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水槽の水が汚れた・黄色くなった!TDS(不純物)の原因と対策とは

アクアアリウムをやっていて、誰もが一度は悩まされるのが濁りなどの、飼育水の汚れです。
アクアリウムでは、飼育水中の成分が多い状態を「TDSが高い」と表現することがあります。

TDSとは純水以外の不純物の量を指す値のことで、水質管理のパラメーターとして多くのアクアリストが測定している数値です。
低く抑えるほど水は清浄ですが、低すぎても水草が育たないなど、少なからず生き物に影響があります。

この記事では、水換えなどTDSを抑制する方法などについても、ご紹介します!

TDS(不純物)とは?水の汚れについて

水槽の水が黄ばんでる・臭う場合、飼育水にTDS(不純物)が増加していることがあります。

TDSとは、飼育水のなかにある水以外の成分の濃度のことです。
TDSは電気伝導率で測定するため、基本的にTDSが高い=電解質(水以外の成分)が多い傾向があります。
純水のTDS値が0で、100~160以内なら飲料水としても使えるレベルと言われています

目に見えて汚れている飼育水は、魚の食べ残した餌やフン、枯れた水草などがから出る養分が蓄積し、TDSが過剰になった状態と言えるでしょう。

養分が過剰にある状態だと、有益なバクテリア以外の雑菌や病原菌が増え始めることがあります。
そうなると、飼育している魚やエビなどが病気になったりダメージを受け、水槽環境が悪化してししまうので、過剰な養分には気を付けるに越したことはないです。

しかし、このTDS値は水が透明で問題なさそうに見えても上昇していることがあります。
それはレイアウトしている岩や砂利からミネラルが溶け出し、水の硬度が上がったときです。

生体の状態が悪い時は、このTDS値を図ると、水質の状態を把握しやすいです!

TDSが上がりすぎた状態は自然にもある

TDSが高い状態は水槽だけでなく自然界でもしばしば起こる現象です。
有名なところでは、赤潮がそれにあたります。

海で富栄養化が起こると、海中の栄養を養分とする植物プランクトンが増殖し、植物プランクトンが増えたことで、今度はそれを餌とする動物プランクトンが増殖します。
そして、それらが死んだことで窒素やリンが流れ出し、窒素やリンを養分とする植物やプランクトンが増えていきます…というようにプランクトンがどんどん増殖していく現象が赤潮です。

魚の餌となるプランクトンが増えるのは、一見するとよいことのように思えるかもしれませんが、何事にも限度というものがあります。
赤潮のような異常増殖は、生態系のバランスを崩してしまう深刻な現象なのです。

と、話はそれましたが、実際には水槽のような限定的な空間で赤潮のような現象は起こりません

TDSの水槽への影響は?

TDSは純水以外の物質・・・つまり有機物の値でもあるので、水草育成時には大変有用な数値です。
水草は、そうした有機物質を吸収して成長します。

TDSメーターで測定できますが、TDS値がおおよそ110ほどまでなら、水草に適した養分豊富な飼育水と言えるでしょう。

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しかし、度を超えて400など、TDSが高すぎると以下のようなトラブルが起こります。

  • 飼育水が黄ばむ、僅かにとろみがでる
  • 飼育水が臭う
  • コケが増殖する
  • 生体が病気になりやすくなる など

このように、アクアリウムを楽しむうえで悪影響がありますが、養分自体は水槽環境にとって悪いものではありません。
しかし、養分とはそもそも水以外の物質です。増えすぎると純水からはなれていき、水が「汚れている」状態といえます。

水中に過剰な養分があり、十分な光が当たると植物プランクトンやコケが水中の栄養分を餌にして発生します。
これはいわゆる「グリーンウォーター化」なのですが、太陽光が当たる屋外飼育ではなく、室内の水槽で飼育している場合には悪い青水(アオコ)の場合がほとんどです。

そしてコケが生えると、水槽の見栄えが悪くなるのはもちろんですが、深刻なのが水草への影響です。
コケに覆われてしまうと、葉に光が届きづらくなり光合成を妨げるため、水草が枯れてしまう原因になります。

