私たちのとても身近な生き物である金魚。金魚すくいやホームセンターでも手に入る、リーズナブルな観賞魚というイメージをお持ちの方もいるかもしれませんが、実は金魚にも一匹数万円の値がつく高級な種類がいます。
また、 同じ種類であっても体格・色柄、尾の形状など、外見や育ち方によって値段に大きく差が付くことも珍しくありません。
こうした金魚の値段は、流通具合や育成の難易度、同じ種類でも体型や色柄の傾向によって違いが生まれます。
今回は、金魚の値段が上がる要因と価格の傾向を解説します。 金魚飼育を検討中の方や金魚の繁殖を目指す方はぜひご一読ください。
金魚の値段が上がる要因とは
金魚の値段が上がる要因は大きく分けて2つです。
- 流通が安定しているか
- 育成が難しい珍しい品種か
金魚に限らず値段は需要と供給で決まるため、流通量は大きなポイントです。また、金魚は大きく育つほど価格が上がりやすいので、飼育の難易度も直結します。
順を追って解説していきます。
流通が安定しているか
安定して流通している品種ほど、価格がリーズナブルになります。
- 繁殖や育成
- 海外からの輸入
といったことが簡単であれば流通量が増えて、価格も抑えられるでしょう。
しかし、同じ種類であっても、小さな幼魚の金魚は値段が安く、大きく成長した成魚になるほど価格は上がっていく傾向にあります。
これは金魚を大きく育てるのが難しいというのが一因です。病気にかかったり、体格や色柄が悪く選別から漏れてしまったりするため、大きく育つ(育ててもらう)にはいくつものハードルを越えなければなりません。
そのうえで理想的な体型・色柄・ヒレに育てるとなると、さらに難易度が上がります。こういった理由から、完成されている美しい成魚は稚魚や幼魚よりも貴重と判断され、価格が高くなります。
また、幼魚の段階で色柄や体格によってある程度のグレードが決められていくため、この時点でグレードが低く選定された金魚については、成魚になっても価格は低めになる傾向にあります。
そして、店舗の価格傾向にもよっても、販売価格は増減します。
育成が難しい・珍しい品種
育成が難しかったり、飼育数が少ない珍しい品種だったりする場合は、値段が上がっていきます。
そもそも流通量が多くないのも要因ですが、育成が難しい品種を理想の体型に仕上げるのは簡単ではありません。比較的育てやすい和金ですら、コンテストや品評会に出すような個体は手間をかけて仕上げられています。
育成の難しいランチュウやパールスケールなどは専用の飼育設備が必要なので、なおさら価格が上がりやすいです。
また、金魚は成長するに従い品種の特徴が顕著になっていきます。ある程度大きくなるまでは、どのように成長するか未知数なところがあり、この特徴が出来上がるのが大体体調10cm前後です。そのため、金魚の素質が見極められる10cmを超えたあたりから価格が飛躍的に上昇します。
金魚の品種別価格傾向
ここからは、金魚の品種別に価格の傾向を見ていきましょう。
金魚のタイプを7つに分けて、
- 大きさや体格
- 色柄やヒレの形状
- 肉瘤など品種ごとの特徴
といった価格やグレードが上がるポイントをご紹介します。
和金タイプ:100円~15,000円ほど
金魚の中でも流通量の多い和金は比較的リーズナブルな価格で売買されていることが多いです。しかし、グレードによっては高値が付けられることも。
シンプルな和金よりも、
- 3色(キャリコ)
- 桜
- 更紗
といった個体が高価で、ここに金魚を華やかに見せる『桜尾』や『4つ尾』、『吹き流し尾』などの要素が加わるとさらに値段が上がります。朱文金などの吹き流し尾は長く立派なほど価値が高いです。
また、12cmを超える個体は特徴が顕著に現れやすいため、グレードが高い傾向にあります。
琉金タイプ:400円~24,800円ほど
琉金は10cmを超えたあたりから価格が高くなります。
琉金の評価ポイントは、本来の特徴である体高や長いヒレで、特徴がよく表れた立派な個体ほど高値が付きやすいです。また良い体型に加えて、3色や尾に特徴があるものも評価の対象となります。
最近では、尾の短いショートテールも人気がです。
ランチュウタイプ:400円~50,000円ほど
ずんぐりとした体形と肉瘤が特徴のランチュウは、素質のわかる10cmを超えたあたりから価格が飛躍的に上昇します。
ランチュウの価格は、まず特徴である肉瘤がよく発達しているかどうかが評価されます。尾筒が太かったりなど体型が良し悪しも評価の対象です。
また、パンダや変わり柄といったユニークな色柄も高価になります。
