熱帯魚は人間と会話することができないため、普段の行動や外見など見た目で体調を判断するしかありません。
ショップでは元気だったのに、自宅の水槽に入れたら急におかしな行動をとる、動かなくなったといった目に見える変化なら体調などを判断しやすいのですが、知らず知らずのうちに弱っていき、ある日突然死んでしまうこともあります。
熱帯魚を長生きさせるには、餌やりのときなどに短時間でもよいので毎日観察し、ちょっとした変化も見逃さないことがポイントになります。
今回は熱帯魚を長生きさせるための、体長の変化やサインを見逃さないためのポイントについてお話していきます。
熱帯魚の体調が悪いときの行動とは?
普段元気な熱帯魚が、次のような行動をとっているときは体調が悪かったり、ストレスで体が弱っている可能性が高いです。
・水槽の底でじっとして動かない
病気やストレスで体力が落ち、水槽内を泳ぎ回ることができない可能性が高いです。
・物陰から出てこない
ストレスで隠れていることもありますが、体調不良の場合命の危機に瀕している可能性が高いです。
・急に餌を食べなくなる
消化不良やストレスで餌を食べる元気がなくなっていたり、エラ病などの病気で食欲が落ちている可能性があります。
・やせ細っている
ストレスや病気などから餌を食べることができなくて痩せていることもありますが、寿命が近くやせ衰えている可能性もあります。
・体やヒレが擦り切れている
他の熱帯魚と喧嘩をしたり、岩などに体をぶつけケガをしている可能性もありますが、症状によっては尾ぐされ病などの病気のこともあります。
体調不良と判断するポイント
熱帯魚だけでなく魚類は、ケガをしたり病気などで体調を崩すと、高確率で岩陰など物陰に隠れて姿を現しません。これは生存本能からくる行動で、弱っている状態で姿を周囲に見せることで、他の魚に襲われるのを防ぐためです。
そのためいつ死んでしまうかわからないような状態のときには、岩や水草の影などに隠れて症状が落ち着くまで身を隠していることがほとんどです。
このことから、餌の時間なのに何日も姿を見せない、毎日何時間も同じ場所にいて動かないようなときは、体調不良のサインと考えて良いでしょう。
熱帯魚の体調不良を見逃さないためのポイント
熱帯魚の体調不良やケガなどを見逃さないポイントは、「日ごろの観察」の一言につきます。毎日水槽内の熱帯魚の様子を観察していれば、飼育している熱帯魚のクセや、お気に入りの場所、餌を食べる量をきちんと把握することができます。
餌やりの時間は熱帯魚との重要なコミュニケーションを取ることのできる時間ですし、熱帯魚の様子を確認しやすいです。自然界にいる魚は餌にありつけるチャンスがあれば、食べれるときに食べれるだけ栄養を取ります。
飼育環境にいる熱帯魚も基本的にはいつ食べられなくなってもよいように、「食べれるときに食べる」という思考は同じです。
単純に同じ餌ばかりだったり、気にくわない餌で食いつきが悪くなることもありますが、いつもたくさん食べる熱帯魚が突然食いつきが悪くなったりするようであれば、体調不良や消化不良を疑いましょう。
餌に飽きた・嗜好と合わないような状態でも長期間餌を食べないでいれば、最終的に体力が落ちて体調不良になってしまってしまうので、餌を見直さなければなりません。
体調不良の熱帯魚を見つけたらきちんとケアしてあげよう
体調不良の熱帯魚を見つけたら、きちんとケアしてあげる必要があります。病気や体調不良の初期なら、比較的短時間で治療することができる場合がほとんどです。早期発見・早期にケアすることですぐに元気な姿を見せてくれますが、重症の場合には長期治療が必要となります。
熱帯魚の病気やケガについては、こちらの記事で解説しています。
症状が軽い場合でも飼育水槽とは別に治療用の水槽を用意してあげることで、熱帯魚が落ち着いて過ごすことができ病気の症状も早く落ち着いてきます。
隔離水槽に関してはこちらの記事で解説しています。
感染性の高い病気や寄生虫原因の場合には、同じ水槽内の熱帯魚に感染しないよう、水槽の水換えや掃除などを行う必要があり、環境が最悪の場合は水槽をリセットすることも考えなければなりません。
水槽掃除や水槽のリセットに関してはこちらの記事を参考にしてください。
熱帯魚を体調不良にさせないポイント
熱帯魚も人間と同じようにウィルスや寄生虫によって病気になりますし、強いストレスを感じると体が弱ってきます。
ストレスで弱った熱帯魚は、寄生虫やウィルス感染しやすくなるので、まずは熱帯魚に対して極力ストレスを与えない、ということが重要です。
熱帯魚のストレスに関してはこちらの記事で解説しています。
病気にさせないためには、外部からウィルスや寄生虫を持ち込まない、ということが一番の対策ですし、飼育環境も適切な環境にしなければなりません。
新しく購入した熱帯魚だけに対し神経質になる人がいますが、水草や流木などにもウィルスや寄生虫が付いていることがあります。新しく購入したものを水槽内に入れる場合は、事前にバケツなどでトリートメントやあく抜きといった作業を行うことで、ウィルスや寄生虫の持ち込みを防ぎやすくなります。
また水草の場合、養殖されているものは病気や寄生虫などが付かないように、農薬を使用して育てられたものが販売されていることがあります。残留農薬は熱帯魚だけでなくエビ類などに大きな影響を与えるので、購入する際には農薬使用の有無も気にしましょう。
こちらの記事も熱帯魚の体調不良対策になりますので、読んでおくことをおすすめします。
まとめ:熱帯魚の健康状態を把握し、長期飼育を目指そう!
熱帯魚は人間と言葉を交わすことができないため、日頃の行動からしか体調や機嫌などを知ることができません。熱帯魚のクセや餌の嗜好、好きな場所などを知らないと、行動がおかしいときに体調が悪いのか、普段からのクセなのかの判断が難しくなり、病気や体調不良の発見が遅れてしまいます。
5~10分でもいいので毎日観察すること、そして熱帯魚のストレスが少ない適切な環境で飼育することで、熱帯魚の体調不良を防ぎ長期飼育を成功させることにもつながっていきます。
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