つまり、TDSが200以上など高すぎる状態の水槽はバランスが崩れているので、すぐに対処するのがおすすめです。

コケについては以下の記事も参考にしてください。

TDSが高いときの対策

TDSが高くなってしまったら、水槽内を掃除し、こまめに水を換えることが大切です。
水を換えることで、水中の栄養分が薄まり、正常な状態に戻すことができます。

水換えは基本のメンテナンスですが、飼育水をダイレクトに改善できるので、魚のコンディションを整えたり、水槽環境を適正にするなど効果は絶対的です。

また、水槽内を掃除するときは、底砂もしっかりめに掃除をしましょう。
魚の食べ残した餌やフンもTDSの原因になり、それらは底砂に溜まります。

せっかく水を換えて水質を改善しても、底砂が汚れたままでは、またすぐに汚れた状態に戻ってしまいます。
底砂の掃除も欠かさず行いましょう。

水換えや底砂のクリーニングについては以下の記事で詳しく解説しています。

TDSが高い状態を予防するには

TDSが高い状態を予防するポイントをまとめてみましょう。

餌のやりすぎ注意する

魚が餌に食いつく姿はかわいいですが、やりすぎには注意しましょう。
TDS上昇の原因で一番多いのが餌の与えすぎです。

魚は体温を維持する必要がないため、あまりエネルギーを必要としません。思っているよりずっと少ない餌でも生きていくことができます。
熱帯魚であれば、1日1~2回の頻度で、魚の様子を見ながら少しずつあげていき、食いつきなどを観察しながら最適な給餌量を決めましょう。

食べ残しが出ないよう注意です。
もし、食べ残しがあるようならば、すぐに取り除く、餌が底に沈んでしまったなら水を換えることでTDS抑制に繋がります。

餌の与え方については以下の記事も参考にしてください。

水草を植える

(水草)国産 無農薬マツモ(10本) 北海道航空便要保温

水草水中の養分を吸収してくれますので、水草を植えることはTDS対策として非常に有効です。
水草の中でもお勧めなのが、マツモアナカリスなどの成長の早い有茎草です。
これらの水草は、水質を維持する意味でも植えておくとよいでしょう。

有茎草については以下の記事でも解説しています。

水草の肥料や照明時間を減らす

リーベックス(Revex) コンセント タイマー スイッチ式 簡単デジタルタイマー PT70DW

水草の成長を促すため、肥料や照明を使用しますが、これらもやりすぎてしまうと、TDS上昇を誘発してしまいます。

肥料が水中の養分になることは想像がつくと思いますが、見逃しがちなのが照明時間の長さです。
水草の成長を促す照明は、同時にコケも成長させてしまいます。

照明を当てる時間は、日照時間に合わせて約8時間程度が望ましいとされています。水槽用の照明を使用するときはタイマーを設定しましょう。

タイマーをちゃんと設定しているのに、コケが大繁殖してしまった、というようなときは、水槽用の照明以外に部屋の明かりや太陽光が水槽に当たっていて、光が増えてしまっている可能性があります。
その場合は、部屋の明かりや太陽光の当たっている分を差し引いて照明を当てるようにするなど、タイマーを調節してみましょう。

照明時間については以下の記事も参考にしてください。

魚の数を見直す

水槽の大きさに対して、魚が多すぎると水の汚れが早まります。
ざっくりとした考え方ですが、水槽で飼える魚の数は、

  • 小型の魚→水槽容量2Lに1匹
  • 中型・大型の魚→1L=1cm(10cmの魚を飼う場合、10Lに1匹)

として計算できます。
TDSが下がらないようならば、魚の飼育数を見直してみるとよいでしょう。

魚の過密飼育については以下の記事でまとめています。

吸着系ソイルなどを活用する

寿工芸 ドクターソイル 2kg

吸着系ソイルとは、ゼオライトなど、過剰な養分を吸着し水質を安定してくれるタイプのアイテムのことです。

水質安定に効果抜群ですが、効果に限度があるため、都度交換する必要があります。
やや手間ではありますが、水槽環境が安定することもあるので、必要に応じて使用しましょう。

岩などのレイアウト物を見直す

岩などから溶け出す成分でも、TDS値は上昇します。
「水換えをこまめに行っても、効果が薄い…」という場合には養分・成分が溶け出すレイアウトの配置を見直してみるのも一つの方法です。

