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カクレクマノミ(ニモ)と一緒に飼える魚や生き物は何がいる?注意点も!

ディズニー映画の影響で知名度が上がり、ニモの相性で親しまれているカクレクレクマノミを飼育している人は多いと思います。

しかし、海水魚飼育初心者だけでなく、中級者の方でも混泳できる生き物選びで悩んでいる人は多いようです。
野生環境下ではイソギンチャクとの共生が知られていますが、他にどんな生き物と一緒に飼うことができるのでしょうか?

今回は、カクレクマノミと一緒に飼える魚や生き物についてお話していきます。
カクレクマノミの混泳水槽を作る際の参考にしてみてくださいね。

カクレクマノミとは?

ディズニーの映画「ファインディング・ニモ」の主人公・ニモのモデルとなったことで有名になったカクレクマノミは海水魚です。

オレンジ色の体に黒いラインで縁取られた白いボーダーライン、そしてヒレの縁の黒色が特徴的な海水魚で、飼育環境が良いと体の色もより一層鮮やかになります。
大きさは8センチ前後で沖縄やインド、オーストラリアなど暖かい地域のサンゴ礁で生活しています。

海水魚や熱帯魚の寿命は短いものが多いですが、カクレクマノミの寿命は平均で10年といわれており、飼育環境が良いと20年近く生きていたという話もあるほど、長生きな海水魚です。

初心者におすすめの海水魚

カクレクマノミはとても丈夫で比較的飼育がしやすいので、海水魚初心者が初めて飼う魚としておすすめされることの多い海水魚です。

実際に、初心者用のクマノミ飼育セットなども販売されているので、初心者でも比較的手軽に飼育を始めることができますよ。

また、海水魚の繁殖が難しいとされるの中で、環境さえ整えてあげれば、個人宅でも繁殖が狙えるため、繁殖を試みるかたにも人気が高い海水魚です。

海水魚初心者がカクレクマノミを飼育する場合については、こちらの記事も参考にしてみてください。


イソギンチャクと共生している

カクレクマノミは自然環境下ではイソギンチャクと共生していることでも知られています。
イソギンチャクの持つ触手には毒があるのですが、カクレクマノミはこの毒に対する耐性があります。

そのため、イソギンチャクの毒にやられることなく共生関係が成り立っているのです。

イソギンチャクを自分たちの巣にすることで、自分たちの身の安全を確保しつつ、守ってくれているイソギンチャクには、餌になるような有機物を運んで恩返しをするというような形で、イソギンチャクと共存しているのです。

カクレクマノミは全てオスで生まれてきます!

カクレクマノミはオス・メスがきちんと分かれていますが、実は生まれてくる段階では全ての個体がオスとして生まれます。

カクレクマノミは数匹で1つのグループを作りますが、そのグループの中で一番大きなものがメスに性転換するという珍しい海水魚です。

メスは同じグループの中で2番目に大きなオスとカップルになりますが、一番大きなメスが死ぬと2番目に大きなオスがまたメスになって卵を産むそうです。

とても不思議で興味深い性質ですね。これもカクレクマノミの魅力の一つでしょう。

カクレクマノミと他の生き物を一緒に飼うときに注意したいこと

カクレクマノミは性格が穏やかな海水魚で、他の海水魚との混泳も可能なものが多いです。

しかし、一方で縄張り意識が強い面も持ち合わせており、同じカクレクマノミ同士でも3匹以上になると、喧嘩やいじめが起こる可能性が高い傾向にあります。

体の模様が似ているペルクラクラウンのような海水魚も同種とみなしてしまうのか、いじめられたり喧嘩することが多いため混泳は避けたほうがいいでしょう。

カクレクマノミと同じように縄張り意識の強い海水魚や生き物は、同じ水槽で飼育するのは無理と考えておいたほうがよいかもしれません。

水槽は大きなものを用意しよう!

カクレクマノミを単体で飼育している場合、30cm程度の小型の水槽で飼育している方もいるでしょう。
カクレクマノミ数匹であれば小型の水槽でも飼育ができますが、ほかの魚との混泳を考えるならば、水槽も大きなものを用意しなければなりません。

最低でも60cm程度の大きさの水槽を準備しましょう。

小さな水槽で混泳を行うと、魚たちのストレスになってしまいますし、たくさんの魚を飼育することで水質も安定しづらくなってしまいます。

混泳に絶対安全はありませんが、60cm以上の大きさの水槽ならば水質も安定しやすく、魚たちも一定の距離感を保って混泳できるので比較的安心して飼育できます。

ワイルド(野生)は成長すると気性が荒くなります!

