皆さんは最近水族館に足を運んでいますか?
水族館といえば、イルカやアシカのショーを思い浮かべる方も多いかもしれません。
確かにきらびやかな動物のショーは目を引くし、楽しいですが、ちょっと待ってください。
水族館の楽しみはそれだけじゃありませんよ。
アクアリストとしては、ぜひ見ておきたい展示がたくさんあります。
今回は、アクアリウムのプロがプロ目線で教える水族館の楽しみ方をご紹介します。
楽しむ前に水族館の役割を知ろう
水族館は、水中生物を見たり触ったりして楽しむところ、と思っている方も多いのではないでしょうか。
しかし、水族館の役割はそれだけではありません。
水族館には楽しむだけではなく、ちゃんとした役割・使命があるのです。
(公社)日本動物園水族館協会(通称JAXA)によると、水族館には以下の4つの役割が掲げられています。
- 種の保存
数の少なくってしまった希少生物たちの保護したり、飼育繁殖をおこなっています。 - 教育・環境教育
生物を展示をしたり勉強会を開いたりすることで、生物の生態を広く知ってもらう活動をおこなっています。 - 調査・研究
生物を調査・研究することで、生物の生態を理解し、繁殖したり、生物に長生きしてもらうための活動に役立っています。 - レクリエーション
水族館といえばこれが一番なじみ深いかもしれません。
見たり触ったりして、生物に親しんでもらう活動のことを指しています。
水族館に珍しい生き物が多いのは、ただお客さんに楽しんでもらうためではなく、保護や調査研究のためでもあるのです。
こうして考えてみると、水族館はレジャースポットというよりは研究機関に近いようにも思えてきますね。
水族館の役割を頭に入れておくと、館内の細かいところまで目を向けられるのではないでしょうか。
アクアリウムのプロが教える!水族館をより楽しむ方法
せっかく水族館に行くからには、隅から隅まで楽しみたいですよね。
ちょっとしたことから少しマニアックなものまで、プロ目線での楽しみ方をご紹介します。
自宅でアクアリウムを楽しみたい方はこちらの記事も参考にしてみてください。
開園時間に入園する
水族館で泳ぐ生物は大抵が昼行性のため、最も活発に活動する時間帯は朝です。
そのため、遅い時間になってくると隠れ家に隠れてしまって、姿が見れない生物が出てくることがあります。
そのようなリスクを少しでも減らすには、活発に活動する開園直後の時間帯を狙って入園するとよいでしょう。
バックヤード見学をする
水族館ではバックヤードの見学をおこなっている場合があります。
水族館の裏方であるバックヤードを見学できる機会は、なかなかありませんので、見かけた際はぜひ足を運んでみましょう。
水族館で使用されている水槽はかなり大きいので、ろ過装置もスケールの大きな物が多いのですが、中には一般家庭にある見慣れた機材が混ざっていることがあります。
自宅の水槽で使っているのと同じ機材を見つけると、なんだか嬉しくなりますよ。
また、自宅に水槽がある場合は、意外と参考になるケースも多くあります。
水槽のスケールアップや、自宅のろ過設備の見直しなどで浮かんだ疑問を、水族館のスタッフの方に聞いてみるのも面白いかもしれません。
貴重な生物を調べてから行く
水族館には、種を保存するという大切な任務があります。
そのため、観賞魚業界では取引が停止されている珍しい生物が、水族館で見れることがあります。
実際の例をあげると、今から10年ほど前でしょうか。ブルーモーリシャスエンゼルという海水魚が完全に輸入ストップとなり観賞魚ルートから消えてしまいました。
最後に私が熱帯魚専門店で見た価格は、ペアで150万円近くしたと記憶しています。
それから数年経過したとき、葛西臨海水族園に行ってみたらブルーモーリシャスエンゼルがペアで泳いでるではありませんか。
もう2度と見れないと思っていた魚を再び見ることができて、とても感動したことを今でも覚えています。
また、沖縄美ら海水族館のサンゴ水槽も一見の価値があります。
観賞魚業界では、沖縄産のハードコーラルは採取禁止ですが、沖縄美ら海水族館は採取が許可されており誰でも見ることができます。
水族館は、このような他では見れない生物を展示している場所です。アクアリストにとっては非常に貴重な体験ができることでしょう。
各水族館で飼育している生物を下調べしてから行くと、貴重な生物を見逃してしまうこともなくなりますので、下調べをしてから足を運ぶようにしましょう。
特定外来生物についてはこちらの記事も参考にしてください。
水族館の特長を調べてから行く
水族館には、それぞれ力を入れている展示生物や飼育方法などがあります。
水族館に行くときは、その特長を調べてからいくとよいでしょう。
例えば最近話題のクラゲ。
光や音の演出とともにクラゲを展示して神秘的な空間を作り上げている、マクセルアクアパーク品川が注目を浴びています。
しかし、クラゲの種類なら神奈川県の江の島水族館や、山形県の加茂水族館も負けていません。特に加茂水族館はクラゲの展示数が世界一多いことからギネス世界記録に認定されています。
他にも東京スカイツリータウンの中にある、すみだ水族館には、ネイチャーアクアリウムが展示されています。
このネイチャーアクアリウム、実はアクアリストから大変人気のある、アクアデザインアマノの手掛けたものなのです。
アクアデザインアマノのネイチャーアクアリウムが見れる水族館は日本ではここだけです。
アクアデザインアマノの本社、新潟からスタッフが常駐し、毎日メンテナンスに入るほどのこだわりは必見です。
楽しむにはマナーも大事!水族館でのマナー
水族館を楽しむ上で、マナーをしっかり守ることも大切です。
まず、水槽は絶対に叩かないこと。
魚は音や振動にとても敏感です。水槽を叩いてしまうと、魚が驚いてストレスがかかってしまいます。
それから、写真撮影にも注意が必要です。
最近は携帯電話で綺麗な写真を撮れるようになったのもあって、つい手軽に写真を撮ってしまう方もいるでしょう。
しかし、水族館では、撮影を禁止していたり、撮影は許可されていてもフラッシュの使用を禁止していたりすることが多いのです。
特にフラッシュは、瞬間的に強い光を放つため、暗いところに慣れている魚の目を傷つけてしまう可能性があります。
水族館には大抵注意書きがされていますが、もしわからない場合はスタッフの方に聞くなど、必ず確認してから撮影するようにしましょう。
まとめ・アクアリウムのプロが教える水族館をより楽しむ方法とは
プロが教える、水族館の楽しみ方をお伝えしました。
少しマニアックなものもあったかもしれませんが、コツを抑えて、水族館を楽しんでいただけたら嬉しいです。
下調べをしっかりして行くと、より水族館を楽しむことができますよ。
マナーを守ることもお忘れなく。
皆さん、お休みの日はぜひ、水族館に足を運んでみてください。
トロピカライターの長嶋です。
金魚すくいで連れて帰った、和金の『よしえ(名前)』を飼育してました。
可愛らしい魚とワニが大好きです。
生物を飼う楽しさを伝えていけたらな、と思います!