まとめ:水槽の水が汚れた・黄色くなった!TDS(不純物)の原因と対策とは

TDS(不純物)の影響や対策についてお話ししました。
水槽は密閉空間なことに加え、生き物の活動が加わることで水質には常に様々な変化が起きています。

飼育水が汚れてしまわないように予防することはもちろんですが、少しの変化も見逃さないよう、日々しっかりと水槽を観察することが大切です。
水の汚れは放っておくと魚や水草にダメージを与えてしまいますので、気づいた時には確実に対策を行いましょう。


コメント

  1. 毛ーちゃん より:

    おはようございます。よろしくお願いいたします。現在、黄色シュリンプ4匹と青シュリンプ3匹
    生まれて1週間程の赤ちゃんシュリンプ(数不明)を飼育しています。初心者です。
    水が黄色っぽく濁り困ってます。エアレーションをしたり、善玉菌がすごいんです(市販の水質
    調整用品)を入れたり、みずを週一で半分交換したりしています。また、イトミミズが発生して
    プラナリアzeroを投入しています。なかなか改善が見られません。どうしたらいいですか?
    アドバイスをお願いします。

    • 中島 より:

      底砂はソイルでしょうか。
      ソイルですと富栄養化しやすく、水も黄ばみやすいです。イトミミズも発生しやすいです。
      解消するには、底砂掃除をしっかりするのが良いのです。
      赤ちゃんがいるので、なかなか吸い出しにくいと思いますが、頑張ってください!

  2. 毛ーちゃん より:

    アドバイスありがとうございます!
    底砂はメダカ飼育専用のソイルです。今のとこ赤ちゃんを5匹見つけてますが、妊婦のシュリンプが
    4匹いて2匹は卵を付けたまま脱皮をしてしまい残りの2匹から生まれていて何匹かわからない
    藻の下にかくれているのかな?そんなことでソイルの掃除はできないかもしれません。
    赤ちゃんが、少し大きくなるの待って挑戦したいと思います。

  3. 毛ーちゃん より:

    先日はコメントありがとうございました。
    赤ちゃんシュリンプがたくさん確認でき、ソイルの掃除はできてませんが、ライトの照射時間を減らしたりと遮光するようになって、水が黄色っぽくならなくなってきました。
    綺麗な透き通った水にはまだまだなので、赤ちゃんシュリンプの存在感がでてきたらソイルの掃除も頑張ってみようと思います。

    • 中島 より:

      黄ばみが減って良かったです!赤ちゃんシュリンプかわいいですよね。
      大切に育てていらっしゃるんですね。
      エビや水槽管理に関係する記事を増やしていきたいと考えておりますので、今後ともよろしくお願いいたします。

  4. 毛ーちゃん より:

    こちらこそよろしくお願いします!
    また近況を報告します。ありがとうございました(^^♪

  5. 岩谷 より:

    本当に役立ちます。
    今年、初めてメダカを飼い始めて、赤ちゃんが生まれたけど黄色く濁っていました。
    一旦掃除して、水換えもしたいと思います。
    これを、見てなかったら、どうなるだろう?と思います…😨
    確かに水草は、枯れてました

    • 中島 より:

      コメントありがとうございます!
      黄ばみ(富栄養化)自体は強力な毒ではないのですが、さまざまなトラブルの要因になりますので、解消したほうがよいです。
      枯れた水草はもったいないですが、取り出して新しいものと取り換えをおすすめしています。
      よろしくおねがいいたします!

  6. オランダ琉金 より:

    アクアリウム初心者です!40センチ水槽に金魚4匹入ってますがこれは過密飼育でしょうか?金魚の長さは小指ほどの長さです。底の清掃要員でヤマトヌマエビを2匹入れています。屋内から屋外に切り替えた方が良いのでしょうか?アドバイスお願いいたします。

    • アクアガーデン編集部 より:

      小指(約6cmほど)ですと、過密気味です。
      暖かい季節は金魚も良く成長するため、水槽サイズは60cm以上がおすすめですが、設置スペースが限られているのであれば、屋外に移すのも一つの方法です。
      しかし、ろ過設備を使った飼育や、室内の気温に慣れている金魚ですと、水槽を交換して室内飼育を続けてあげるのがベストと考えています。
      こちらのコラムもご参照ください。

      ・【初心者向け】おすすめ金魚水槽セット10選!選び方も教えます!
      https://t-aquagarden.com/column/goldfish_tankset

      よろしくお願いいたします。
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