への関心の高まりがアクアリウムにも強く影響しているのか、「世界水草レイアウトコンテスト」などの品評会をはじめ、多くのアクアリストの間でここ数年前から水草と熱帯魚で生態系を作り出すネイチャーアクアリウムの流れが続いており、これに関係するトレンドはこれからさらに加速すると推測されているんです。
テーマは自然
ネイチャーアクアリウムの流行により、自然の生態系のようなレイアウトを作るビオトープや、流木などを使わず水草だけでレイアウトを作りながらも水槽内で循環連鎖を生み出せる特徴があるダッチアクアリウム、水草のレイアウトに加え、観賞魚の棲みやすさにも配慮した水槽を作り上げるアクアスケープなど自然をテーマにしたレイアウトの人気が高くなっています。
芸術的・鑑賞的価値が高まっている
上でご紹介したようなレイアウトはいずれも自然の調和を大事にしつつ、水槽内でアートを作り上げるような部分があります。これらの芸術性や鑑賞的価値といったものはアクアリウム人口が今もなお増え続けていることや、ペットビジネスの拡大による競争激化により求められる部分も大きいんです。
もちろんこれ以外にアクアリウムがインテリアの一部として採り入れられる点も大きく、こういった用途に使いやすいサイズやレイアウトも好まれるようになっています。
まとめ:海外で人気の観賞魚10種!人気種から次のアクアリウムトレンドを考える!
アクアリウムは世界的にもどんどん人口が広がり、観賞魚の人気も日本とはまた違った傾向があるのが特徴です。またアクアリウムは以前のような観賞魚や水草を飼育するだけ、といった楽しみ方から水槽内でひとつの世界を作り芸術性などを高めるようなものへと進化しつつあります。
ビオトープやダッチアクアリウムといった環境問題に答えるかのようなレイアウトは見た目にも美しいですし、インテリアの一部として利用することも可能なんです。
水槽のレイアウトで悩んだら今回の記事を参考に、世界的なトレンドを試してみてはいかがですか?
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