ランチュウにはいくつか系列がありますが、なかでも宇野系ランチュウと協会系ランチュウが有名です。
オランダタイプ:500円~57,200円ほど
オランダ獅子頭をはじめとしたオランダタイプの金魚たちは、大型種のため、恰幅の良い迫力のある個体の値が上がります。
11cmを超えて肉瘤やヒレの広がりといった特徴が顕著に現れたものは価格が高いです。
大型で体型が良ければ通常のオランダでも高値で取引されますが、ショートテールやローズテールのような特徴的な尾ビレを持つ個体も高価で人気があります。
パールスケールタイプ:900円~6,100円ほど
鱗の1つ1つに真珠のような凹凸があるのが、パールスケールの特徴であり魅力です。同じような鱗を持つ金魚にピンポンパールがいますが、パールスケールの方が体型がやや横長で泳ぎが得意な個体が多いのが特徴です。
更紗やキャリコ、特殊な形の尾など他の品種にもみられる特徴もありますが、なかでも肉瘤が発達した「高頭パール」と呼ばれる個体の値段が高い傾向にあります。
また、外国産よりも国産の方が値は張りますが、丈夫な個体が多いので育成する場合にはおすすめです。
水泡眼タイプ:1,000円~8,400円ほど
水泡眼は、目の下に袋がある変わった品種です。
この袋が立派なほど高値が付きます。水泡眼のなかには花房が付くものもいますが、こちらも観賞性が高く仕上がりによっては値段が高いです。
地金タイプ:7,000円ほど
数ある品種のなかでも珍しいのが「地金」です。
体型は和金に近いですが、広く開いた孔雀尾(くじゃくお)と体が白、ヒレが赤の六鱗(ろくりん)という色柄が特徴です。
愛知県の天然記念物にも指定されている金魚で、飼育が難しく十分に育った金魚はあまり流通しません。地金と他の品種を掛け合わせて作出された江戸地金という品種もいます。
人気と価格が上がりそうな金魚の品種
品種別に価格の傾向を解説してきましたが、もう少し深堀りして数ある金魚のなかでも「人気と価格が上がりそうな品種」を3種類ご紹介します。
鱗や模様、尾の形状が特徴的で、観賞魚として注目されている品種です。
ドラゴンスケール
ドラゴンスケールは、ドイツ鯉のような大きな鱗が特徴です。
中国で作出された品種で、鱗の乱れと強いメタリックが美しく目を引きます。ドラゴンスケールは鱗の特徴を表しているため、
- ドラゴンスケールランチュウ
- ドラゴンスケールオランダ
など、いくつかの品種が存在します。現状も希少で価格が高い金魚です。
ゼブラ
ゼブラは体色に特徴が現れた品種で、縞模様がとても美しい金魚です。
体色は赤・黒・白の3色ですが、赤と黒が色濃く出ていたり、部分的に白が入っていたりなど、個体によって大きく変わります。
ゼブラも特徴を表した呼び方なので、
- ゼブラランチュウ
- ゼブラオランダ
- ゼブラ琉金
といったように複数の品種で見られます。
ローズテール
ローズテールはその名の通り、バラの花のように優雅で美しい尾ビレを持つオランダです。
尾を広げるように泳ぐ姿は気品があり、大型になると特徴がより顕著に現れます。
見た目だけでなく泳ぎ方も美しいため、観賞魚としての人気と価値が高く今後も評価が上がる可能性が高いです。
愛情を注いで育てた金魚が一番!
金魚の価格について解説してきましたが、「値段が高い=価値がある」というわけではありません。
たしかに、観賞魚としての面だけで判断するなら値段と価値は比例します。
しかし、人によって、
- お祭りですくって育ててきた思い出の1匹
- 病気から回復した思い入れのある個体
といったように「大切な金魚」は異なります。「愛情を注いで育てた金魚」が一番なことは間違いありません。
まとめ:金魚の価格はどうやって決まる?値段が上がる要因と価格の傾向を解説!
今回は金魚の値段が上がる要因と価格の傾向について解説しました。
金魚は流通が安定している品種ほど価格がリーズナブルなのに対して、飼育が難しい・珍しいものは値段が高い傾向にあります。
また、体型や色柄、尾の形状など、その品種が持つ特徴が色濃く現れている個体ほど価格が上がりやすいです。
高価な金魚を飼い込んでより立派に仕上げるのも良いですし、値段に関係なく思い入れのある個体を育成するのも楽しいものです。
自分の価値観に合わせて、金魚飼育を楽しんでみてください。
トロピカライターの高橋風帆です。
アクアリウム歴20年以上。飼育しているアーモンドスネークヘッドは10年来の相棒です。
魚類の生息環境調査をしておりまして、仕事で魚類調査、プライべートでアクアリウム&生き物探しと生き物中心の毎日を送っています。