始まりました、アクアガーデン事件簿。
今日ご紹介するのは、ある水槽で、熱帯魚を餓死させてしまったというお話です。
しかし、不思議なことに、その水槽には毎日決まった量のエサをしっかりあげていました。
しかし、ハタタテハゼはガリガリにやせ細って死んでしまったのです。
何故なのか。
一緒に検証してまいりましょう。
ハタタテハゼが餓死!毎日餌をあげているのになぜ?
検証1 実はエサを与えていなかった?
お客様に話を聞くと、毎日決まった時間に規定量のエサを欠かさず与えているといいます。
とはいうものの、実はエサを与え忘れていたのでは?
そう考え、他の生体の様子をチェックしてみました。
カクレクマノミ、デバスズメダイ、アカネハナゴイ、フチドリカワハギ、スカンクシュリンプ、貝類。
じっくり観察しましたが、みんな健康的な体形で、元気に泳いでいます。
もし餌をあげていなかったら、みんな痩せてしまっているはずです。
やはり、エサはしっかりあげてくださっていたようです。
検証2 いじめられていた可能性
↑今回の被害者です。
海水魚は、淡水魚と比べると縄張りの主張が激しい種類が多く、喧嘩をしやすい傾向にあります。
そのためアクアガーデンでは、長年の経験により喧嘩しにくい、比較的仲良くできる組み合わせの生体を入れています。
そのため、喧嘩やいじめがあった可能性は低いです。
謎はますます深まります。
検証3 痩せて行った時期から考察
もともと、ハタタテハゼは元気いっぱいでした。
水槽を立ち上げてから8ヶ月近く元気に泳いでいたのに、突然餓死してしまいました。
何か水槽に変化はあったか?
やせ始めて行った時期を逆算してゆくと、ひとつ、水槽に変化があったことを思い出しました。
それは、カーリー(セイタカイソギンチャク)の発生です。
カーリーはイソギンチャクの仲間ですが、ひょろ長く、不気味で、綺麗な水槽に水を差す厄介な奴です。
カーリーがこの水槽のライブロックから発生し始めました。
そこで、私たちはカーリーを積極的に食べてくれる、フチドリカワハギを水槽に投入。
思えば、ハタタテハゼがやせ始めたのもこの時からでした。
検証4 水槽のレイアウト
なんとなくヒントが見えて来ました。
まだ謎が隠されているかもしれません。
今度は水槽のレイアウトをじっくり見てみました。
こちらが、事件現場です↓
ライブロックが、アーチ状に美しく組まれています。
両面から見ることができる水槽のポテンシャルを、遺憾なく発揮するレイアウトです。
水槽サイズはW600×D300×H400mm。小型ながら、存在感充分の水槽です。
とても開放的に見えますが、隠れる場所があまりないということに気が付きました。
だんだん、事件の真相が見えてきました。
毎日餌を与えているのに餓死 真相
現場に残された遺留品、容疑者の物と思われる痕跡から、事件の真相がついにわかりました。
犯人は・・・なんと・・・
フチドリカワハギです。
かわいい顔して、凶悪な事件を起こした犯人はフチドリカワハギであると捜査班は断定しました。
事件の顛末
事の顛末は以下の通りです。
水槽内にカーリー(セイタカイソギンチャク)が発生。
ピンセットでつまんだり薬剤を投与したりの除去が難しいので、生体兵器としてフチドリカワハギを投入しました。
フチドリカワハギは働き者で、非常に優秀です。
しかし、元来臆病な性格のハタタテハゼは、この新しい同居者を怖がってしまいました。
それもそのはず、フチドリカワハギは他のどの魚よりも大きかったからです。
そうなると、怯えたハタタテハゼは餌の時間になってもライブロックの隙間に隠れて、出てきません。
他の生体の食べ残しが時々落ちてきて、それをつまむ程度しか食べられなくなりました。
こうして徐々にやせ衰えていったハタタテハゼは、可哀そうに餓死してしまったのです。。。
アクアガーデン事件簿 まとめ
いかがでしたか?
生体同士の組み合わせ、水槽の広さ、個体の調子など、様々な要因が重なって起こってしまった悲劇。
例えばもう少し隠れ家を増やすとか、フチドリカワハギをすぐに取り出すとか、できることは沢山あったと思います。
しかし、それに気づかず死なせてしまったこの出来事は、しっかり教訓として、再発防止に努めたいですね。
アクアガーデン事件簿、今回はここまで。
事件のあるところ、捜査班はどこにでも駆けつけます。
乞うご期待!
トロピカプレゼンテーターのぶっちーです(。-`ω-)
この記事が、皆様の素敵なアクアリウムライフの手助けになれば幸いです。
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