春はメダカの活性が上がり始める季節です。
越冬中に餌やりや掃除ができなかったこともあって、意気込んで世話をする人も少なくありません。
ただ、この時期のメダカは越冬で消耗しているため、気を付けないと体調をくずしてしまうことがあります。「越冬明けにメダカが死んでしまう」という話を聞くことも多いです。
そこで、今回は春のメダカ管理術とコツを7つご紹介します。
10年以上メダカを飼育していて、数・品種ともにたくさん越冬させた経験をふまえてお話ししますので、ぜひ参考にしてみてください。
春・越冬明けのメダカ飼育の注意ポイントを動画で紹介!
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越冬明けで体力が落ちているメダカ。春こそ押さえておきたいメダカ飼育のポイントや注意点を動画で解説します。
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屋外飼育における春のメダカ管理術とコツ7選!
屋外で飼育している春のメダカは、越冬から覚めたばかりで体力が落ちているので、環境を急変させるような世話の仕方は避けましょう。
この時期に押さえておきたいメダカ管理術とコツは次の7つです
- 水換えでの水質急変
- 餌の与えすぎ
- 水温変化は最小限にする
- 活発になってきたら掃除のチャンス
- 卵・稚魚の世話を行う
- 日光を十分に浴びせよう
- 天敵に注意
メダカの様子を見ながら少しずつ本調子に戻していくことが大切です。
具体的に解説していきますね。
1:水換えでの水質急変
越冬明けの世話で1番注意しなければならないのが、水換えによる『水質急変』です。
冬の間手つかずで、ほぼ一定の水質で過ごしていたので、多くの水を換えてしまうと普段以上にダメージを受けてしまいます。pHショックを起こしてしまう危険もあるため、足し水と1/5程度の少量の水換えで様子を見ましょう。
落ち葉や泥が溜まり、ひどく汚れているように見えますが、メダカにとっては越冬中ずっと過ごした落ち着く環境です。
水質の悪化よりも水換えによる急変の方が危険なので、本格的な水換えや掃除は水温が15度を超えて、しっかり活動し始めたことを確認してからにしましょう。
2:餌の与えすぎ
餌の与えすぎも要注意です。
越冬中に餌が食べられなかったからといって、一気に最盛期並の量を与えてはいけません。水温の変化が大きい時期なので、たくさん餌を与えた後に水温が下がることで消化不良の原因になります。
気温が安定するまでは1日1回、消化の良いパウダー状の餌を与えて様子を見ます。餌を与える時間帯は、気温が暖かく安定している昼~午後3時頃がおすすめです。朝と夕方は気温が下がりやすいので、控えましょう。
給餌を始める目安は水温15度で、安定して20度を超えるまではメダカの食べ具合を見ながら与えてください。
3:水温変化は最小限にする
水質と同じように水温の変化も最小限にするよう心がけます。
春は朝晩で水温が不安定です。今まで置いていた場所から無理に日当たりの良い場所に移動させるなど、水温の変化が激しい場所には置かない方が良いでしょう。
よっぽど冷え込みやすかったり、日当たりの悪かったりする場所でなければ、そのままでも問題ありません。水温が上昇してメダカが元気に泳ぎ始めたら移動させても良いです。
また、水換えのときも、飼育容器のすぐ近くに交換用の水を置いて水温を合わせてから行いしましょう。
4:活発になってきたら掃除のチャンス
4月に入って本格的に水温が上がり、メダカも活発になったら大掃除のチャンスです。
水質・水温を急変させないことを前提に、このときは1度で掃除を終わらせても問題ありません。水換えは全体の1/3程度の水量が目安です。
底に堆積した落ち葉や枯れた水草は網を使って取り除き、必要であれば新しい水草を補充してあげましょう。水草があると、早いものであれば産卵を始めます。
5:卵・稚魚の世話を行う
産卵を始める時期でもあるので、卵・稚魚の世話を行います。
水温が18度を超えると繁殖を意識し始めるため、3月中頃から準備しましょう。ただ、水温が23度以上になる4月以降の方が繁殖率・孵化率は上がります。
水温が高い方が孵化するまでの期間が短い(累積水温250度:例.水温25度で10日)ので、卵にカビが生えてしまうリスクが下がります。
繁殖に取り組む場合は産卵床を欠かさず用意しましょう。水草も良いですが、管理のしやすさでは人工産卵床がおすすめです。
6:日光を十分に浴びせよう
メダカの健康維持には日光を浴びせることが重要です。
日光を浴びることによって体内で成長をうながすビタミンを作るので、適度に日光浴させることで健康状態を維持しやすくなります。
また、バイオリズムを整える働きも期待できるため、日光が当たる時間を作ってあげましょう。目安は1日に8時間以上です。
7:天敵に注意
春先はメダカだけではなく、天敵も活動を始めるので注意が必要です。
- ヤゴなどの昆虫類
- カラスなどの鳥類
- ネコやアライグマなどの哺乳類
といった動物はメダカを狙うことがあるので、防虫・園芸ネットなどを飼育容器に被せて対策しましょう。
詳しくはこちらの記事をご覧ください。
室内飼育の場合
ここからは室内飼育の場合です。
屋外飼育とは違った春のメダカ管理術とコツがあるので、ご紹介します。
水槽用ヒーターはいつまで必要?
メダカ水槽に水槽用ヒーターを使っている場合は、4月頃までつけておくことをおすすめします。
暖かくなったとはいえ、朝晩は予想以上に冷え込むことがあります。冬の間水温が一定に保たれていたのに、水温が頻繁に上下するとメダカが体調をくずしてしまうことも少なくありません。
特に玄関や人の出入りが少なく冷え込みやすい場所であれば、最低気温が20度前後に安定するまで水槽用ヒーターを入れておいた方が良いでしょう。
また、水槽の置き場所にもよりますが、4月以降であってもエアコンを使う場合は水槽用ヒーターを入れたままの方が水温の急変を防げます。水温計をチェックして水温の低下が目立つようであれば検討してみてください。
水温23度をこえたら繁殖用の餌がおすすめ
繁殖を目指す場合は、水温が23度をこえたら繁殖用の餌を与えることをおすすめします。
水温の上昇とともに消化機能が増してくるので、繁殖用や飼育用の餌を給餌して体力をつけさせましょう。
餌やりの回数も1日1~2回だったところを、3回以上に増やして問題ありません。もちろん、食べ残しばかり増えてもいけないので、食べ具合を確認しながら与えてください。
まとめ:春のメダカ管理術とコツ7選!メダカの越冬明けに気を付けたいこと
今回は春のメダカ管理術とコツを7つご紹介しました。
- 水換えでの水質急変
- 餌の与えすぎ
- 水温変化は最小限にする
- 活発になってきたら掃除のチャンス
- 卵・稚魚の世話を行う
- 日光を十分に浴びせよう
- 天敵に注意
メダカの体調が本調子でないうえに、水温の変化も激しい時期です。
泳ぎ方や餌の食べ方を確認しながら無理をさせないよう世話をしましょう。
この時期を順調に過ごせると、夏の飼育や繁殖もうまくいきやすいので、春のメダカ管理術を実践してみてください。
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トロピカライターの高橋風帆です。
アクアリウム歴20年以上。飼育しているアーモンドスネークヘッドは10年来の相棒です。
魚類の生息環境調査をしておりまして、仕事で魚類調査、プライべートでアクアリウム&生き物探しと生き物中心の毎日を送っています。