カクレクマノミは比較的穏やかな性格の海水魚とご紹介しましたが、それはブリード(野性ではなく人工的に繁殖させた個体)や3~4cm程度の幼魚に限った話です。

5cm以上に成長したワイルド(野性)のカクレクマノミは、まったく違った性格をしていますので注意が必要です。

成長したワイルドのカクレクマノミはとても気性が荒く、縄張り意識が強いです。
そのため、例え90cm以上の大きな水槽の中であったとしても、自分に近い種類の海水魚やカクレクマノミ同士では、縄張り争いから喧嘩に発展してしまうため、混泳はかなり難しくなります。

また、ブリードとワイルドのカクレクマノミ同士の混泳も、うまくいくことはほぼありません。
この組み合わせの混泳も避けたほうが良いでしょう。

クマノミとカクレクマノミを一緒に飼うのは厳禁!

似たような魚同士ならば喧嘩にならないと思っている方もいるのではないでしょうか?
柄違いの魚を混泳させると見栄えはするかもしれませんが、しかし、混泳相手として相性が良いとは限りません。

カクレクマノミと似た海水魚にはクマノミがいますが、まさにこの2種の混泳は絶対にNGです。

カクレクマノミは元来縄張り意識の強い海水魚で、特に自分に近い種類の海水魚に対しては攻撃性が増す傾向にあります。
また、種類が近い分性質も似ているため、水槽内で好む場所や縄張りが被ってしまうことが多く、喧嘩になりやすいです。
以上の点から、クマノミとカクレクマノミを一緒に飼うのは絶対にやめましょう。

喧嘩になってしまうと、負けたほうが死んでしまう危険があるのはもちろんですが、喧嘩の原因が潜んでいるということはどの生体にとってもストレスになります。

長く元気に飼育し続けるためにも、無理のない混泳を心がけましょう。

肉食魚や泳ぐのが苦手な生物もNG!

肉食傾向の強いバラハタカエルアンコウといった海水魚は、カクレクマノミを食べてしまう可能性があるので基本的に同じ水槽で飼うことは無理だと思ってください。

またタツノオトシゴチンアナゴといった泳ぐのが苦手な魚や、コンゴウフグのように泳ぎが遅い海水魚は、カクレクマノミのほうが泳ぎが早いため、餌をとられてしまって餓死してしまうという恐れがあるので、同じ水槽で飼うのには向いていません。

カクレクマノミと同じ水槽で飼える生き物や海水魚をご紹介!

それではここから、カクレクマノミと一緒に飼うことのできる魚や生き物をご紹介していきます。
同じ水槽で飼う場合には、それぞれの特徴をよく把握したうえで、きちんとした環境で育ててあげてください。

イソギンチャク

自然環境で共生しているイソギンチャクは、飼育環境下でもカクレクマノミと相性が抜群です!

ただし、イソギンチャクにも飼育難易度があり、イソギンチャク飼育初心者~中級者だとシライトイソギンチャクロングテンタクルアネモネといったものが育てやすいかと思います。

ただしブリードされたカクレクマノミの場合には、この2種類に慣れるまで少し時間がかるようです。

イソギンチャクの飼育中級~上級者なら、ハタゴイソギンチャクセンジュイソギンチャクといった飼育難易度が高いイソギンチャクを水槽に入れてみてもよいのではないでしょうか。
この2つのイソギンチャクは、ワイルド種のカクレクマノミと相性が良いといわれています。

ハタゴイソギンチャクはカラーが豊富で人気の高い品種ですが、刺胞には毒があるので飼育するときには注意が必要です。
肌の弱い人が触れてしまうと皮膚に炎症を起こす場合があるので、世話をするときにはゴム手袋をするなどの対策を取りましょう。

また、イソギンチャクはデリケートな生き物でカクレクマノミとセットで飼育するとなると、難易度が高くなってしまいます。
カクレクマノミとイソギンチャクはメジャーな組み合わせではありますが、実際に飼育を考えると、海水魚飼育上級者向けの組み合わせともいえるでしょう。

イソギンチャクの飼育方法についてはこちらの記事でご紹介しています。

またサンゴのようにイソギンチャクの刺胞で死んでしまう生き物もいますので、水槽に入れる場合には、事前に他の生き物とイソギンチャクの相性を調べるとよいでしょう。

場合によっては人工のイソギンチャクでもカクレクマノミが慣れて入ることもありますので、海水魚初心者は人工イソギンチャクも視野に入れてみてはいかがでしょうか。

カクレクマノミが好きなイソギンチャクについてはこちらの記事も参考にしてみてください。

性格のおとなしい海水魚

カクレクマノミと一緒に飼うことのできる海水魚には、小型のハゼ類性格のおとなしい小型の海水魚がいます。

ハゼ類ならミズタマハゼ、ハタタテハゼあたりが海水魚飼育初心者でも育てやすいです。
ミズタマハゼは水槽の底層を泳ぐので他の魚が食べ残した餌を食べてくれますので、水槽のお掃除役としても最適です。

