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アクアリウムの硬度を測ろう!熱帯魚やエビなどに与える影響と上げ下げ方法

アクアリウムで水質と聞いてpHを思い浮かべる人は少なくありません。たしかに、pHも水質を左右する重要な要素ですが、水質を語る上でもう一つ大切なことがあります。それは硬度(GH)です。

硬度は魚やエビの健康状態に影響するだけでなく、水草の生育具合にも関わってきます。「魚の元気がない」「水草が上手く育たない」といった問題は硬度が原因かもしれません。

そこで、硬度が熱帯魚やエビに与える影響を解説した上で、適した硬度に調整する方法をご紹介します。

硬度が生体に与える影響

硬度は水中に溶け込んでいるカルシウムやマグネシウムなどの量を表し、硬度が高い水を硬水、低い水を軟水と呼んで区別します。ミネラルウォーターを購入する際に硬水や軟水といった表記を目にしたことがある人も多いのではないでしょうか?

「カルシウムやマグネシウムが熱帯魚に関係あるの?」と、思われるかもしれませんが、硬度は生体の健康や成長に影響するため、あまり軽視できません。

多くの熱帯魚は軟水を好む

多くの熱帯魚(アマゾンに住んでいるような魚種)は軟水を好みます。そのため、硬度が高すぎると体調を崩したり上手く育たなかったりなど、生体に良くない影響を与えてしまうこともあります。

軟水を好む魚として、テトラ類やベタ、グラミーなどが有名です。一方でシクリッド類や川魚は硬水を好みます。適した硬度は生体によって異なるため、それぞれに合った水質に調整してあげましょう。

硬度が高いと水草には悪影響?!

硬度が高いと水草に悪影響をおよぼす場合があります。ソイルで育つような水草は軟水を好むので、硬度が高いとあまり良くありません。上手く成長しないだけでなく、最悪の場合は枯れてしまうケースもあります。また、硬度が高すぎるとコケが発生する原因にもなります。

軟水を好む水草ではリシアやロタラなどが一般的です。対して、パールグラス類は硬水を好むので、熱帯魚と同様、水草に合った硬度に調整することが大切です。

エビは硬度が低すぎると脱皮不全になりやすい

エビは硬度が低い水で飼育すると脱皮不全を起こしやすくなります

エビは殻を形成する際にカルシウムなどのミネラルを必要とするため、軟水に傾いた水では栄養が不足してしまい上手く脱皮できません。

脱皮不全は形態以上につながるだけでなく、死んでしまうこともあるので要注意です。しかし、硬度が高すぎても良いわけではなく、抱卵率が下がってしまうケースもあります。

一緒に入れている水草などとのバランスを考え調整しましょう。硬度が低く、エビの脱皮不全が起こっているようであれば、専用の添加剤も市販されています。少量ずつ様子を見ながら添加するようにしてください。

シュリンプの飼育についてはこちらもご覧ください。

硬度(GH)の上げ方:硬水に傾ける方法

硬水を好む魚やエビを飼育する場合、硬水に傾けたほうが健康な状態を維持しやすいです。また、普段は硬水でも、底砂やろ材を交換することによって気付かないうちに軟水に変わっていることもあります。タイミングをみて硬度を測り、軟水に傾いているようであれば硬度を上げる方法を試してみましょう。

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アクアリウムの数値に関してはこちらをご覧ください。

サンゴ砂や岩をいれる

サンゴ砂や岩を入れることによって硬度を上げることができます。

サンゴ砂や岩にはカルシウムやマグネシウムなどのミネラルが含まれているので、少しずつ水中に溶け出していきます。

即効性はないものの、持続的に水を硬水に安定させることができる効果的な方法です。

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カキガラをろ過フィルターにいれる

手っ取り早く硬度を上げたい場合はカキガラがおすすめです。

ミネラルが豊富で水を硬水に傾ける働きがあります。ろ過フィルターに入れて使用すると、水槽の景観を崩すこともありません。ろ材として市販されているため、フィルターのサイズに合った量を選択しましょう。

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硬度(GH)の下げ方:軟水に傾ける方法

熱帯魚や水草の多くは硬度の低い軟水を好むので、水を軟水に傾ける方法を知っておくことはとても大切です。水が硬水に傾いてお悩みの方は試してみてください。

ソイルを敷く

ソイルを敷くのが最も簡単に硬度を下げる方法です。

ソイルは水中のカルシウムやマグネシウムなどを吸着し留めるため、水は軟水に傾きます。しかし、この吸着能力は次第に薄れていくので、長期間使用したソイルでは水の軟水化は期待できません。

環境にもよりますが、1年程度が目安です。硬度を測って水道水と変わらないようであれば、交換したほうが良いでしょう。また、ソイルを敷いていても、レイアウトにたくさんの岩を入れた状態では効果が薄れてしまう場合があるので、注意する必要があります。

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フミン酸を出すものを入れる

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フミン酸(腐植酸)は植物が分解される際に生成される有機物です。

マジックリーフやヤシャブシの実など、フミン酸を含むものを投入することで硬度が下がります。(ただしブラックウォーターになります。)

多種多様な熱帯魚が生息するアマゾン川もブラックウォーターとして知られています。

フミン酸は水を軟水に傾けるだけでなく水草の栄養にもなるため、水草水槽にはうってつけです。ただし、量が多いと水質が大きく酸性に傾いてしまうことがあるので、様子を見ながら少しずつ入れましょう。

ゼオライトをいれる

水を軟水化するためにゼオライトを入れる方法もあります。ゼオライトの優れた吸着能力によって、水中のカルシウムやマグネシウムを取り込み、水を軟水へと変えます。

しかし、カルシウムやミネラルだけでなくフミン酸も吸着してしまうため、水を軟水化させたい場合は併用せず、どちらか一方を入れるようにしましょう。

また、ゼオライトの吸着能力には限界があるので、一定期間(目安は約3週間~1ヶ月)が経過したら交換したほうが良いでしょう。

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まとめ:アクアリウムの硬度を測ろう!熱帯魚やエビなどに与える影響と上げ下げ方法

硬度は熱帯魚やエビ、水草の健康を左右する重要なバロメーターです。思い当たる節がないにも関わらず、調子が良くないときは硬度を測ってみましょう。

特に、底砂を交換したり、ろ材の種類を変えたりなどした場合は要チェック。好ましくない硬度でしたら、今回ご紹介した方法を試していただければ幸いです。

コメント

  1. 匿名 より:

    結論が無いんだよな~。
    「水槽による」のは分かるんだけど、硬度いくつが良いと書かないのは趣味レベル

    • 中島 より:

      飼育環境によって適正な硬度はそれぞれですので、調整方法のみで申し訳ないです。
      まさに「水槽による」というが結論となってしまいます。