毎年夏になるとホームセンターやフラワーショップ、雑貨屋さんなどの店頭でコップなどの小さな容器に入れられて販売されることの多いベタ。メスはとても地味で穏やかな性格をしていて、オスは金魚のように大きなヒレと美しいボディカラーが魅力的ですが、気象が荒く縄張り意識も強いという特徴があります。
これからベタを飼育しようと思っている、また過去に飼育したことはあるけれど失敗続きだったという人いませんか?
今回はベタの飼育についての基本を解説していきますので、ベタ飼育の参考にしてくださいね。
ベタは暖かい季節が得意!
まずはベタとはどんな魚なのか、海外のどこが原産なのかといった基本的なことを軽くおさらいしましょう。
ベタはおだやかな沼や池に住む熱帯魚
ベタの原種は日本ではなくタイ原産で、現地では流れが緩やな池や沼・河川の水溜まりといった場所に棲息しているんですよ。
現在ショーベタとして一般的に広まっているさまざまなタイプのベタは、熱心な愛好家によって品種改良されたもので、こちらも原種同様に温暖な環境・水温や水質の変化の少ない環境を得意としています。
逆に言えば、飼育するときに水温・水質の変化が多いような環境や、極端に低温・高温な環境での飼育は難しいと言えますね。
夏はベタの流通量が増える!
ベタのオスは赤や青、ミックスカラーなどさまざまな色・柄のものがいて色鮮やかというイメージが広まっていますよね。通年取扱いのあるベタですが、市場では夏にベタの流通量が多い傾向にあり、この時期には状態がよい生体をホームセンターやアクアショップで手軽に購入しやすいというメリットもあります。
単純に鮮やかというイメージから流通量が増える、とも考えられますが、原産国であるタイの気候のように外気温や水温が暖かく動きが活発になることから状態の良い生体が増えることで流通量が増えているとも考えられますね。
ベタ飼育の基礎・水温について
ベタを飼育するのに最適なpHは弱酸性~中性での水で、水温は25~28℃です。オスはヒレが大きいので、強い水流や葉の硬い水草・レイアウト用のアクセサリー類は引っかけてヒレを破いてしまうことがあるのでNG!
ベタが穏やかに過ごすことのできる環境を意識した水槽づくりを目指しましょう。
ベタ飼育に必要なアイテム
ワイングラスのような小さな容器でも飼育できると一時期人気がでたベタですが、それは単に「酸欠に強い」から。独自のラビリンス器官で空気中から酸素を取り込むことができるからなんです。
単純に「生きている」だけの状態ではなく、しっかりと生き生きとした状態でその美しい姿を楽しみたいのであれば、これから紹介する小型水槽などのアイテムをきちんと揃えて飼育することをおすすめします。
小型水槽もしくは大き目のボトル、金魚鉢
ベタの飼育は小型でもいいので水槽での飼育が一番ですが、マメにメンテナンスをおこなうことができるのであれば、金魚鉢やダイソーなどの100円ショップで販売している大き目のボトルでも構いません。
あまり動き回る魚ではありませんが、やはりのびのびと出来る容器で飼育することで、水草や浮草を入れやすくなりますし、狭いスペースより広いスペースの方がベタのストレスも軽減しやすいです。
最近はベタの人気も高くなっているので、各メーカーからベタ飼育用の小さな水槽も販売されています。
ボトルアクアリウム向けの容器やベタ専用水槽についてはこちらをどうぞ!
水流の穏やかなろ過フィルター
小型水槽で飼育する場合には、水流が穏やかなタイプのろ過フィルターを選びましょう。もともとベタは水流が弱い・水流のないような場所に生息している魚です。飼育時に強い水流に当たっていると、体力を消耗してしまって弱ってしまい、病気になりやすくなることもあるので注意してくださいね。
小型ヒーター
基本的に単独飼育をする魚なので、水槽は小さくなってしまいがち。しかし小さな水槽は置き場所を取らない反面、水量が少ないため外気温による温度差が激しいので、水温が低くなる秋~春先まではヒーターで水温を管理するのが望ましいです。
ヒーターを設置できないのであれば、なるべく暖かく1日の気温差の少ない室内にベタの水槽を置きましょう。
冬場の水温管理についてはこちらの記事を参考にしてくださいね。
クーラーや冷却ファン
こちらは夏に水温が高温になり過ぎたときに、飼育水を冷やすために使用するアイテム。どうしても必要というものではありませんが、温かい環境を好むベタでも高温になりすぎると人間と同じように体にダメ―ジを受けてしまうので、適温まで水温を下げる必要があります。
夏に高温になりすぎて困るという場合には、こちらの記事を参考にしてください!
お掃除道具
メンテナンス道具は金魚鉢やボトル・小型水槽ならプロホースではなく、ホームセンターや100円ショップのペットコーナーで販売されている大きいスポイトでも十分ですし、コケ取りにはメラミンスポンジなども利用できますよ。
ボトルアクアリウムのメンテナンスについては、こちらの記事をご覧ください。
ベタに最適な飼育環境・水質など
ここからはベタにとって最適な飼育環境や水質などについてお話ししていきます。どちらも元気な状態で飼育するためには必要なものなので、しっかりと覚えてくださいね。
ベタの水温対策
飼育容器が小さくなればなるほど、水温対策は必須でヒーターやクーラーなどを使うのが難しいので水温管理で頭を悩ませるアクアリストは多いです。ベタを小型水槽やボトル、金魚鉢で飼育する際には、次の2つのポイントに気を付けましょう。
風通しの良い部屋で飼育しよう
日本の秋~春先の寒さを考えると、屋外での飼育はまず無理と考えたほうがよいです。寿命を全うさせたいと思うのであれば、室内で飼育すること、そして風通しの良い場所に飼育容器を設置しましょう。こうすることで水温の急変や1日の温度差が大きくなるのを防ぎやすいです。
冬は15℃を下回らないように保温する
ベタの飼育の適温は25~28℃とお話ししましたが、夏は35度を超えない・冬は15度以下にならないように管理するのが鉄則。暑すぎてもだめですが、水温が15度を下回ってしまうとベタの体内組織が活発に動くことができず固まってしまい、命の危険に陥ってしまうことが多いです。
まとめ:暖かい季節はベタ飼育に最適です!水温対策や飼育の基礎を解説します!
ベタの飼育は簡単そうに見えて実は奥深く、意外に難しい部分があるんです。実際に飼育してみてその難しさを実感した人もいるのではないでしょうか。
私の場合、以前住んでいた地域では問題なく飼育できていたのに、今住んでいる地域では病気続きで失敗してしまったという経験もあります。
飼育する地域や環境のほんのちょっとの違いから、ベタは体調を崩してしまいがちなので、水温管理など基本的なことをしっかりと覚えて飼育に挑んでください。
ベタの基本的な飼育に関しては、こちらの記事もおすすめですよ!
水槽のプロが所属するサイト運営チームです。
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北海道に住んでいて、ベタを飼いたいのですが、ヒーターを水槽に入れると目立つのでできるだけ入れたくないです。ヒーター以外の保温方法はありませんか?
エアコンで室温を管理したり、水槽用のパネルヒーターを使用する方法があります。
パネルヒーターは水面付近と底面部で温度差が生じやすいため、室温で管理してしまうのが最も手軽です。
こちらの記事もご参照ください。
・エアコンVS水槽用ヒーター!暖房だけで水を保温することは可能なのか?
https://tropica.jp/2020/11/29/post-43534/
よろしくお願いいたします。