アクアリウムで水槽を管理していると、水換えや掃除だけでは対処できず、一からやり直さなければならないことがあります。
魚が全滅したり、病気や寄生虫が蔓延したりなど、原因を取り除くことが難しい場合はもちろん、魚種やレイアウトを変更したい際にリセットすることも珍しくありません。ただし、やり直すといっても再び水槽を立ち上げるに近い大事なので、判断に悩むケースが多いです。
そこで今回は、汚れ・病気などによって水槽をやり直したり、水槽丸を洗いしたりするときの判断基準を5個ご紹介します!
水槽をやり直す判断基準5個!
水槽をやり直すと水質はもちろん、環境がガラッと変わり別物になります。
生体がいる場合はその変化が負担になることも少なくありません。さらに、底砂を入れ替えたり、水槽を丸洗いしたりなど手間もかかるため、水槽を管理するうえでは「大きな決断」といえるでしょう。
しかし、病気や寄生虫の発生など、状況によっては早めに実行しないと事態が悪化してしまうこともあります。
水槽をやり直すかどうか悩む場合は、次の判断基準5個に当てはまっているかチェックしてみてください。
- 魚が全滅した
- イカリムシが発生した
- ソイルがドロドロに崩れた
- 別の魚種に飼育を切り替える
- 水槽レイアウトに飽きてしまった
緊急であればやり直す段取りを進めて、そうでない場合も魚や水槽に与える影響を考慮してから実行することをおすすめします。
魚が全滅した
魚が全滅してしまった場合は、水槽に大きな問題を抱えていることが多くリセットを余儀なくされるケースも少なくありません。
具体的には、
- 病原菌や寄生虫の蔓延
- 設備の故障
- 水質や水温の急変
- メンテナンス不足
- 殺虫剤の混入
といったことが考えられます。根絶が難しい病気や寄生虫の場合は、やり直さないと再発してしまうことも珍しくありません。
また、ヒーターやろ過フィルターの故障が原因で全滅してしまった場合は、魚の大量死によって水質がひどく悪化していることも考えられます。
知らないとやってしまいがちですが、水槽周りで殺虫剤を使用すると飼育水に混入して魚が全滅してしまうことも。これらのケースのように、水を新しく作り直さないと新しい魚を入れられない場合は水槽をやり直した方が良い状況です。
魚が全滅したときの対処法については、こちらも参考にしてみてください。
殺虫剤については、こちらも参考にしてみてください。
イカリムシが発生した
「イカリムシ」の発生も水槽をやり直さなければならない原因の1つです。
魚の体表に刺さって炎症を引き起こす寄生虫で、毛抜きで抜いたり、魚病薬を使って対処します。しかし、おびただしい数の幼体が繁殖してしまっている場合は、水槽の水を抜いて乾燥させる方法が効果的です。
魚病薬で駆除する場合は「ムシクリア液」がよく効くので、水槽をやり直す前に一度薬浴してみても良いでしょう。
イカリムシについては、こちらも参考にしてみてください。
ソイルがドロドロに崩れた
ソイルの形状がドロドロに崩れた場合は、すべて取り出して交換する必要があります。
粒が崩れると通水性が悪くなり嫌気性細菌が増え、病気の温床になってしまうことも少なくありません。レイアウトを崩すことなくソイルだけを取り出すことはできないので、交換する場合は水槽をやり直すことが多いです。
しかし、扱い方によっては長期間使ったり、再利用したりすることも不可能ではありません。
ソイルの管理方法については、こちらも参考にしてみてください。
別の魚種に飼育を切り替える
まったく違うタイプの魚種に飼育を切り替える場合も、水槽をやり直した方が良いことがあります。
たとえば、淡水魚水槽から海水魚水槽にするのであれば、魚はもちろん、飼育水を海水にしたり、底床をサンゴ砂にしたりなど、大幅に変更しなければいけません。
また、小型熱帯魚メインの水草水槽から大型熱帯魚メインのベアタンク水槽にする場合など、飼育環境が大きく変わる場合も同様です。
無理をして環境に魚を合わせるのではなく、魚に合わせた環境を作るためには水槽をやり直した方が早いことも多いです。
水槽の切り替えについては、こちらも参考にしてみてください。
水槽レイアウトに飽きてしまった
レイアウトに飽きて大幅に変更したいとき、水槽をやり直すことも少なくありません。
- 底砂を交換する
- 水草を植え替える
- 流木から石に変える
といったように、レイアウトの変更によって飼育水がひどく濁ったり、水質(pHや硬度など)が変わったりなどすると、その状態から安定させバランスを整えるには苦労します。
むしろ、水槽をやり直した方が理想の環境に近付けやすいため、レイアウトの変更内容次第では最適な方法です。
水槽レイアウトについては、こちらも参考にしてみてください。
水槽をやり直すには
水槽をやり直すためには、新しいろ材・底砂を用意したり、水槽やろ過フィルターを丸洗いしたりなど、正しい方法があります。
古いものを少しでも使うと病気や寄生虫を持ち込んでしまい、やり直す意味がなくなってしまうこともあるため、水槽を新しく立ち上げるイメージで行うことが大切です。
水槽のリセットについては、こちらも参考にしてみてください。
新しいろ材や底砂を用意する
水槽をやり直すときには、必ず新しいろ材や底砂を用意するようにしましょう。
リセットの原因が病気や寄生虫であれば、使っていたものに付着している可能性が高いです。もったいないかもしれませんが、再発を防ぐためにも一新した方が安全です。
丸洗いする
水槽を丸洗いして、病気や寄生虫を除去する必要があります。
水道水をそのまま使い(塩素を抜かない)、隅々まで念入りに洗いましょう。仕上げに50度程度のお湯で殺菌するとより効果的です。
このとき、水槽の耐熱温度には注意してください。アクリル水槽は60度程度、ガラス(シリコン部分)水槽は220度です。
必要以上の熱湯を注ぐと水槽にダメージを与えてしまうため、おすすめしません。
殺菌後は、太陽光でしっかり乾燥させることも重要です。太陽光と乾燥でより一層の殺菌効果が望めます。特にイカリムシは乾燥に弱いので、必ず行うようにしましょう。
水槽を再び立ち上げるイメージで行おう
水槽のやり直しは、一から水槽を立ち上げるイメージで行った方が上手くいきます。
同じ水槽やろ過フィルターを使うとしても殺菌して新しい水を入れると環境はまったくの別物です。水質は不安定になりますし、バクテリアによる硝化サイクルも不十分なので、こまめな水換えや水質調整が欠かせません。
最終チェックとして、試験紙などで安全を確認してから魚を迎えるようにしましょう。
まとめ:どんなときに水槽をやり直す?汚れ・病気など水槽丸洗いの判断基準5個!
水槽のやり直しは判断が難しいところですが、下記の5個を判断基準にして実行してみてください。
- 魚が全滅した
- イカリムシが発生した
- ソイルがドロドロに崩れた
- 別の魚種に飼育を切り替える
- 水槽レイアウトに飽きてしまった
水槽の状態が悪い場合や環境を大幅に変えたいときに必要な方法です。
長期間アクアリウムをしているとやり直さなければ改善できない状況も出てきます。その際に慌てず実践できるよう方法も合わせて習得しておきましょう。
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トロピカライターの高橋風帆です。
アクアリウム歴20年以上。飼育しているアーモンドスネークヘッドは10年来の相棒です。
魚類の生息環境調査をしておりまして、仕事で魚類調査、プライべートでアクアリウム&生き物探しと生き物中心の毎日を送っています。