またサンゴやエビと共生するサンゴハゼ、ギンガハゼといったハゼと一緒に飼うこともできます。

フレームエンゼルマンジュウイシモチといった性格が大人しめの小型のヤッコ類や、小型のベラ類はカクレクマノミと同じ水槽に入れてもいじめや喧嘩をすることが少ないため、混泳向きといえるでしょう。

小型のスズメダイもメジャーな海水魚ですが、こちらはカクレクマノミとの相性はあまりよくはありません。
カクレクマノミよりも激しい性格のものが多く、カクレクマノミがいじめられてしまいます。

しかし、デバスズメダイだけは例外です。
デバスズメダイは、小型のスズメダイの仲間でありながら、とても気性が穏やかな海水魚で、カクレクマノミとの相性は抜群といえるでしょう。
実際に混泳している水槽例も多数ありますので、おすすめの海水魚です。

性格のおとなしい大型の海水魚

カクレクマノミよりも体の大きな魚を同じ水槽に入れると、カクレクマノミがいじめられるんじゃないかと心配になる人もいるかと思いますが、大きな海水魚でも性格がおとなしい種類なら、カクレクマノミをいじめる可能性は低いです。

キイロハギ大型のヤッコ類もカクレクマノミと同じ水槽で飼うことができます。ただし、成長するに従い体がどんどん大きくなっていくので、最初から大き目の水槽で飼育する必要があります。

同じく大型の海水魚、ナンヨウハギもカクレクマノミとの混泳が可能です。

ナンヨウハギは、カクレクマノミと同じ映画に登場するとあって、混泳相手に選ぶ方も多いのではないでしょうか。

しかし、ナンヨウハギは飼育が難しいとされており、海水魚初心者が安易に飼育するのは危険です。

ナンヨウハギは、水温や水質の変化に弱く、また病気にもかかりやすいと言われています。
飼育するのであれば、正しい知識と設備を整えたうえで飼育するようにしてください。

エビ類

(海水魚)エビ キャメルシュリンプ(1匹) 北海道・九州航空便要保温

キャメルシュリンプホワイトソックスといったエビ類はカクレクマノミを食べることがなく、同じ水槽で飼育することができます。
エビ類は水槽内の掃除屋としても知られており、コケ対策や餌の食べ残し対策として一緒に飼育している人も多いです。

エビを水槽に入れる場合には、ストレスを与えないよう、また脱皮時に他の生物から攻撃されないように隠れ場所になるようなサンゴやライブロックなどを入れてあげるとよいです 。

海水エビの飼育方法についてはこちらの記事も参考にしてみてください。

貝類

(海水魚)貝 シッタカ貝(バテイラ) Mサイズ(2匹) 北海道・九州航空便要保温

シッタカガイマガキガイといった貝類は、カクレクマノミと同じ水槽で飼うことができます。
食べられてしまいそうにも思えますが、カクレクマノミが興味を示すことはあっても食べることはありませんし、逆に貝類がカクレクマノミに危害を加えるといったこともないです。

貝類は水槽内に発生したコケを食べてくれるので、コケ対策として水槽に入れている人もいます。
しかし、貝類は水質悪化に弱い傾向にあるため飼育環境はしっかりと管理する必要があります。

まとめ:カクレクマノミ(ニモ)と一緒に飼える魚や生き物は何がいる?

今回はカクレクマノミと同じ水槽で飼うことのできる生き物や海水魚をご紹介しました。

カクレクマノミは温和な性格で混泳しやすい海水魚ですが、縄張り意識が強いため、同種でも3匹以上になると喧嘩やいじめが発生しやすいです。
また同じクマノミ科や体の模様が似た魚も攻撃する傾向にあります。

エビ類や貝類、性格のおとなしい海水魚との混泳は可能ですが、泳ぎが苦手だったり、餌を食べるのが遅い海水魚はカクレクマノミに餌をとられてしまう可能性が高いので同じ水槽での飼育には不向きと考えてよいでしょう。
逆に肉食系の魚はカクレクマノミが食べられてしまう可能性がありますし、縄張り意識の強い海水魚も喧嘩の原因になるので一緒に飼うのは避けたほうがよいです。

イソギンチャクとの相性はバツグンですが、飼育難易度が上がります。また同じ水槽で飼う他の生物や海水魚とイソギンチャクとの相性も考える必要がありますので、一緒に飼育するのは意外に難しいです。

カクレクマノミと同じ水槽で他の生物を飼う際には、それぞれの生体や飼育方法などをきちんと把握したうえで、相性の良い相手を選んであげてください。

なお海水魚の飼育方法などについてはこちらの記事を参考にしてください。