水質調整剤は文字通り水質を調整してくれる作用のある薬剤です。水質にうるさい生き物を飼育するときや、水槽の立ち上げ時や水質が変化しすぎたときなどによく利用しますが、アクアリウムメーカー各社で、さまざまな効果のある水質調整剤が販売されています。
アクアリウム初心者だと、まだよく水質や飼育しようとしている生き物の特徴を理解できておらず、どれを購入してよいのか迷うことが多いのではないでしょうか。
そこで今回はアクアリウム用の水質調整剤の特徴と、おすすめの商品を3つご紹介します!
水質調整剤の特徴って?
アクアリウムで使用する水質調整剤の効果は、主にpHなどの数値やカルキを抜くというような水質を調整するものです。最近では100均ショップの大手ダイソーが販売を開始したりと、さまざまな場所で入手しやすくなっています。水質調整剤といっても、その効果によっていくつかの種類に分けることができます。
塩素中和剤(カルキ抜き)
アクアリウムで一番使用頻度が多いのが、この塩素中和剤でしょう。水道水に含まれている塩素は、人間には無害ですが水棲生物には大きなダメージを与えるため、水槽の立ち上げや水換え時に使用する水道水はカルキ抜きをしなければなりません。
塩素中和剤は水に入れると瞬時に反応が起こり、カルキを中和してくれます。
カルキ抜きに関してはこちらの記事を参考にしてください。
バクテリア剤(濾過細菌とも)
バクテリア剤も意外と使用している人が多いです。酵素入りだったり、生バクテリア入りなどさまざまな名称で販売されています。
しかし本当に生きた活動中のバクテリアが入っているとは限りません。バクテリアの餌になる成分しか入っていないものや、冷凍状態のバクテリアが入っているもの、ジェックスの商品のように休眠状態のバクテリアが入っていることもあるんです。
主にバクテリア剤は、水槽内の生物ろ過能力を上げるために水槽立ち上げ時に使用することが多いです。バクテリア剤に関しては使用量を間違えると、逆に水槽内の環境を悪化させてしまうことがあるので、使用するタイミングや使用量に注意する必要があります。
バクテリア剤に関してはこちらの記事を参考にしてください。
表皮保護・重金属吸着やビタミン剤など
これらの製品は、魚の粘膜を保護・ビタミン補給や、水中にある重金属を吸着するというようなうたい文句が付いていることが多いです。
しかし液状タイプのものは、防腐剤が使用されていることがほとんど。水生生物の安全性に関しては、今のところ特に影響がないとされていますが、微生物に関して何らかのダメージを与える可能性があります。
利用するのなら、手間になるかもしれませんが粉末タイプのものがおすすめ。さらに微生物や生き物の安全性を高めるのであれば、天然成分を使用したものを選びましょう。
pH調整剤
酸性・アルカリ性・中性など水質や、水質の悪化状態を改善するために、水槽内の水の成分を変えることでpHを調整してくれる薬剤です。水槽の立ち上げ時や、飼育している生物に合わせた水質を作るのに利用されます。pH調整剤を使用する場合は、 pH測定器などで水槽内のpHをチェックしながら使用しましょう。
pH測定に関してはこちらの記事で詳しく解説しています。
おすすめの水質調整剤を3つご紹介!
ここからはおすすめの水質調整剤を3つご紹介していきます!
おすすめ整剤の中でメジャーなものには、テトラシリーズがあります。
テトラ pH/KHマイナス
テトラの「pH/KHマイナス」は水槽内の水のpHと炭酸塩硬度(KH)を簡単に下げてくれる商品で、淡水用となっています。炭酸塩硬度(KH)は水草水槽の場合はほとんど気にすることがありませんし、飼育が簡単な熱帯魚や水質対応範囲が広い生き物の場合も気にかけている人は少ないです。
しかし水質にとてもデリケートなディスカスなどの場合、炭酸塩硬度(KH)が飼育のポイントになるほど重要視されています。一般的に炭酸塩硬度(KH)が高いと、pHが下がりにくく、炭酸塩硬度(KH)が低いと、pHが下がりやすくなります。
テトラ PH/KHプラス
テトラの「PH/KHプラス」は、淡水・海水どちらでも使用可能な水質調整剤で、pHの数値を上昇させる効果があります。炭酸塩硬度(KH)も一緒に上昇させるので、pHが安定しやすく急激にpHが下がるのを防ぎやすくなる効果が期待できます。
リバース リバースリキッド マリン
「リバースリキッド マリン」は最近アクアリストの中で、効果があると人気の出ている商品で、pH・KHだけでなくCa(カルシウム)も維持してくれる水質調整剤です。
イオン吸着力のあるアクアアルミナの効果で、水槽内に蓄積されやすい酸化物を吸着し除去することができ、さらにカルキ抜き効果やろ過能力をUPする効果も期待できます。
生き物に合わせた水質調整剤を選ぼう!
水質調整剤はさまざまなタイプのものが販売されていますが、ベタや金魚、メダカなど種類別におすすめの配合をしている水質調整剤もあります。
水質調整剤選びで迷ったときは、自分の飼育している生き物向きのタイプがあるのであれば、そちらを選ぶことで適切な水質を作りやすくなります。
水質調整剤の入れ過ぎに注意!
基本的にpH調整剤などはゆるやかに水質を変えていくもので、多少なら多く入れてしまっても問題はありません。
しかし規定量の倍以上など明らかに入れ過ぎてしまうと、水槽内にせっかく発生した生物ろ過を行うバクテリアが死んでしまったり、急激な水質変化で生き物にストレスを与えかねません。規定量をしっかりと守って、正しい使い方で使用しましょう。
まとめ:水質調整剤の特徴を把握し規定量を守って使おう!
水質調整剤はいくつかの種類にわけることができますが、商品によって付随している効果などが異なります。購入しようとしている商品の特徴を把握するのはもちろんですが、時間があるならネットなどで使用者の口コミなども参考にしてみましょう。
水質が悪すぎるからと、規定量以上の水質調整剤を使用してしまうと、バクテリアが死滅してしまったり、生き物に大きなダメージを与えてしまう結果になってしまうことがあります。
そのため水質調整剤は規定量はしっかりと守って使用し、水質検査機などを使用してこまめにpHなどの数値をチェックすることをおすすめします。
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