アクアリストなら誰でも一度は悩まされたことのあるトラブルが「コケ」ではないでしょうか。
一度生え始めると、手が付けられなくなってしまう頑固なコケの撃退法をプロが伝授します!
直射日光によって生えてしまったコケの取り除き方、アイテムなどを解説していきます。
コケの無いクリアなアクアリウムを目指しましょう。
コケの生えやすい水槽とは
我々アクアリストを悩ませるコケが生えやすい水槽と、そうでもない水槽があります。ではどんな水槽だとコケが生えやすくなってしまうのでしょうか。
直射日光が当たっている
コケは植物の仲間ですから、光合成をして生活しています。光がたくさん当たれば当たるほどコケは生えやすくなります。最も強い光は「日光」ですから、直射日光の当たる水槽は非常にコケが生えやすい環境と言えます。
二酸化炭素を添加している
水草水槽は、水草をイキイキと茂らせるために二酸化炭素を添加している場合がありますね。
二酸化炭素は植物の光合成の材料になりますから、水草を繁茂させるためには重要な物質です。ですが上で話した通り、コケも植物なので、二酸化炭素を添加するとコケも生えやすくなってしまいます。
水換えの頻度が低い
水槽の水の中には、水槽内の生体からの排泄物が含まれています。排泄物はバクテリアによって分解され、硝酸塩というものに変わっているのですが、その硝酸塩は植物にとっては肥料にあたる物質です。硝酸塩は水草にも吸収されますが、一般に水槽内の硝酸塩濃度を低くするために水換えは欠かせません。
適切な頻度で水換えを行っていればコケは生えてこないのですが、水換えをサボってしまうと水槽内に硝酸塩が増え、コケが生えやすくなります。
直射日光で生えてきやすいコケとは
今回は、特に「直射日光を当てることによって生えてきやすいコケ」に注目して解説していきます。下で解説するコケがとても生えやすいですが、直射日光が当たると茶色の「茶コケ」はあまり生えてきません。
藍藻(らんそう)ゴケ
よく言われるのが「藍藻(らんそう)ゴケ」です。
藍藻ゴケは鮮やかな緑や黒っぽい、べったりとしたコケです。特に底砂や岩のような素材によく生えてきます。
なかなか根絶が難しいコケで、場合によっては異臭を放つので非常にやっかいなコケと言えます。
緑コケ
緑色の細い糸のようなコケです。正確には藻類の仲間なのですが、緑コケと呼ばれることが多いですね。
生えてくる箇所は水槽のいたるところ…水槽のガラス面、配管チューブ、水草、流木、何にでも生えてきます。
コケの駆除方法は
では、そんな厄介者のコケを駆除する方法を解説します。
水槽に直射日光が当たらないようにしよう
直射日光は植物にとってごちそうです。よってコケもどんどん増えてしまいます。
ですから、水槽に直射日光が当たらないような工夫をしましょう。
例としては「水槽の置き場所を変える」ことです。直射日光があたると水槽内の水温も変化しやすいですから、思い切って水槽の置き場所を変えてしまうのが一番です。
ですが環境によっては「ここしか置き場がないよ!」という場合もありますね。そういった時は「水槽に直射日光が当たらないようにカーテンやすだれで日差しを遮る」という方法もあります。
薬剤で除去しよう
いろいろな工夫をしてもコケが除去しきれない…!そんな時は薬剤に頼りましょう。
コケ取りには「グリーンFゴールド顆粒」が効果的です。
この薬品は、細菌感染症の治療薬として知られていますが、実は藍藻ゴケの除去にも効果があります。ただし、コケを除去する=水草を枯らす可能性がある ので、水草を事前に水槽から取り出せるなら取り出しておきましょう。また、生体も取り出しておきましょう。
グリーンFゴールドにはいくつかの種類がありますが、藍藻ゴケの除去に効果があるのは上記の「顆粒」なので間違えないように注意してください。
使い方は水槽に薬剤を溶かすだけです。およそ1日ほどしたら水をすべて取り換え、生体や水草を戻しましょう。水草に藍藻ゴケが残っていると再発しますので、よくよく洗ってから戻してください。
他には、コケ抑制剤などがあります。こちらの記事もご参考になってください。
コケ取りグッズ・生体は?
こちらの項では、効果的にコケを除去できるアイテムやコケを食べてくれる生体を解説します。
オススメのコケ取りグッズ
コケクレーパー(ジラコヘラ)
水槽のガラス面にこびりついたコケをはがしとるのに便利なヘラです。コシが強いので、力を入れやすいヘラです。サイズもさまざまありますので、お持ちの水槽に合わせたサイズを選べます。
マグネットクリーナー
マグネットでクリーナーとハンドルをくっつけているので、クリーナー部分は水槽内に、ハンドルは水槽内で扱うことができ、手をぬらさないでコケが除去できます。手軽に扱えるところがメリットです。
メラミンスポンジ
100円ショップでも手に入るメラミンスポンジも、コケをこそげとるのにオススメのアイテムです。ただしアクリル製の水槽の場合、傷がついてしまうかもしれないのでガラス製の水槽に向いています。
淡水水槽のおすすめのコケ取り生体
ブラックモーリー
コケを食べてくれることで人気の熱帯魚です。ブラックカラーで存在感もあり、観賞魚としてもかわいらしい魚です。
ミニブッシ―プレコ
こちらも淡水に住む熱帯魚です。通常のプレコより小型で飼育しやすいですが、旺盛な食欲でコケを食べてくれます。コケを食べ終わったら、餌がなくなってしまいますので茹でたホウレンソウや、草食魚用の餌を与えてください。
イシマキガイ
この巻貝もコケを食べてくれることで有名です。ただし、肉食性の魚…エンゼルフィッシュやベタなどと一緒にすると食べられてしまうことがあるので注意しましょう。
汽水性(薄い海水)を好むので、淡水中では繁殖しないので増えすぎて困ってしまう、という事態を避けることができるのもメリットの一つです。
海水水槽におすすめのコケ取り生体
海水水槽のコケには、マガキガイやシッタカガイなどの貝類をおすすめします。
底砂や水槽面を動く姿も、ユーモラスでつい見入ってしまう生体たちです。
海水水槽のコケを食べてくれるお掃除生体については、こちらの記事も是非ご覧ください。
まとめ:直射日光によるコケを除去してクリアな水槽を楽しもう
直射日光によって生えてしまうコケ、その除去グッズや生体について解説しました。
水槽に直射日光が当たるのは良くありません。移動したり日光を遮ることでコケの発生を防ぎ、クリアな水槽を楽しみましょう!
コケ対策は、こちらの記事もご参考にしてください!細かく解説しています。
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